M&Aトラブル裁判例(判例)の解説記事一覧
M&Aトラブルにおける紛争は、表明保証条項、補償条項、情報開示義務、M&A仲介会社の善管注意義務、デューデリジェンスの実施状況、損害の範囲と立証等の論点が複合して争われます。本ページでは、表題が事件名(裁判例)となっている記事のみを抽出し、論点整理のための入口として一覧といたしました。事件ごとに、争点(条項・義務・立証構造)を起点に読み進めていただくことで、契約条項の設計と紛争時の主張立証を同じ座標で把握しやすくなります。読み方は、論点、争点構造、主張立証の順です。用途は、契約条項の設計及び紛争時の主張立証の参照です。
具体的なご相談をお考えの方へ
本ページは、解説記事への入口をまとめた一覧です。当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次の総合窓口のページにまとめています。
1 表明保証条項・補償条項(財務・資産・権利の不一致)
対象資産・負債・権利状態の不一致が、表明保証違反・補償の対象となるか、損害範囲を含めて争点化する類型です。
- 表明保証に関する裁判例|株式の譲渡可能性と懲戒事由表明保証/株式譲渡 株式譲渡の可否に関する表明保証違反が争点となり、企業内処分(懲戒)との関係が問題となった事案です。
- 表明保証に関する裁判例|貸借対照表上の未計上負債と補償・損害賠償未計上負債/損害賠償 貸借対照表に計上されない負債の存否が表明保証条項違反となるか、補償・損害賠償の要件と範囲が争われた事案です。
- 表明保証に関する裁判例|在庫数量の改ざんと情報の真実性在庫/情報の真実性 在庫の数量・内容に関する情報提供の正確性が争点となり、表明保証条項・補償条項の適用関係が問題となった事案です。
- 表明保証に関する裁判例|著作権等の権利帰属と補償金請求知的財産権/補償金 対象会社が保有するとされた知的財産権の帰属・権利状態が争点となり、補償金支払請求の当否が問題となった事案です。
- 表明保証に関する裁判例|消防法違反と補償される損害の範囲法令遵守/損害範囲 法令違反状態の解消費用が補償対象となるか、必要性・合理性を基準に損害範囲が争われた事案です。
- 表明保証に関する裁判例|表明保証違反と補償義務の対象損害(範囲)損害評価/補償義務 表明保証違反があった場合に、どの範囲までを「損害」「損失」「費用」として補償対象に含めるかが争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|売上・受注の説明と租税の表明保証違反(東京地裁令和7年2月13日)補償額/企業価値 試算表の売上、受注の説明及び租税の納付が事実と異なった場合に、企業価値の差額を損害として補償が認められた事案です。
- M&Aに関する裁判例|表明保証違反と損害の因果関係(東京地裁令和7年2月28日)因果関係 買収後の赤字と事業停止について、表明保証違反の成否と損害との因果関係が争われ、請求が棄却された事案です。
- M&Aに関する裁判例|薬局買収後の閉鎖と表明保証違反(札幌地裁令和2年12月25日)損失補償 薬局の買収後に店舗が閉鎖された場合の表明保証違反と損失補償の範囲が争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|開示されなかった店舗の損失(東京地裁平成19年7月26日)補償範囲 開示されなかった店舗の損失を売主に請求できるか、補償の範囲が争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|簿外債務がないとの約束違反と損害賠償(東京地裁令和6年2月13日)簿外債務 簿外債務がない旨の約束条項に損害賠償の定めがない場合に、デュー・ディリジェンスの経緯を踏まえて条項を限定的に解釈し、損害賠償を否定した事案です。
- M&Aに関する裁判例|立替金の清算条項と資産の表明保証違反(東京地裁令和6年3月26日)表明保証違反 株式譲渡後の立替金の清算条項を売主の清算の認識を考慮して限定的に解釈する一方、決算書に記載された車両と保証金の不存在を表明保証違反とした事案です。
- M&Aに関する裁判例|特別補償・エスクローの対象と表明保証違反の因果関係(東京地裁令和4年9月27日)表明保証違反 代金の一部をエスクローに留保した株式譲渡で、特別補償の対象は契約に列挙された事由に限られ、違反がなければ株式を取得しなかったとの因果関係も認められないとして、買主の約197億円の請求を退けた事案です。
