買収後に重要な設備の故障が判明した場合の費用負担と売主への請求

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買収の後に判明した設備の故障に関するメインのページです。本ページは、M&Aで会社を譲り受けた後に修理及び更新の費用を負う場面の検討をご説明します。売掛金の回収が困難な場合は別のページをご参照ください。
不良在庫が判明した場面は買収後に不良在庫が大量に判明した場合の表明保証と価格調整の整理を、許認可の問題が判明した場面は買収後に許認可の問題が発覚した場合の確認手順と売主への請求を、それぞれご覧ください。
買収の実行を終えて工場や作業場に入り、実際に自分たちの手で回し始めた頃に、設備の問題が表面化することがあります。主力の機械が動かない、動いてはいるが以前聞いていた数量を出せない、点検の記録簿が数年分そろっていない、修理業者から「この型式はもう部品が出ません」と告げられる、といった形で分かってきます。現場に尋ねると「前から調子は悪かった」と言われ、売主に連絡すると「引渡しのときは動いていた」と返ってくる、という食い違いも珍しくありません。
この場面で買主が抱える不安は二つに分かれます。一つは、いつ生産を元に戻せるのか、いくら要るのかという当面の資金の問題であり、もう一つは、その負担を売主に求められるのかという契約上の問題です。前者は日単位で動きますが、後者は表明保証の期間制限との関係で月単位の期限を抱えます。急いで修理を進めるうちに、故障していた事実を裏づける記録を残さないまま部品を捨ててしまい、後の請求で立証に窮する、ということが実際に起こります。
本稿では、中小企業を買収した買主の方を念頭に、設備の不具合が判明した場面で何をどの順序で確認するかを述べます。結論を先に申し上げますと、経年による通常の劣化はそれ自体では売主の責任に結び付きにくく、責任が問われ得るのは、売主が知っていた事実を告げなかった場合、法令上必要な検査を受けていなかった場合、及び設備の能力について事実と異なる説明をしていた場合が中心となります。
設備の状態を客観的に確認する
最初にすべきことは、売主への連絡でも修理業者への発注でもありません。設備が現在どのような状態にあるのかを、後から第三者が検証できる形で固定する作業です。設備の紛争は、最終的には「引渡しの時点でどうであったか」の争いになります。ところが設備は、修理をすれば状態が変わり、部品を交換すれば元の部品が失われ、稼働を続ければ摩耗が進みます。何もしないまま数か月が過ぎると、故障が買収の後に生じたのか前からあったのかを、誰も判定できなくなります。
現状を記録として残す
残すべきものは、設備の全体及び不具合の箇所の写真並びに動画、銘板の写真、制御装置に残るエラー及び警報の履歴、稼働時間の積算値、異音や振動が生じている場合はその音声、そして交換した部品の現物です。日付が分かる形で撮影し、部品は設備名と日付を書いたラベルを付けて保管します。制御装置の履歴は記憶の容量に限りがあり一定期間で消えますので、発覚の直後に取り出すことが肝要です。
修理業者の所見を書面でもらう
修理を依頼する際は、見積書を受け取るだけでなく、故障の原因についての所見を書面で出してもらいます。その際、書いてほしい事項をこちらから示します。すなわち、故障の直接の原因、その原因がいつ頃から進行していたか、通常の使用による摩耗か整備の不足によるものか、過去に修理や改造をした形跡があるか、といった点です。「異音のため部品を交換した」とだけ書かれた伝票では、後日の資料になりません。
台帳と現物とを突き合わせる
会社の固定資産台帳を出力し、記載されている設備と現に存在する設備とを一つずつ突き合わせます。中小企業では、台帳に載っているのに現物がない、購入の年が食い違う、といったずれがしばしば見られます。取得の年が台帳と銘板とで異なる場合、中古で購入した設備であることが多く、減価償却の残存期間よりも実際の残り寿命が短いことがあります。あわせて保守の契約書、点検の記録簿、修理の履歴を集め、時系列に並べます。
デュー・ディリジェンスで確認できた事項
次に、買収の前の調査で何をどこまで見ていたかを振り返ります。売主に何を言えるかは、買主が知っていたこと及び知ることができたことの範囲に大きく左右されるためです。調査で指摘され、価格に織り込んだ事項について、後から重ねて請求することは通常できません。逆に、資料の提出を求めたのに出てこなかった事項については、買主に落ち度があるとは言いにくくなります。
