M&A後の元社長の競業避止義務違反をやめさせるには?!
M&A後に元社長が競業避止義務違反?!
M&A事業を譲渡した会社が負う競業避止義務
まず押さえたいのは、譲渡企業が会社として負う競業避止義務です。
事業譲渡によるM&Aを実施した場合には、会社法第21条1項~3項によって競業行為が制限されます。違反した場合には、民法・会社法に基づいて行為を差止めた上で、損害賠償請求も認められます(詳細は後述)。
ここで注意したいのは、競業禁止の効果にある一定の制限です。以下で解説するように、悪質なケースでない限り、常に一定範囲の地域・期間にしか及びません。
競業避止義務の原則:同一地域内で20年間
第1項によれば、事業を譲渡した日から20年間に限り、同一の市区町村および隣接市区町村での競業は禁じられます(第1項)。違反した場合には、民法・会社法に基づく差止めの他、損害賠償請求も認められます。
譲渡時の合意がある場合:最大30年に延長可
実際にM&Aで交わす契約書においては、会社法の規制頼みとせず、競業避止義務に関する条項を個別に加え入れるのが一般化しています。合意があれば、左記条項で競業禁止の範囲を最大30年間とするのも認められています(第2項)。
ただし、禁止期間の延長を行う場合には、引き換えに制限地域の範囲を縮小する等してバランスを取るのが一般的です。
「不正の競争の目的」は範囲無制限で禁止される
譲渡企業が負う競業避止義務には一定の効果範囲が定められていますが、「不正の競争の目的」がある場合は例外です。譲受企業の信用をわざと貶めたり、商標権を侵害したりするようなケースでは、期間・地域を問わず損害賠償責任が生じます。
また、不正競争防止法第2条1項各号で定められる行為に該当するのであれば、別途規定される民事・刑事上での責任も生じます。
【コラム】「不正の競争の目的」の定義
会社法上の「不正の競争の目的」の定義は、事実上の顧客を奪おうとするなど「事業譲渡の趣旨に反する目的で同一の事業をするような場合を指すもの」と解されています(大審院大正7年11月6日判決)。
【FAQ】株式譲渡したケースで課される競業禁止の範囲は?
事業譲渡ではなく「株式譲渡」によるM&Aを実行した場合には、会社法第21条の規定が適用されません。一方で、個別の合意による競業避止義務は有効であり、効果が及ぶ期間を2~3年としつつ地域的範囲は業種等に応じて定めるのが一般的です。
補足すると、合意による競業行為の定義は「自ら営業すること」に留まらないのが普通です。投資や顧問を通じて「他社を支援すること」も禁止となるよう、条項の文言をコントロールしなければなりません。
競業避止義務に違反した会社に対する措置
M&A後の競業行為が発覚した場合には、会社自体に競業を取り止めさせる措置が必要です。考えられる措置として、以下の2つが考えられます。
履行強制+債務不履行による損害賠償
会社法第21条違反の事実があれば、競業避止義務を履行するよう民法第414条に基づいて強制できます(東京高裁昭和48年10月9日判決等)。その上で、債務不履行による損害賠償請求(民法第415条)に基づく損害賠償請求も認められます。
不正競争防止法に基づく措置
不正競争防止法第2条1項の行為類型に当てはまるような場合には、営業上の利益の侵害をやめさせる「差止請求権」(第3条)が認められます。また、侵害された利益については、もちろん金額を推定した上で損害賠償請求も認められます(第4条・第5条)。その他、被害の拡大防止等につながる以下のような権利も認められます。
- 信用回復の措置(第14条)
…営業上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告等)を命じられる
- 書類提出命令(第7条)
…侵害行為の立証もしくは損害額の計算のため、必要な書類の提出を命じられる
- 営業秘密の民事訴訟上の保護等(第10条・第13条等)
…営業秘密について訴訟に関わる者に秘密保持命令を出せる他、当事者尋問を非公開にできる
M&A後に元社長・元従業員が負う競業避止義務
次に、中小企業における競業トラブルで最も重要な論点となる、元社長あるいは元社員が負う「個人としての競業避止義務」を確認してみましょう。
以下のように、義務・制約の内容はポジションによって異なりますが、いずれも個別の合意で競業を禁止できる点に違いはありません。
元社長(退任した取締役)の負う義務
譲渡企業の元社長については、その在任中に「事業の部類に属する取引」をしようとする場合、株主総会の承認決議を要するとの定めがあります(会社法第356条1項)。左記規則を破り、競業の準備をしてからM&Aに踏み切ったとなれば、忠実義務(法第355条)・善管注意義務(法第330条・民法第644条)に違反するとして、損害賠償責任を負います。
では、退任後に競業を企てて実行したケースはどうでしょうか。