- M&Aに関する裁判例|買収後に判明した運送会社の労働法令違反と表明保証責任(東京地方裁判所令和3年3月26日判決)表明保証違反 運送会社の全株式の買主が、長距離運送業務の労働法令違反を理由に表明保証に基づく補償を求めた事案で、違反は認めつつ「事業継続を困難とする客観的事由」に当たらないとして請求を棄却した事例です。
2 粉飾決算・違法会計処理(欺罔・錯誤・評価の基礎)
会計処理の適法性・財務情報の信頼性が崩れた場合に、表明保証違反、不法行為、損害構成が争点化する類型です。
- 表明保証に関する裁判例|違法会計処理による欺罔と株式価値の誤信欺罔/株式価値 粉飾決算等の違法会計処理が、表明保証違反・不法行為(欺罔)として評価され得るか、損害構成が争われた事案です。
- 表明保証に関する裁判例|買収監査後に不法会計処理が発覚した事案(アルコ事件)監査/会計不正 監査法人による買収監査を経た後の会計不正発覚を前提に、表明保証・損害の考え方が問題となった事案です。
- M&Aに関する裁判例|売上除外・未払租税債務と表明保証違反(東京地裁平成30年3月28日)租税債務 売上除外により生じた未払の租税債務について、表明保証違反に基づく補償が争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|法令違反の表明保証と粉飾決算(東京地裁令和5年10月26日)粉飾決算 法令違反がない旨の表明保証に決算書の適法な作成も含まれるとして、粉飾決算を表明保証違反とし、株式代金相当額の賠償を命じた事案です。
- M&Aに関する裁判例|経営者の持株比率の偽装と株式の買取り(東京地裁令和7年7月30日)欺罔 経営者の実際の持株比率を告げずに株式を買い取らせた監査役について、不作為による欺罔として代金相当額の賠償責任を認めた事案です。
- M&Aに関する裁判例|買収の意向表明書と詐欺の成否(東京地裁令和5年12月6日)詐欺の成否 転売先とされた投資会社の意向表明書は全体として調査の意向の表明にとどまるとして、発電事業の買主側による詐欺及び使用者責任の請求を棄却した事案です。
- 出資勧誘に関する裁判例|虚偽の貸借対照表による出資勧誘と共同代表者の不法行為責任(東京地方裁判所令和元年11月15日判決)米国のハンバーガー店運営会社の第三者割当増資に出資した会社が、虚偽の貸借対照表を示した共同代表者の責任を追及した事件で、流動資産と株主資本の虚偽記載について不法行為責任を認め、3,474万円余りの支払を命じた事例です。
- 株式売却の勧誘に関する裁判例|外国上場会社の会長の欺罔と会社の使用者責任(東京高等裁判所平成30年1月16日判決)外国上場会社の会長に欺かれて同社株式を安値で売却した投資会社の請求について、日本法を準拠法とし、会社の使用者責任を認めて市場価格との差額等の賠償を命じた事例です。
3 情報開示義務・取締役責任(会社法に基づく損害賠償)
情報開示義務違反を起点に、会社法第429条第1項等による取締役責任の構成要件・因果関係が争点化する類型です。
- 裁判例|適正情報開示義務違反と会社法第429条第1項責任会社法/第429条第1項 買主側が、情報開示義務違反を理由として会社法第429条第1項に基づく損害賠償請求を構成した事案(構成要件・因果関係が争点)です。
- M&Aに関する裁判例|事業計画の下方修正の不開示と売主の補償責任(東京地裁令和2年10月26日)情報開示 事業計画の下方修正を開示しなかった売主の補償責任が争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|二段階買収のスクイーズアウトの実施義務(東京高裁令和7年7月16日)二段階買収 二段階目のスクイーズアウトが実施されなかった場合に、買収者・対象会社の実施義務と説明への信頼の保護を否定した事案です(第一審東京地裁令和6年10月31日)。
- M&Aに関する裁判例|事業譲渡の収益見込みの説明と説明義務(東京地裁令和5年9月11日)説明義務 売上高・経常利益の見込みの説明が不十分でも、新規事業であることは事実に即して説明されていたとして、欺罔行為と信義則上の説明義務を否定した事案です。
