元役員・従業員による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しに対する対応策!
役員・従業員による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しは会社を危機に陥れます。
顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しは、不正競争防止法上の不正行為に該当し、また不法行為にも該当し、差止請求や損害賠償請求の対象となります。また、役員の場合には、会社法上の善管注意義務違反・忠実義務違反であり、損害賠償請求の対象となります。
ただ、公然と知られているものは、営業秘密・企業秘密には該当しないため、差止請求や損害賠償請求をすることはできないことに注意が必要です。重要な情報については、秘密情報として、普段からしっかり管理しておくことが必要なのです。
- 従業員による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出し
- 従業員の顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しへの対抗策と予防策
- 退職者による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出し
- 退職者の顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しへの対抗策と予防策
- 顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しを就業規則・誓約書・秘密保持契約書で禁止する
- 従業員および退職者の競業禁止特約で顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しを禁止する
- 顧客との取引禁止特約(顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しを規定することも)
- 秘密保持契約書[略称NDA(Non-disclosure agreement)]
- 仮処分による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出し行為の差止請求
- まとめ
従業員による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出し
役員・従業員が顧客情報・営業秘密・企業秘密を持ち出されることで、会社がこれまでに積み上げてきた競合他社にノウハウが流出し、会社の競争力が失われてしまいます。その結果、会社の売上減少に繋がり、会社の存続に悪影響を与えます。
役員・従業員による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しは、役員・従業員の倫理観の欠如が根本的な原因ですが、役員・従業員の会社に対する不満が蓄積されてそのような不正に手を染めることもあり得ます。しかし、だからと言って、役員・従業員による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しが許されるわけはなく、役員・従業員の顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しは、不正競争防止法上の不正行為に該当し、また不法行為や善管注意義務違反・忠実義務違反にも該当し、差止請求や損害賠償請求の対象となります。
すなわち、以下のとおり、不正競争防止法では、営業秘密不正取得行為や営業秘密不正開示行為や営業秘密の不正使用行為について、「不正競争」と定義しており、「不正競争」行為は、差止請求権や損害賠償請求権の対象になることを明示しています。
その他、もちろん、民法の不法行為にも該当し、差止請求権や損害賠償請求権の対象にもなります。
不正競争防止法 概要
(定義) 第2条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。 四 窃取、詐欺、強迫その他の営業秘密不正取得行為又は営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為 五 その営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為 六 その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為 七 営業秘密保有者からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、又は開示する行為 八 その営業秘密について営業秘密不正開示行為であること若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為 九 その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正開示行為があったこと若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為 十 第四号から前号までに掲げる不正使用行為により生じた物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為 第6条 この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。 (差止請求権) 第三条 1 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 2 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。 (損害賠償) 第四条 故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。 |