考えられるのは、退任時に交わした競業避止義務契約あるいは秘密保持誓約(契約)に基づく義務です。これに違反すれば、差止めや損害賠償を求められるのは当然です。また、左記のような個別の合意の有無に関わらず、不正競争防止法違反が認められる可能性もあります。
【コラム】利益相反行為との違い
会社法第356条で同様に規制される「利益相反行為」は、会社が取引の当事者となるケースを前提としています。対する「競業行為」は、会社が関与せず、代わりに会社の顧客が取引の当事者となって、取締役の事業と会社がライバル関係に陥るケースを想定しています。
元従業員が負う義務
元社長が会社法上の責任を負うのに対し、元従業員の競業行為は労働法上で規制されます。雇用契約における「信義誠実の原則」(労働契約法第4項)の中には、企業秩序維持義務、信用保持義務等と共に「秘密保持義務」と「競業避止義務」が含まれるのです。
また、就業規則や秘密保持契約等といった個別の合意にも規制されます。以降も退任した社長の場合と同じく、成立要件を満たせば不正競争として扱えます。
M&A後に競業する元社長や従業員への措置
M&Aの後に起こる競業トラブルの大半は、元社長(退任した取締役)等が個人的に行うものです。その責任はすでに確認した通りですが、実際に対処する際には、まず法律違反に対する措置(パターン1)が可能か検討し、次に個別の合意や譲渡企業側の不利益等を根拠に措置できるか(パターン2)確認します。
【パターン1】法律違反に対する措置がとれるケース
…①不正競争行為に対する差止請求等、もしくは②在任中の背任行為に対する会社法上の措置
【パターン2】個別の合意等に沿って措置するケース
…③有効な合意に基づく競業避止義務違反への措置、譲受企業の不利益等を根拠とする民事上の措置
いずれの場合でも、問題になるのは「違反の要件を満たしているか」どうかです。
会社法や不正競争防止法に基づいて措置する場合には、競業とみなされる取引や、行った地域の要件を確認しなければなりません。大半のケースが当てはまる「個別の合意に反した」として対処する場合には、その合意自体が職業選択の自由を脅かしていないことが前提です。以降、できる措置の内容と共に、違反の要件について確認します。
①不正競争行為に対する差止請求等
競業する元社長等の行為を「不正競争」とするには、実態として「周知な商品等表示の混同惹起」(第2条1項1号)や「営業秘密の侵害」(4号~16号)に該当することが前提となります。よくある後者の路線では、新事業に横流しされた顧客リスト、あるいは流用された技術やノウハウ等といったものが、解釈上「営業秘密」と呼べるかどうかが問題です。
もし買収した側の企業にとって有利な判断ができるようであれば、民事上の措置と共に刑事責任における法人との両罰規定(第22条)等を予告し、圧力をかけて競業を取り止めさせられます。
不正競争防止法上の営業秘密とは
営業秘密の判断は、経産省が公開する「営業秘密管理指針」(平成31年1月改訂版)に掲載されています(下記表参照)。
【表】「営業秘密」の3要件
①秘密管理性 | 秘密管理しようとする意思が明確に示され、
合理的区分等の必要な措置がある |
②有用性 | 客観的に見て事業活動にとって有用である
※行政処分歴等、反社会的な情報は該当しない |
③非公知性 | 一般的には知られていない、または容易には知り得ない
※公開情報や一般に入手可能な刊行物等では入手できない |
なお、①秘密管理性については、M&Aで特に注意したい要件があります。譲渡契約書において秘密保持契約(NDA)が適切に締結される等、譲受企業によって管理に関する意思が書面で明確にされていることが前提となる点です。さらに、競業している本人(元社長や元従業員)の認識可能性についても立証しなければなりません。
付け加えると、必ずしも不正競争防止法の措置の対象になるとは限らない点にも注意を要します。当事者間の信頼関係の程度や各当事者の利益等から、「不正の利益」また「譲受企業に損害を加える目的」だと判断できる証拠がある場合のみ、法律上の措置が取れると考えるべきです。
②在任中の競業の企てに対する会社法上の措置
元社長が「在任中から競業の企てをしていた」と立証できる場合には、その会社に対する損害賠償義務が生じます。その金額は、元社長が競業で得た利益の額と推定されます(会社法423条2項)。
また、任務懈怠による損害賠償責任の線でも、然るべき代償を負担させる措置が可能です(会社法423条1項)。
「事業の部類に属する取引」の解釈
会社法423条2項に基づいて措置する場合には、株主総会の承認を要するとされる「事業の部類に属する取引」の解釈に当てはまることが前提です。現状では、取引と目的物(商品やサービスの種類/A)、そして②市場(地域や流通のプロセス等/B)が一致すれば、上記取引に当てはまると考えられます。
なお、A・Bについては、以下のように広く解釈することが可能です。
A:「取引と目的物」の解釈