- 株式譲渡に関する裁判例|経営不振の会社の株式を買った出資者による代金返還請求と取締役の責任(東京地方裁判所令和6年12月4日判決)株式の買主が、株式代金の詐取、不当利得、会社法429条の取締役の責任を主張して代金相当額を請求した事案で、欺罔行為と株式の無価値化との因果関係が否定され、請求がいずれも棄却された事例です。
- 上場の勧誘と取締役の責任に関する裁判例|「確実に上場できる」との勧誘を理由とする非上場株式の買主の損害賠償請求(東京地方裁判所令和元年10月1日判決)上場準備中の会社の株式を取締役から相対で買った公認会計士の請求について、買主自身の認識や個人間の取引であることから誤信と不法行為を否定し、会社法429条等の責任も認めなかった事例です。
4 M&A仲介会社の善管注意義務・説明義務(責任の範囲)
業務の範囲、注意義務の内容、当事者の認識・確認行為との関係により、責任範囲が画定される類型です。
- 裁判例|M&A仲介会社の善管注意義務(店舗買収が実現しなかった事案)善管注意義務/仲介 M&A仲介会社が、取引成立に向けた調整・説明を尽くしたか、業務の範囲と注意義務の内容が争われた事案です。
- 表明保証に関する裁判例|M&A仲介会社の善管注意義務の範囲(報酬と責任)報酬/責任範囲 M&A仲介契約における注意義務の内容、当事者の認識・確認行為との関係、責任範囲の画定が問題となった事案です。
- 表明保証に関する裁判例|M&A仲介会社の成功報酬の請求先(当事者と買収スキーム)成功報酬/請求先 買収スキーム上、対価受領者・契約当事者が分離する場面で、成功報酬の請求相手方をいかに構成するかが争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|買主側M&A仲介契約の利益相反と報酬返還(東京地裁令和6年8月8日)仲介報酬 双方仲介による利益相反や暴利行為を理由に、仲介契約の効力と報酬の返還が争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|紹介先との直接交渉とアドバイザー報酬(東京地裁令和7年6月20日)成功報酬 紹介先との直接交渉禁止条項と、不動産売買だけが成立した場合の成功報酬の発生が争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|株式買収後の業績悪化と売主・M&A仲介会社の責任(東京地裁平成29年3月10日)説明義務 株式の買収後に業績が悪化した場合に、売主及びM&A仲介会社の説明義務違反の責任が争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|事業譲渡契約書に助言した弁護士の責任(東京地裁令和元年5月27日)専門家の責任 事業譲渡契約書に助言した弁護士が、表明保証違反による売主の損害を賠償すべきかが争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|対象会社に対する仲介報酬の請求と代理権濫用(東京地裁令和7年7月8日)仲介報酬 売主が対象会社を代表して締結した仲介報酬の合意について、代理権濫用の主張を退け、買収後の対象会社に報酬の支払を命じた事案です。
- M&Aに関する裁判例|アドバイザー中間報酬の発生時期(東京地裁令和5年7月18日)中間報酬 資料の送付によりデュー・ディリジェンスが開始し、対象会社の返信により意向表明書への応諾があったとして、買手側アドバイザーの中間報酬の請求を全部認めた事案です。
- M&Aに関する裁判例|院長候補の退職と買収断念の費用(東京地裁令和6年3月15日)損害の範囲 後継院長候補の医師の早期退職を不法行為と認めつつ、仲介手数料やデュー・ディリジェンス費用は予見できない損害として賠償の範囲から除いた事案です。
- M&Aに関する裁判例|取得方法が変わった医業承継とアドバイザーの最低成功報酬(東京地裁令和5年9月19日)成功報酬 診療所の建物の取得が賃借に変わっても医業承継は成立したとして、アドバイザーの最低成功報酬の請求を認めた事案です。
- M&Aに関する裁判例|売却価額をめぐる仲介会社の価格調整義務と報酬条項(東京地裁令和4年7月22日)仲介責任 株式価値算定書の交付を認定し、算定書の評価額を前提に交渉した仲介会社に価格調整の義務違反はなく、総資産を基礎とする報酬条項も暴利行為に当たらないとした事案です。