提出を求めた資料と実際に出てきた資料
資料の請求の一覧表と、実際に開示された資料の一覧とを並べ、差分を洗い出します。設備について典型的に請求する資料は、固定資産台帳、設備の配置図、主要な設備の仕様書、保守の契約書、直近3年から5年の点検の記録簿、法令に基づく検査の成績書及び検査済証、修繕費の内訳です。これらのうち「準備中」「該当なし」と回答されたまま出てこなかったものがあれば、その事実を記録に残します。質疑応答の記録は、いつ誰が何と答えたかが分かる形で保管します。
現地の確認をどこまで行ったか
工場や作業場を訪れた際の記録を確認します。訪問の日、立ち会った人、見て回った範囲、稼働している状態を見たか停止している状態を見たか、といった点です。中小企業のM&Aでは、従業員に買収の話を知られないよう、休日や夜間に短時間だけ見学する例が少なくありません。その場合は設備を動かして見ることができません。この制約は買主の落ち度というより売主の求めに応じた結果ですので、その経緯も記録に残します。
第三者による調査を行っていたか
設備が事業の中核をなす製造業や運送業では、買収の前に設備の専門の技術者による調査を入れることが有効です。財務や法務の調査だけでは、機械の残り寿命や更新に要する費用は分かりません。調査を行っていた場合、その報告書は極めて重要な資料になります。報告書に「近い将来の更新を要する」とあれば、その部分は買主が認識していたことになり、逆に「良好」とされた設備が短期間で壊れたのであれば、隠されていた事情を疑う根拠になります。調査をしていなかった場合でも、今から技術者による評価を受ける意味はあります。
表明保証の条項との関係
売主に負担を求める際の中心となるのは、株式譲渡契約に置かれた表明保証の条項です。表明保証とは、契約の当事者が、一定の事実が真実であることを相手方に表明し、その内容を保証する定めをいい、表明した内容が事実と異なっていた場合に相手方に生じた損害を補償する、という組み立てになっています。ここで確認すべきは契約書に何がどのように書かれているかであり、一般論ではありません。
設備に関する条項の文言を読む
契約書を開き、設備、資産、財産といった語を含む条項をすべて拾い出します。よく用いられる文言は、「対象会社の重要な資産は、通常の使用に耐える状態にあること」「対象会社の設備は、その事業の運営に必要な範囲で正常に稼働していること」「対象会社は、適用される法令を遵守していること」といったものです。注意を要するのは、「通常の使用に耐える状態」が新品同様の状態を意味しない点です。20年使い込まれた機械の経年相応の摩耗は、この表明に反しないと解される余地が大きいといえます。
知り得る限りという限定の有無
条項の末尾に「売主の知る限り」又は「売主が知り得る限り」という限定が付されている場合があります。この限定があると、売主が知らなかった事実については表明に違反しないことになり、買主は売主が知っていたこと又は知り得たことまで主張しなければなりません。限定がない場合には、売主の認識を問わず事実と異なっていれば違反となり得ます。限定がある場合に集めるべきは売主の認識を示す資料、すなわち修理の依頼の記録、社内の連絡、業者との打合せの記録です。
開示によって除外されている範囲
多くの契約書には、別紙で開示した事項については表明保証の対象から除く、という定めが置かれます。開示の別紙を確認し、当該設備に関する記載がないかを見ます。「機械の一部に老朽化が進んでいるものがあり、順次更新の予定である」といった一般的な記載であっても、後の交渉で売主から援用されます。あわせて、補償の請求ができる期間、1件あたりの最低額、及び補償の上限額の定めを確認します。請求の期間は引渡しから1年から2年とする例が多く、事案によっては数か月後に迫っていますので、真っ先に確認してください。
修理及び更新に要する費用
費用の検討では、まず「直せば足りるのか、入れ替えるほかないのか」を判断します。この判断を誤ると、請求できる額の見積りが実態から離れます。材料となるのは、修理に要する費用、修理をした場合に見込まれる残りの使用可能な期間、部品の供給が続くかどうか、そして修理の期間中に生産を止めることの影響です。
修理と更新とを比べる