→製造や販売を目的とする会社なら、原材料購入も競業になり得る(最高裁昭和24年6月4日判決)
B:「市場」の解釈
→会社が進出予定を立てて具体的に計画している地域も該当する(東京地裁昭和56年3月26日判決)
③有効な合意に基づく競業避止義務違反への措置
不正競争防止法や会社法で定める措置が取れないとすれば、競業している本人との合意に違反したとして、損害賠償請求を行う措置が考えられます。また、譲受企業の利益を不当に奪ったとして、不当利得返還請求をする対処もあり得ます。
個人との「競業避止義務の合意」が有効と判断される基準
すでに触れたように、個人との競業避止義務の合意は、相手の職業選択の自由を脅かさないよう配慮しなければなりません。また、合意を締結する理由・目的が十分であったかどうかも重要です。
上記2点を踏まえ、合意は下記要件を全て満たす場合のみ有効となります。言い換えれば、要件との合致を十分に立証する必要があるのです。
【表】競業避止義務の合意が有効と判断される基準
守るべき企業の利益 | その情報が営業秘密に匹敵するほどの価値が認められるか |
競業する者の地位 | 対象者の地位上、秘密情報に接することが出来たか |
地域的な限定 | 競業避止の合意につき、合理的な地域制限があったか |
避止義務の期間 | 競業避止の合意につき、合理的な期間制限があったか |
禁止行為の範囲 | 競業避止の合意につき、禁止行為の内容(職種等)が明確にされているか |
代償措置 | 競業避止の合意につき、賃金や役員報酬等で補償していたか |
④譲受企業の不利益・損失を根拠とする民事上の措置
以上①~③のどの措置も選択できない場合には、譲受企業が被った不利益等を理由に損害賠償請求(もしくは不当利得返還請求)を予告し、暗に競業をやめるよう促す手段が考えられます。
もっとも、競業行為と被った不利益との因果関係を証明するのは、相当困難と言わざるを得ません。事業内容やM&A実行時の契約内容から、弁護士に個別の勝ち筋を見つけてもらう必要があります。
M&A後の競業行為に関する判例
最近注目されたM&A後の競業を巡るトラブルを見てみると、競業であること自体は認められても、差止めや損害賠償を全面的に受け入れられるのは難しいと分かります。
元社長等の迷惑行為をやめさせるには、少なくとも「競業の範囲」と「損害額」を出来るだけ具体化しなければなりません。
ウェブサイト譲渡を巡る競業行為差止等請求事件
中古衣料品売買サイトの譲渡を受けた原告が、被告が新しく立ち上げたネット販売事業につき、会社法第21条3項に言う「事業」であるとして、全面的な差止めと損害賠償を求めた事件です(東京地裁平成28年11月11日判決)。
当該事例では、サイトと共に譲渡したはずの顧客の連絡先に新規事業開始を知らせるメールが多数送付されていた事実等から、会社法第21条3項の「不正の競争の目的」があると認められました。その上で、各争点につき下記のように判断され、差止めと損害賠償請求が一部認められています。
- 事業の同一性(=譲渡の事実とその対象)
譲渡したサイトは「ロリータファッション」と「ガーリーファッション」の両方を取り扱っており、被告側は前者にかかる事業のみ引継ぎしたと主張しました。その上で、新規で立ち上げた事業は後者にかかるものと言い張り、競業ではないと反論しています。
実際には、契約書記載の譲渡対象物が古物商ノウハウから顧客の連絡先までの広範囲に渡っており、書面上「ガーリーファッション」を譲渡対象から除外する文言もありません。その他の事実等も踏まえ、裁判所は譲渡事業と新規事業が同一のものと認めています。
- 競業避止義務にかかる「黙示の合意」の有無
新規事業は「ガーリーファッション」を扱うものと認識している被告は、事業の同一性で説明した譲渡の条件につき、説明・了承を得ていたと言います。併せて原告が新規サイトの立ち上げを黙認していた事実より、競業避止義務を負わないことについて黙示の合意があったと主張しました。
この点、被告が立ち上げたサイトには「ロリータ」のキーワードが含まれている事実等からも、黙示の合意があったとは見なされていません。
上記判例は、ファッションジャンルの区別を裁判所にさせる異例のものです。しかし最終的には、「譲渡契約書その他の交付した書面の内容」と「被告の顧客の集め方」が決め手となり、原告に有利な判決が出ています。
注意したいのは、事業の範囲は被告から交付されている「買取ブランド一覧」とされ、差止めの範囲は左記に限定されている点です。損害賠償請求に至っては、被告によって顧客がどの程度奪われ・どの程度の粗利減少が見られるのか、この点を主張・立証できていないとして、請求額の3割程度しか認められていません。
洗剤販売事業の譲渡を巡る競業行為差止等請求事件
ドライマーク衣類の洗濯に使える溶剤を販売する控訴人(原判決の被告)が、本販売事業の譲渡先かつ負債支払いのコンサルタント企業であった被控訴人(原判決の原告)との間でトラブルになった事例です(東京地裁平成28年12月7日判決)。