- M&Aに関する裁判例|業務提携にとどめた場合の仲介の成約報酬(東京地裁令和4年5月27日)成約報酬 株式取得を先送りして業務提携契約だけを結んだ依頼者について、業務提携契約が仲介依頼契約上の最終契約に当たるとして、最低報酬額を含む成約報酬の支払を命じた事案です。
- M&A仲介報酬に関する裁判例|報酬合意が認められなかったM&A仲介会社に商法512条の相当報酬を認めた事例(東京地方裁判所令和5年5月30日判決)M&A仲介会社が1,100万円の報酬を請求した事案で、メールへの返信だけでは報酬合意は認められないとしつつ、商法512条に基づく相当報酬として110万円を認めた事例です。
- M&A仲介会社の責任に関する裁判例|M&A仲介会社の誤った情報提供と責任制限条項(東京地方裁判所令和5年4月17日判決)取引先の承諾が得られたと誤って買主に伝えた仲介会社の重過失による不法行為を認めつつ、賠償額を受領報酬に限る責任制限条項を有効とし、賠償を成功報酬1,100万円に限った事例です。
- M&A仲介報酬に関する裁判例|医療法人の買収を仲介した会社に減額合意後の仲介手数料2,200万円の支払を命じた事例(東京地方裁判所令和5年2月28日判決)医療法人の出資持分の譲渡を仲介した会社が手数料を請求した事案で、業務委託契約と手数料の減額合意を認め、買主に2,200万円と遅延損害金の支払を命じた事例です。
- M&A仲介報酬に関する裁判例|M&Aコンサルタントの成功報酬と売主である理事長個人の支払合意(東京地方裁判所令和5年1月30日判決)医療法人の譲渡を支援したコンサルタントが元理事長個人に成功報酬を請求した事案で、業務契約に基づく個人の支払義務は否定しつつ、報酬減額の提案を了解した事実から個人の支払合意を認め、1億9,790万円を認容した事例です。
- M&A仲介報酬に関する裁判例|M&A仲介会社を介さず別の会社を介して成立した株式譲渡と成約報酬(東京地方裁判所令和5年1月30日判決)仲介会社が紹介した候補先と、売主が別の会社を介して株式譲渡契約を結んだ事案で、第三者の関与の有無にかかわらず報酬を請求できるとの条項により成約報酬を認め、4,278万7,360円の支払を命じた事例です。
- M&A仲介報酬に関する裁判例|法人の事業譲渡先を取りまとめた会社への成功報酬と代表理事個人の支払約束(東京地方裁判所令和4年2月1日判決)法人の譲渡先を取りまとめた会社が、「退職金の中から」報酬を支払うと書面で約束した元代表理事個人に成功報酬を請求した事案で、個人の支払義務を認め1,500万円の支払を命じた事例です。
- M&A仲介報酬に関する裁判例|仲介会社を外して成立した買収と商法512条の相当報酬(東京地方裁判所令和4年4月28日判決)仲介会社が紹介した相手方との買収が仲介会社を外して成立した事案で、買主との仲介契約・報酬合意の成立は否定しつつ、商法512条に基づく相当報酬として1,500万円の支払を命じた事例です。
- 買収資金の調達報酬に関する裁判例|資金調達の成功報酬を定めた協定と覚書による効力停止(東京地方裁判所令和元年5月14日判決)医療法人の出資持分の買収で融資の手配に関与した会社が年間売上の3%の報酬を請求した事件で、協定が成立していても後の覚書で効力が停止されたとして請求を棄却した事例です。
- 病院のM&A仲介に関する裁判例|病院を運営する一般財団法人の運営権取得契約の医療法違反の主張と仲介者の責任(大阪高等裁判所令和3年1月22日判決)病院を運営する一般財団法人が、運営権取得契約は医療法違反で無効だとして仲介会社と銀行に報酬相当額の賠償等を求めた事件で、契約を有効とし、仲介者の債務不履行や弁護士法違反も否定した事例です。
5 前提条件・クロージング条件(契約発効・条件充足)
前提条件(クロージング条件)の位置付け、条件不充足時の解除・損害の整理が争点化する類型です。
- 前提条件に関する裁判例|株式譲渡契約の資金準備義務と履行前提条件/資金準備 前提条件(クロージング条件)と資金準備の位置付け、条件不充足時の法律関係(解除・損害)を整理するための事案です。
- M&Aに関する裁判例|共同売主の誓約事項違反と追加支払・残代金(東京地裁令和7年5月30日)アーンアウト 共同売主の誓約事項違反が、業績連動の追加支払と残代金の支払の前提条件に及ぼす影響が争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|代表者の退任を理由とする代金減額と続投後の差額請求価格調整 代表者の退任を理由に株式譲渡代金を減額した後、続投が決まった場合に差額を請求できるかが争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|賃貸借を承継できず新規契約した費用と事業譲渡代金の相殺事業譲渡 賃貸借を承継できず新規契約した費用を、事業譲渡代金と相殺できるかが争われた事案です。