修理の見積りが新品の価格の半分を超え、かつ修理をしても数年しか使えないのであれば、更新のほうが合理的な選択となることが多いといえます。逆に、部品の交換で当面の稼働が確保でき、供給も続いているのであれば修理を選びます。判断にあたっては複数の業者から見積りを取ります。1社だけでは金額が妥当であることを示しにくく、売主から過剰であると反論された際に説明が難しくなります。中古の同型機の価格も、損害の額を検討する目安になります。
売主に請求できる額の考え方
ここが最も誤解の生じやすい部分です。20年使った機械が壊れたからといって、新品の価格の全額を売主に請求できるとは限りません。新品に入れ替えれば買主は従前より価値の高い資産を手にすることになり、その差額まで売主に負担させるのは、損害の填補という考え方を超えるためです。実務では、更新に要した費用のうち、残っていたはずの使用可能な期間に対応する部分を損害として算定する考え方が採られます。耐用の年数のうちどれだけが残っていたのか、その根拠となる資料を整えることが重要です。
費用を項目ごとに整理する
請求の準備としては、費用を項目に分けて一覧にします。診断に要した費用、部品の代金、作業の工賃、運搬及び据付けの費用、電気工事や基礎工事の費用、代替の設備を借りた費用、外部に加工を委託した費用、廃棄の費用、技術者による調査の費用です。それぞれに見積書、請求書、領収書、振込の記録を対応させ、どの支出がどの故障に対応するのかを説明できる形にしておきます。
生産が止まったことによる損害
設備の紛争で買主が最も大きな痛みを感じるのは、修理の費用よりも、生産が止まったことによる収益の減少であることが多いといえます。ところが、この部分は請求の場面で最も認められにくい項目でもあります。理由は二つあり、金額の算定が難しいこと、及び契約書で間接の損害を除外していることが多いことです。以下、確認の順序に沿って述べます。
まず契約書の除外の定めを確認する
補償の条項の周辺に、「間接損害、特別損害、逸失利益及び機会損失については補償の対象としない」という趣旨の定めが置かれていないかを確認します。この定めがある場合、生産の停止による利益の減少は正面からは請求しにくくなります。もっとも、除外の対象を「逸失利益」とだけ書いてあるのか「間接的な損害の一切」と広く書いてあるのかで解釈の余地は変わります。売主に故意又は重大な過失がある場合には適用しない、という例外が置かれていることもあります。
減少した利益をどう見積もるか
算定の考え方としては、停止がなければ得られたはずの売上から、その売上を得るために要したはずの変動の費用を差し引いた額を用います。材料費や外注費など、生産をしなければ発生しなかった費用は差し引く必要があるためです。基礎とする資料は、過去1年から3年の月別の生産の数量及び売上、受注の残高の一覧、断った注文の記録、納期の遅れについて取引先と交わした連絡、支払った違約金の記録です。生産を他の設備に振り替えた場合には、その振替えに要した追加の費用が損害の中身になります。
損害を広げない努力も求められる
損害の賠償を求める側には、損害の拡大を防ぐ努力が期待されます。代替の設備を借りられたのに何もせず生産を止め続けた、修理の手配を先延ばしにした、といった事情があると、その分は請求から差し引かれる余地があります。そこで、代替の手段を検討した経緯を記録に残してください。他社に加工を打診した記録、貸出しの可否を照会した記録、断られた場合の回答も残します。手を尽くしたことを示す資料は、そのまま請求の裏づけになります。
因果関係の見極め
ここが本稿の中心となる部分です。設備が壊れたという事実だけでは、売主の責任は生じません。問われるのは、その故障が、売主の表明に反する事情又は売主が告げるべきであったのに告げなかった事情から生じたのかどうかです。この見極めを曖昧にしたまま請求に進むと、交渉は前に進みません。実務では次の四つを区別して考えます。
経年による通常の劣化は責任に結び付きにくい
まず押さえていただきたいのは、経年による通常の劣化は、それ自体では売主の責任に結び付きにくいということです。機械は使えば摩耗し、部品は年を経れば劣化します。設置から15年、20年が経った設備が買収の翌月に不具合を起こしても、それは設備の年齢に応じた事象であって、売主が何かを隠していたことを意味しません。設備の年齢と状態は固定資産台帳や現地の確認を通じて買主も把握できた事柄であり、その前提で価格を決めたはずだ、という売主の主張は一定の説得力を持ちます。単に壊れたことを理由に請求を組み立てても、通りにくいと考えるべきです。