役員・従業員に対しては、対策を専門家と相談した上で、入社時・昇進時などの機会に、役員・従業員に対して、役員・従業員の顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しは、不正競争防止法上の不正行為に該当し、また不法行為にも該当し、差止請求や損害賠償請求の対象となることについて、周知を促し、未然に防止することが必要です。
従業員の顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しへの対抗策と予防策
ただ、公然と知られているものは、営業秘密・企業秘密には該当しないため、損害賠償請求をすることはできないことに注意が必要です。重要な情報については、秘密情報として、普段からしっかり管理しておくことが必要なのです。
「正しい管理」をしていなければ、持ち出されて会社が被害を受けたにも関わらず、実際の裁判例では損害賠償請求が認められないのです。
会社としては外部への持ち出しが許されないことは当然という認識でも、損害賠償請求等の法的措置をとるためには「情報を秘密にしなければならないことが従業員や委託先に明確に示されていたことが必要」です。
紙媒体で保管されている情報、データで保管されている情報、従業員が記憶している情報の3つのケースで説明しましょう。
紙媒体で保管されている情報は、「個別の文書に「マル秘」などの表示を入れる」ことが効果的です。顧客情報などは「施錠可能なキャビネットや金庫に保管することで閲覧できる人を限定」できます。秘密として保管されている体裁が明確でなければ、持ち出しや不正利用があっても法的措置をとることができません。
データで保管されている情報についても、秘密にすべき情報かどうかを明確する必要があります。「電子ファイル名には秘密である旨を付記」することはもちろん、「データ内のヘッダーにマル秘表示を付記」します。フォルダやファイルにパスワードを設定されていることも重要です。
従業員が記憶している情報の不正利用を防止するために、入社時に従業員から秘密保持誓約書を取得しましょう。秘密保持誓約書には、営業秘密として扱う情報の範囲を具体的に記載しておく必要があります。秘密保持契約書については 8. で中身についての説明をします。
また、就業規則においても、会社の許可なく顧客情報・顧客名簿をコピー・スキャン・撮影することを禁止、会社の許可なく顧客情報・顧客名簿を持ち出すことを禁止、顧客情報・顧客名簿を私用のデバイスに保存することを禁止、顧客情報・顧客名簿をコピーした場合は使用が終わり次第シュレッダーにかけ廃棄することをしっかり定めておく必要があります。
退職者による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出し
会社としては退職者に対しての準備も必要となります。今まで積み上げてきた顧客情報を持ち出され、顧客の引き抜きや信頼喪失は売上の急減に陥ります。
営業秘密・企業秘密の中でも、技術情報の持ち出しによって安価品や模倣品を生み出すでしょう。クライアントとの取引単価や手数料の情報が漏洩することで、同条件で安値を提示する業者が現れ、価格競争が激化します。対応の遅れは倒産まで追い込む可能性があることを十分に理解してください。
退職者の顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しへの対抗策と予防策
現従業員に対しては今からでも対策を講じれば間に合いますが、別の会社に転職してしまった後では手遅れです。「退職前の状態から、機密情報であることを理解できるように「正しい管理」をしていなければ法律上保護されません」。紙媒体やファイルには「社外秘」などの記載、施錠可能なキャビネッでの保管、データにはパスワードを設定します。
まずは、不正な持ち出しを防ぐためにシステム上の予防策を講じましょう。安易に持ち出しができる環境になっていること自体が問題と言えます。
身元保証書の取得を徹底してください。親や子、妻や義父母、あるいは祖父母が身元保証人になるケースが大半です。よって、「身元保証人へ迷惑をかけたくないという気持ちが働き、不正行為の抑止力となります。」不正行為が発覚した場合には、身元保証人への連絡を本人へ示唆することで最小限の被害に止める効果もあります。
退職時に問題となることが多いのが競業禁止特約や、顧客との取引禁止特約についてです。過度な記載や、曖昧な記載は法的措置が取れない事態を招く可能性があります。これらは 6. と 7. で詳しく説明しましょう。
退職者による情報持ち出しがあった場合、会社としては「情報を持ち出した退職者に弁護士名義で内容証明郵便を送ること」が正しい対応です。内容証明郵便には「身元保証人への内容証明郵便の送付を検討する」旨も記載しましょう。