- M&Aに関する裁判例|賃借人の地位を移せなくなった場合の事業譲渡代金の返還事業譲渡 店舗を引き渡した後に賃借人の地位を移せなくなった場合に、事業譲渡代金を返還すべきかが争われた事案です。
- 連帯保証の解除特約に関する裁判例|連帯保証解除特約の不履行による株式譲渡契約の解除と代金返還(東京地方裁判所令和元年11月29日判決)売主の連帯保証を外す特約の不履行を理由に売主が株式譲渡契約を解除した事案で、売主の損害賠償請求を退け、売主に既払代金約2億3,600万円の返還を命じた事例です。
6 デューデリジェンス・提示資料の正確性(提示資料の評価)
デューデリジェンスにおける提示資料の真実性・正確性が、表明保証違反・損害の関係にどのように影響するかが争点化する類型です。
7 事業譲渡・事業承継契約の効力と解釈(譲渡対象・契約の効力・付随する覚書)
事業譲渡・事業承継・経営権譲渡の契約で、何が譲渡の対象となったのか、契約や付随する覚書が有効に成立したのかが争われた類型です。
- M&Aに関する裁判例|診療所の経営権譲渡に伴う買戻しの覚書と違約金(東京地裁令和7年3月26日)買戻し 診療所の経営権譲渡に伴う個人間の買戻しの覚書の成立と効力を認め、違約金の請求を全額認めた事案です。
- M&Aに関する裁判例|代表者の関与がないとする事業譲渡契約の無効の主張(東京地裁令和5年12月18日)契約の効力 代金変更合意を有効な合意又は追認とし、履行完了から8年以上後の無効の主張は信義則上許されないとした事案です。
- M&Aに関する裁判例|事業の全てを継承する契約と不動産の所有権移転(東京地裁令和5年10月20日)契約の解釈 譲渡財産を契約後の協議で決めるとした事業承継の契約では、事業用不動産の所有権は移転しないとした事案です。
- 事業承継に関する裁判例|法律事務所の事業承継における事務長の説明義務と相続人の不当利得(東京地方裁判所令和7年1月30日判決)事業を引き継いだ側が、旧事業の事務長らの説明義務違反と相続人らの不当利得を主張して1億2,000万円を請求した事案で、承継者は自ら確認できたとして説明義務が否定され、合意書の清算条項等により請求がいずれも棄却された事例です。
- 事業譲渡に関する裁判例|フランチャイズ加盟店への事業譲渡と公序良俗違反・優越的地位の濫用の主張(東京地方裁判所令和5年3月30日判決)直営店の事業譲渡を含む覚書とフランチャイズ契約について、加盟店側が公序良俗違反・優越的地位の濫用を主張した事案で、いずれも否定し、本部の未払債権1億円の請求と代表者の連帯保証責任を認めた事例です。
- 競業避止に関する裁判例|退任した常務取締役との口頭の競業避止特約が認められなかった事例(京都地方裁判所平成14年8月30日判決)退任した取締役が同業他社に入社した事案で、退任時に口頭で競業避止を約束したとの会社の主張を、書面がなく退職金の条件ともされていなかったこと等から認めず、1億円の損害賠償請求を棄却した事例です。
- 株式譲渡契約に関する裁判例|株式譲渡契約の代表取締役続投条項と売主である創業者の解任(東京地方裁判所令和4年3月1日判決)全株式を譲渡し、譲渡後5年間は代表取締役として業務に従事するとされた創業者が解任された事案で、続投条項は5年間の地位を保証する趣旨とまではいえないとし、役員個人らへの損害賠償請求を棄却した事例です。
- 株式譲渡契約に関する裁判例|役員報酬名目の株式譲渡対価と辞任後の受領(東京地方裁判所令和4年5月24日判決)株式譲渡契約で「取締役報酬」とされた金員を売主が辞任後も受け取った事案で、名目は報酬でも実質は株式譲渡と業務引継ぎの対価であるとして、会社の返還請求を棄却した事例です。
- 事業の譲渡代金に関する裁判例|ホテル2軒の売買代金と新型コロナウイルス等を理由とする事情変更の主張(東京地方裁判所令和3年4月20日判決)ホテル2軒の不動産の売買で、買主が新型コロナウイルスの感染拡大や長期の履行遅延を理由に事情変更による解除・減額を主張した事案で、いずれも否定し、引渡し等と引換えに代金の支払を命じた事例です。
