200万円ケチって2億円の損害を被るM&Aが急増中!

「200万円ケチって2000万円の損害を被る!」、M&Aのプロセスにおいては、このようなことが多々起こります。

M&Aが一生に一度のことだからと言って、あるいは何年かに一度のことだからと言って、コストをふんだんに掛けても良いものではありませんが、このように目先の出費をケチって、結果的に大きな損害を発生させることが多くなっています。

その最たるものは、公認会計士による企業価値評価ではないでしょうか。

多くの会社の売主は、公認会計士による企業価値評価のFee200万円をケチって、買主候補企業と交渉します。

例えば、M&A価格を10億円としましょう。売主がいくらM&A価格10億円と希望したとしても、真実の企業価値が10億円なのか、それよりも高いのか低いのかすらも分かりません。買主候補企業は対象会社をしっかり企業価値評価した上でM&A価格として8億円を提示してきます。

真実の企業価値が10億円より高い場合、売主は200万円をケチったがために真実の企業価値が分かりませんので、「8億円でも良いかな!?」と思ってしまうかもしれません。売主の考えたM&A価格10億円というのが根拠がないばっかりに、売主はM&A交渉を踏まえズルズルと妥協を重ね、結局、M&A価格は8億円に落ち着くのです。2億円損をしてしまうのです。

他方、真実の企業価値が10億円より低い場合、6億円だと想定しましょう。すると、売主は200万円をケチったがために真実の企業価値が分かりませんので、「8億円は安いな!?」と思ってしまうかもしれません。売主の考えたM&A価格10億円というのが根拠がないばっかりに、売主は買主の8億円との提案を蹴ってしまうこととなります。しかし、それ以降、永久に、売主の会社を8億円で買収しようとする買主は出現してこなくなりますので、最終的に6億円でM&A会社売却せざるを得なくなります。ここでも2億円損をしてしまうのです。

最近、前者のパターンで、ほとんど企業価値のない会社を1億7000万円で買収した会社がありました。また、後者のパターンで結局その会社を半額で売却せざるを得なくなったケースがありました。公認会計士による企業価値評価をするよう、もっと強く要請すればよかったかもしれません(しかし、嫌だ!と言われたらなかなか強く勧められないものです)。

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