「刑事告訴や損害賠償請求よりも、まずは被害を最小限に抑えるために情報の使用を止めることが先決」です。内容証明郵便は自社名義で送るよりも、弁護士名義で送る方が心理的な警告効果が高くなります。
顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しを就業規則・誓約書・秘密保持契約書で禁止する
顧客情報・営業秘密・企業秘密について就業規則にまずは記載することが必要ですが、就業規則だけではリスク対策ができているとは言えません。就業規則への記載は、あくまでも当然であり、最低限の対抗策と予防策なのだと認識が必要です。
就業規則の記載内容に不備があった場合に効力が否定される可能性もありますし、そもそも就業規則を従業員が理解していないことも多いと言えます。就業規則の他に、誓約書や秘密保持契約書でカバーする必要があります。「従業員の増加、取引先の増加、事業拡大に伴い専門家に相談してください」。
従業員に対しては入社時にしっかりと就業規則を説明し、誓約書や秘密保持契約書にサインをもらいます。更に、昇進時には会社の重要な機密に携わる機会が増えることから、新たに誓約書や秘密保持契約書にサインをもらいます。従業員への意識付けを定期的に行うことで予防策にもなります。
従業員および退職者の競業禁止特約で顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しを禁止する
競業禁止特約は、就業規則や誓約書で定めます。従業員が競業へ引き抜かれたときなど、顧客情報・営業秘密・企業秘密について漏洩を防ぐために退職時を想定した意味合いが強いと言えます。
たとえば、「従業員は在職中及び退職後2年間、会社と競合する他社に就職し、あるいは競合する事業を営むことをしてはならない」と定められていたとします。会社側から見れば当然の内容とも言えますが、「裁判で争われた場合に「退職者の転職の自由に対する制約が強い」として無効と判断される」ことがあります。
事案 :建築資材製造・販売業
判決内容:退職後1年間の競業禁止条項を無効と判断 【大阪地方裁判所平成23年3月4日判決】 |
事案 :ビル管理業
判決内容:退職後1年間の競業禁止条項を無効と判断 【東京高等裁判所平成22年4月27日判決】 |
過去の裁判の判決が「判例」です。似たような事案が出た場合には異なる判決が出る可能性もありますが、類似事案の裁判は以前の判決を参考に判断します。よって、法の番人である裁判官が一度出した答えを覆すことは難しくなるのです。過去の判例を参考に、専門家から有効性の高い条項を立案してもらいましょう。
顧客との取引禁止特約(顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出しを規定することも)
就業規則や誓約書で競業禁止特約とともに、顧客との取引禁止特約を定める場合が多く、顧客情報・営業秘密・企業秘密について漏洩を防ぐため「担当していた顧客との取引禁止」や「担当していなかった顧客については顧客情報の持ち出し禁止」といった条項で防ぐことが有効です。
事案 :清掃用品のレンタル事業
判決内容:退職後2年間を期間とする、顧客との取引禁止条項を有効と判断 【東京地方裁判所平成14年8月30日判決】 |
事案 :照明機器等の製造販売事業
判決内容:退職後6か月を期間とする、顧客との取引禁止条項を有効と判断 【東京高等裁判所平成12年7月12日判決】 |
事案 :教育・コンサルティング事業
判決内容:退職後1年間を期間とする、顧客との取引禁止条項を有効と判断 【東京地方裁判所平成6年9月29日判決】 |
事案 :中古車販売会社の従業員が退職直前に顧客情報を持ち出し、
同業他社に転職し持ち出して自動車を販売 判決内容:損害賠償請求を認めた(約1億3000万円の損害賠償命令) 【大阪地方裁判所平成25年4月11日判決】 |
事案 :製造業の常務取締役らが退職直前に技術情報を持ち出し、他社を設立して製造販売
判決内容:損害賠償請求を認めた(約4億円の損害賠償命令) 【福岡地方裁判所平成14年12月24日判決】 |
事案 :東芝の提携先の元技術者が研究データを韓国企業に持ち出し
判決内容:弁護側は「持ち出したフラッシュメモリーに関するデータの有用性はそれほど高くなく、刑は重すぎる」と主張したが、懲役5年、罰金300万円とした。一審を支持し控訴を棄却した。 【東京地方裁判所平成27年9月4日判決】 |
将来に向けて同業他社への転職を規制する競業禁止特約とは異なり、「顧客との取引禁止条項は過去のみを禁止するため、制約が弱く、有効と判断され易い」と言えます。更に、「禁止期間」や「担当顧客」と制限をかけることで、有効と判断される可能性が向上します。
期限は退職後2年以内、範囲は担当顧客と限定することが目安です。取引禁止期間が無期限、取引禁止が会社の全顧客、これでは範囲が広くなり過ぎ、無効とされる可能性が出てしまいます。
記載の文言として「顧客に対する営業活動の禁止」では、「営業活動はしていないが顧客の方から連絡があった」と逃れる余地がありますので、「顧客との取引の禁止」として取引自体を禁止する文言が良いです。
では、反対に会社が被害を受けたにも関わらず、損害賠償が認められなかったケースを紹介します。
事案 :派遣会社の従業員が顧客名簿を持ち出し不正利用