売主が知りながら告げなかった場合
これに対し、買収の直前に故障や重大な不調が生じていたにもかかわらず、売主がそれを知りながら告げていなかった場合には、責任が問われ得ます。この類型を示す資料は社内に残っていることが多くあります。すなわち、交渉が進んでいた時期の修理業者への問合せの記録、点検で指摘を受けた報告書、部品の見積りを取った記録、応急の処置の伝票、従業員から売主へ宛てた報告です。修理業者に、直近1年から2年に売主から受けた問合せの有無を照会することも有益です。
法令上必要な検査を受けていなかった場合
設備の種類によっては、法令により定期の検査や自主の点検が義務づけられています。クレーン、ボイラー、圧力容器、昇降機、高圧のガスに関する設備、消防用の設備、電気の工作物などが典型です。これらについて必要な検査を受けていなかった場合、通常は契約書の法令の遵守に関する表明に反します。この類型は事実の確認が容易です。検査済証の有無、成績書の日付、行政庁や指定の機関への届出の記録を見れば足りるためです。しかも、検査を受けていれば発見できたはずの不具合が現に生じているのであれば、検査を怠ったことと故障との結び付きも説明しやすくなります。
設備の能力について事実と異なる説明があった場合
もう一つの類型は、設備の生産の能力について事実と異なる説明がされていた場合です。「この機械は1時間あたり何個を加工できる」といった説明を受け、それを前提に事業の計画を立てて価格を算定したにもかかわらず、実際にはその半分程度しか出ないという事案です。問題は故障ではなく説明の内容そのものにあります。要点は、その説明がどのような形で示されたかです。提案の資料、質疑応答の書面、面談の議事録、電子メールに数値が残っていれば有力な資料になります。あわせて実際の能力を測定し、設備の能力の問題か運転の方法や材料の質に起因するかを切り分けます。
売主への請求
事実の整理と資料の準備が整ったところで、売主への請求に移ります。準備が不十分なまま始めると、売主に反論と資料の整理の時間を与え、かえって不利になります。もっとも、契約書に定められた請求の期間は待ってくれません。期間の満了が近い場合には、まず期間内に請求の意思を通知したうえで、詳細を後から補うという進め方を検討します。
通知の書面に書くべき事項
通知には、対象となる設備の特定、判明した事実とその経緯、契約書のどの条項に違反すると考えるのか、その根拠となる事実、現時点で把握している損害の額とその内訳、今後の協議の申入れを記載します。金額が確定していない場合は、暫定の額であり後に変更し得る旨を明記します。感情的な表現は避け、送達の記録が残る方法で送ります。契約書に通知の方法や宛先の定めがあれば、それに従います。
請求の根拠を複数用意する
請求の根拠は、表明保証の違反に基づく補償の請求が中心となりますが、それに限られません。売主が事実を知りながら告げなかった場合には、債務の不履行による損害賠償の請求(民法第415条第1項)、又は不法行為による損害賠償の請求(民法第709条)を併せて主張し得ます。事実と異なる説明により買主が誤った認識のまま契約に至ったといえる場合には、詐欺による意思表示の取消し(民法第96条第1項)が問題となる余地もありますが、既に事業を動かしている買主にとって株式譲渡の全体を取り消すことは現実的でなく、実際には損害の賠償を求める形に落ち着きます。
交渉の落としどころを想定する
中小企業のM&Aでは、売主が個人の株主であり、譲渡代金を既に受け取って手元にあるという状況が多くあります。支払能力そのものは問題になりにくい反面、代金の一部を返させることへの心理的な抵抗は強くなります。他方で、売主が顧問として会社に残っている、株式の一部を保有し続けている、といった継続的な関係も少なくありません。これを踏まえ、金銭の支払だけでなく、売主が保有する株式の買取りの価格を調整する、未払の役員退職慰労金と相殺する、留保している代金から充当する、といった解決の形も検討します。譲渡代金の一部を第三者に預けている場合は、その解放の期限を確認してください。
専門家の関与のさせ方