- 株式譲渡契約に関する裁判例|資金援助の条件とされた全株式の無償譲渡と取締役解任決議の効力(東京地方裁判所令和4年4月25日判決)資金援助の条件として全株式を無償で譲渡した経営者株主が、譲渡の効力と自らの解任決議を争った事案で、詐欺・錯誤・公序良俗違反等の主張を退け、譲渡を有効として解任決議の不存在確認請求を棄却した事例です。
- M&Aに関する裁判例|株式譲渡から除外した老人ホーム事業の運営委託と収益の清算(東京高等裁判所平成29年11月1日判決)老人ホーム運営会社の株式譲渡で譲渡対象から除外し後に移転したホーム事業について、移転までの運営収益の黙示の清算合意を認め、相殺後の970万円余りの支払を命じた事例です。
8 その他(営業実態・顧客リスト・事業運営の基礎情報)
営業実態・顧客データ・事業継続性等、基礎情報の正確性が損害立証や因果関係に影響する類型です。
- 表明保証に関する裁判例|顧客リストの重複と財務状況への影響顧客リスト/重複 顧客リストの正確性(会員数の重複等)が争点となった場面で、財務状況への影響立証の有無が判断を左右した事案です。
- 表明保証に関する裁判例|保育所閉園(財務不履行)と表明保証違反事業継続性/表明保証 事業運営の継続性に関する重要情報の把握と、表明保証違反・損害の主張構成が問題となった事案です。
- M&Aに関する裁判例|株式譲渡人の競業避止義務違反と損害額(東京地裁令和5年12月26日)競業避止義務 株式譲渡後に売主が別会社で事業所を開設し職員と利用者を移した事案で、5年間の競業避止義務を有効として違反を認め、800万円の賠償を命じた事案です。
- M&Aに関する裁判例|代表者を通じた株式の廉価売却と買主の不法行為責任(東京地裁令和4年12月6日)不法行為 会社の代表者が保有株式を約400万円で売却した事案で、買主の働きかけは自由競争の範囲を逸脱しないとして、会社の買主に対する損害賠償請求を棄却した事案です。
- 株式の無償譲渡と赤字補填に関する裁判例|株式譲渡の条件とされた赤字補填の主張と寄託金の返還(東京地方裁判所令和4年2月22日判決)赤字会社の全株式を無償で譲り受ける条件として赤字補填の金員を受け取ったとの主張を退け、交付された4,500万円を保管のための消費寄託と認めて返還を命じた事例です。
- 株式譲渡の成立と錯誤に関する裁判例|共同経営の条件とされた株式譲渡の成立と詐欺・錯誤の主張(東京地方裁判所令和2年2月27日判決)共同経営に加わる条件として株式の50%を買った者の詐欺・錯誤の主張を退け、契約書に署名がなくても代金の交付までに株式譲渡契約が成立したとしつつ、会社への貸付金の返還は認めた事例です。
9 古典的論点(アンチ・サンドバッギング、予測情報、信託業法等)
買主の認識時点、開示の範囲、予測情報の位置付け等、理論的整理が必要となりやすい論点を扱う裁判例です。
- 表明保証に関する裁判例|アンチ・サンドバッギングと補償請求アンチ・サンドバッギング/補償請求 開示・認識時点と損害の範囲、買主の認識が補償請求に与える影響(アンチ・サンドバッギングの発想)が問題となった事案です。
- 表明保証に関する裁判例|事業予測と表明保証違反(損害評価)予測情報/損害評価 予測情報(将来見通し)を巡る表明保証の位置付けと、損害算定・相当因果関係の画定が問題となった事案です。
- M&Aに関する裁判例|信託業法違反の表明保証違反と信託契約の価値(東京地裁平成30年7月20日)信託業法 本人確認義務違反という信託業法違反の表明保証違反について、解約した信託契約の価値を請求できるかが争われた事案です。
- 合弁契約の解消と株式買取請求に関する裁判例|合弁契約の経営主体変更による解除と株式買取請求の効力(東京地方裁判所令和3年10月20日判決)株主提案による取締役の交代が合弁契約の「経営主体の変更」に当たるとして相手方の解除を有効とし、合弁会社株式の売買代金請求をすべて棄却した事例です。
- 株式譲渡代金の支払条件に関する裁判例|譲渡承認のない株式譲渡と代金支払条件の解釈(東京地方裁判所令和3年2月25日判決)譲渡承認がなくても当事者間の株式譲渡契約は有効であり、契約書の「謄本変更」や株券引換えの文言も支払条件ではないとして、買主に譲渡代金3,600万円の支払を命じた事例です。
10 関連する総合導線(相談導線)
裁判例の参照後、類型整理ページへ戻る導線です。