控訴人の行為は、①溶剤製造の委託先に原告との契約破棄を求める、②類似名称の商品を扱い始める、③譲渡で原告側の顧客となった会社と取引再開する、等と多岐に及んでいます。
原判決では、控訴人である譲渡業者の行動、そしてコンサルタント契約を結ぶ際に交わした覚書の存在等から、会社法第21条3項の「不正の競争の目的」があると認められています。左記路線で被控訴人の訴えを全面的に認めることも可能でしたが、実際にはごく限定的です。控訴人の行為②がクローズアップされ、これを「周知表示の混同惹起行為」(不正競争防止法第2条1項1号)としつつ、譲渡業者が商標を不正に使用している事実の範囲で施級が認められています。控訴審では、控訴人が争点化しようとした点が「前訴の蒸し返し」とされて棄却されました。
上記判例からは、「不正の競争の目的」であると認められたからと言って、買収した側の主張が特に広範に認められるわけではないと分かります。悪意のある競業でも、被害を解消していくには、一歩踏み込んで不正競争防止法違反を主張・立証する必要性を考えなくてはならない、と言えます。
M&A競業避止義務における独占禁止法上の問題点
譲受企業が買収後の競業行為に対して措置しようとする場合、対象者(会社や元社長)の抵抗は避けられません。気になるのは、当初課した競業避止義務につき、独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)の「企業結合規制」に抵触すると主張される可能性です。
【企業結合規制とは?】
市場における価格や供給数量をコントロールできる企業を出現させないよう、株式取得・役員兼任・合併・事業譲渡等を禁止または届出制とする規制です。規制対象として、「事業支配力が過度に集中する」あるいは「一定の取引分野において競争を実質的に制限することとなる」結合が挙げられています。
詳細な判断基準や、規制対象外の結合を定めた「セーフハーバー基準」については、企業結合外ガイドライン(企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針)で定められています。
「企業結合規制」への抵触は原則なし
結論を言えば、競業避止義務が独禁法違反となるケースはほぼありません。
そもそもM&Aを実施する際には、ほとんど必ず企業結合ガイドラインを参照して規制適用の有無を確かめます。規制されるのであれば、一定の要件のもと事前届出を提出する等、これを回避する方法を検討しているはずです。
実際のところ、中小企業同士のM&Aであれば、市場占有の度合いを示すHHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)が規制基準に達しないのが一般的です。そうなれば、禁止される企業結合であるかどうか判断するまでもありません。
「不公正な取引方法」として扱われる可能性はある
注意したいのは、独禁法上問題とされるのが「企業結合による市場の独占化」に留まらない点です。競業避止義務においては、他に導入されている規制の1つである「不公正な取引方法」に該当する可能性が排除できません。
上記問題を扱ったものとして、平成17年度分の公取委の相談事例集が挙げられます。本事例からは、買収される側の市場での地位等を鑑み、避止義務が度を過ぎないよう十分注意しなければならないと分かります。
【事例】イベント開催権を譲渡した際の競業避止義務
電子部品に係る有名見本市の開催権を譲受する企業が、譲渡企業に対し「当該見本市の開催時期および前後3か月以内」と時期を定め、同趣旨の見本市の開催を禁じる契約を課そうと検討している事例です。
公取委の回答では、譲渡によってただちに競争が実質的に制限されるとは認められないとした上で、上記の競業避止義務が「拘束条件付取引」(昭和57年6月18日公取委告示第15号第12項)に該当する恐れがあるとしています。開催権の移転により見本市名称の使用を制限するだけであればまだしも、地域等を制限せず市の開催を全面的に禁止すれば、譲渡企業が競争単位として機能する可能性が閉ざされると考えられるためです。
まとめ
M&A後の競業行為に対しては、会社法・不正競争防止法の他に個別の合意によって制限されています。難しいのは、①違反の要件を、②競業の範囲、そして③具体的な被害」を主張・立証する作業です。実例の多くは、②~③に関する対応が十分であっても、差止めと損害賠償が認められる範囲は競業行為の根幹部分に限定されるのが一般的です。
競業の様態があまりに多様化している点を踏まえても、万一の時は弁護士による状況分析と措置の提案は不可欠と言わざるを得ません。言うまでもなく、最も重要なのはM&A実施時に書面で交わす契約内容です。
元社長や譲渡企業による競業が発覚した時、あるいは予期される時には、弁護士にすぐ相談して判断を仰ぎましょう。