判決内容:顧客名簿の電子データがパスワードなしに保管されていたこと、携帯電話に顧客情報を入力することも許されていたこと、紙媒体についても第三者への開示を禁止する措置はとられていなかったことを理由に「顧客名簿が秘密として管理されていたとはいえない」と判断 【東京地方裁判所平成16年4月13日判決】 |
事案 :業務を委託先に外注、契約終了後に顧客名簿を利用して引き抜いたため委託先に対して損害賠償を請求
判決内容:顧客名簿を施錠できる保管場所に置いていないこと、顧客名簿が秘密である旨が明示されていないこと、委託先との契約が終了した後に顧客名簿の廃棄を求めた証拠がないことを理由に「顧客名簿が秘密として管理されていたとはいえない」と判断 【大阪地方裁判所平成16年5月20日判決】 |
いずれも「正しい管理」がなされていなかったために損害賠償請求が認められませんでした。
秘密保持契約書[略称NDA(Non-disclosure agreement)]
これまでの話を踏まえ、自社で使用している秘密保持契約書があれば確認をしてみてください。「私は貴社の顧客に関する情報が貴社の重要な営業秘密であることを認識します」といった内容のみで終わってはいないでしょうか。
具体性を出すためには「次に示される貴社の顧客情報について」の一文を追加し、どの情報なのかを列挙する必要があります。
顧客リストの他に、見込顧客リストがある場合には、その情報も対象に含めましょう。
仮処分による顧客情報・営業秘密・企業秘密の持ち出し行為の差止請求
いざ裁判で損害賠償請求を行うとなると、少なくとも1年以上の時間を要するのが通常です。2~3年といった長期戦となる場合もあります。その間も競業行為や情報漏洩が進み、会社の損害が増える一方です。
「内容証明郵便を送っても解決しない場合は、裁判所に対して早期に仮の処分を仰ぐ方法があります」。これが仮処分による差止請求です。
なぜ早期の解決が期待できるのでしょうか。通常の訴訟は1ヵ月に一度の期日が開かれ、主張を聞いたり証拠を提出したりを繰り返し、必要があれば証人尋問を経て判決に至ります。しかし、「仮処分の場合は1~2週間に一度の期日で進行」し、早ければ1~3ヵ月程度で解決する可能性があります。会社側の分が悪い場合であっても、仮処分を申し立てることによって「競業行為などをしている当事者を裁判所に引っ張り出す」こと自体にも意味があります。
あくまでも「仮」の処分ですので、裁判所が下した仮処分は訴訟において覆る可能性はありますが、仮処分の手続を通じて解決する場合が多いです。
ただし、「仮処分を行うには、申立ての段階で数百万円単位の「担保」の提供が必要」になります。金額は裁判所の裁量で決まります。前にも申しました通り、あくまでも「仮」の処分であるため、訴訟では逆の判断、つまり差止を認めない場合も当然にあります。その場合、仮処分を受けた相手方に対して損害を補填しなければならないためです。
民事保全法 第14条(保全命令の担保)
1項 保全命令は、担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発することができる。 |
まとめ
要点をおさらいしましょう。
☑営業秘密は、秘密管理性・有用性・非公知性を満たすものの事を指します。 |
- 「正しい管理が行われていない場合には損害賠償請求が認められないケースが多い」です。
- 有用性とは、事業活動のために有用な情報であることです。
- 単に調べればわかること、公然と知られていることは営業秘密ではありません。
情報が漏洩することで顧客からの信用を失い、売上減少に繋がります。予防策の準備が必要です。
☑正しい管理は媒体・状況に応じて行います。 |
- 紙媒体の顧客情報・営業秘密・企業秘密には「マル秘」表示を行い、施錠可能なキャビネットに保管し、閲覧可能な従業員を限定します。
- データで保管している顧客情報・営業秘密・企業秘密にはパスワードを設定します。
- 記憶している情報に対しては、就業規則に定め、しっかりと説明した上で誓約書・秘密保持契約書へのサインをもらいます。
☑従業員は身元保証人を立て、誓約書・秘密保持契約書にサインします。 |
- 昇進時・異動時に毎回行うことで定期的な周知を促せます。
- 昇進時には会社の重要な情報に触れる機会が増えますので注意が必要です。
- 身元保証人を立てることで抑止・予防効果が期待できます。
☑競業禁止特約によって競業自体を禁止しなくても、顧客との取引禁止特約を設けることで足ります。 |
- 競業禁止特約は将来に向けての転職の自由に対する強い制約であるため、無効とされる可能性があることに注意が必要です。
- 顧客との取引禁止特約は過去の限定的な範囲を制約するものであるため、有効と認められ易いと言えます。
誓約書や秘密保持契約では、営業秘密・企業秘密である内容を列挙することで、どれが秘密であるのかを具体的にする必要があります。
☑仮処分を行い早期に解決を図る方法があります。 |
- 1~2週間に一度の期日で進行し、早ければ1~3ヵ月程度で解決します。
- あくまでも「仮」の処分ですので、訴訟において覆る可能性はあります。
- 仮処分を行うには数百万円単位の担保が必要です。
会社が窮地に追い込まれる前に、自身の会社で「正しい管理」を行うことができているのか、専門家の意見を踏まえた上で準備が必要です。専門家に定期的な相談をすることで、新たな判例が出た場合や、法改正が行われる場合などにも対処しましょう。