設備の紛争は技術の事実と契約の解釈とが交錯します。技術者には、故障の原因と発生の時期、及び通常の摩耗との区別について意見を出してもらい、弁護士には、契約書の文言と手元の資料に照らしてどの主張がどこまで通り得るかを整理してもらいます。順序としては技術者の所見を先に固めるほうが効率的です。事実の骨格が定まらないまま法律の議論を先行させると、後から組み立て直しになるためです。
よくあるご質問
ここでは、設備の不具合が判明した買主の方から多く寄せられる問いを取り上げます。個別の事案では契約書の文言と資料の状況によって結論が変わりますので、検討の出発点としてお読みください。
引渡しの3か月後に主力の機械が壊れました。売主に費用を請求できますか
壊れたという事実だけでは足りません。まず、その機械の設置からの年数、直近の点検の記録、故障の原因を確認します。設置から相当の年数が経ち、原因が部品の摩耗であるというだけであれば、経年による通常の劣化として扱われ、請求は通りにくいと考えられます。他方、買収の直前に同じ箇所の不調が生じ、売主が修理業者に相談していた記録が出てくるのであれば、表明保証の違反を理由とする請求を検討し得ます。請求の可否は、引渡しの前に何があったかによって決まります。
デュー・ディリジェンスで工場を見学しましたが、機械を動かしては見ていません。買主の落ち度になりますか
直ちに落ち度とされるわけではありません。中小企業のM&Aでは、従業員に知られないよう見学の時間や範囲が制限されることが通例であり、その制約は売主の求めによるものです。重要なのは、その経緯を示す資料が残っているかどうかです。稼働している状態での確認を申し入れたが断られた、という記録があれば、買主の側の事情として説明できます。逆に、確認の機会があったのに求めなかった場合には、その点を売主から指摘され得ます。
売主から「引渡しのときは動いていた」と言われています。どう反論しますか
動いていたかどうかと、正常な状態であったかどうかは別の問題です。反論の材料になるのは、故障が進行性のものであり、引渡しの時点で既に原因が存在していたことを示す資料です。具体的には、修理業者による原因の所見、制御装置に残る警報の履歴、摩耗した部品そのもの、点検の記録の欠落です。特に、警報の履歴に引渡しの前の日付が残っている場合は有力です。この観点からも、修理の前に記録を取り、外した部品を保管することが重要になります。
法令で定められた検査を受けていなかったことが分かりました。これは表明保証の違反になりますか
契約書に法令の遵守に関する表明が置かれているのが通例であり、必要な検査を受けていなかったのであれば、その表明に反すると評価される余地が大きいといえます。この類型は、検査済証や成績書の有無によって事実を客観的に示せる点で、他の類型より立証が容易です。あわせて、行政上の指導や使用の停止を受ける可能性、及び保険の適用に影響が及ぶ可能性も確認してください。損害は修理の費用にとどまらず、検査を受けるための費用や停止の期間にも及び得ます。
説明を受けた生産の能力の半分しか出ません。どのように進めればよいですか
二つの作業を並行して行います。一つは、説明の内容が資料として残っているかの確認であり、提案の資料、質疑応答の書面、面談の記録、電子メールに数値の記載があるかを探します。もう一つは実際の能力の測定です。材料、条件、担当者を記録しながら一定の期間稼働させ、投入と産出を計測します。技術者に立ち会ってもらい、設備の能力の問題か運転の方法や材料に起因するのかを切り分けます。数値による説明が残っており実測がそれを大きく下回るのであれば、請求を検討し得ます。
売主に請求できる期間はいつまでですか。また今から技術者に見てもらう意味はありますか
補償の請求ができる期間は株式譲渡契約で定められているのが通例であり、引渡しから1年から2年とする例が多く見られます。この期間を過ぎると内容にかかわらず補償の請求は難しくなりますので、資料がすべて整うのを待たず、まず期間内に請求の意思を通知し、詳細は後から補うという進め方を検討してください。技術者による評価は買収の前の調査に代わるものではありませんが、故障の原因、発生の時期の推定、通常の摩耗との区別について書面を得ておけば、引渡しの時点の状態を推し量る資料になります。
具体的なご相談をお考えの皆様へ
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