M&Aの紛争解決条項の確認と訴訟に要する費用及び期間の考え方

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紛争の進め方を定めるに当たっては、契約書の紛争解決条項の確認が出発点となり、これに要する費用と期間の見通しが方針を左右します。本記事では、管轄及び仲裁の定めの読み方から費用と期間の考え方までを整理いたします。

M&Aトラブルを和解により解決する場合の条件の設計については別の記事で扱っています。あわせて御覧ください。

M&Aの後に相手方との間で深刻な意見の対立が生じ、話合いでは収まらないと判断された段階で、多くの経営者の方が最初に口にされるのは「訴訟にすると、いくらかかって、どれくらい時間がかかるのか」というご質問です。無理もないことで、事業を営みながら紛争を抱えるということは、費用の支出だけでなく、経営者の時間と気力を長期にわたって割くことを意味します。金額の見込みと期間の見込みが立たないままでは、そもそも進むべきかどうかの判断ができません。

もっとも、費用と期間の話に入る前に、必ず片付けておかなければならない前提があります。それは、そもそもどこで争うのかという問題です。株式譲渡契約書には、たいてい末尾のほうに紛争解決に関する条項が置かれています。ここに専属的な合意管轄裁判所が定められていれば、原則としてその裁判所でしか訴訟を起こせません。仲裁の合意が置かれていれば、そもそも裁判所で審理してもらえない可能性があります。調停を先に経なければならないと定められていることもあります。この条項の読み方を誤ると、時間と費用をかけて準備した訴えが、中身の審理に入る前に退けられてしまいます。

本稿では、まず契約書の紛争解決条項をどう読むかを整理し、そのうえで訴訟と仲裁のどちらが自社にとって適切かを比較し、訴訟を選ぶ場合の費用と期間の考え方を具体的に述べます。最後に、これらの見込みを踏まえて解決方針をどう立てるか、訴訟外の交渉や民事調停、訴訟上の和解といった選択肢との関係を含めて整理します。想定するのは、譲渡代金が1億円から10億円程度の中小企業のM&Aです。

Contents
  1. 紛争解決条項の確認から始めるという順序
    1. 契約書のどこに紛争解決に関する定めが置かれているか
    2. 条項を読む前に手元に揃えるべき書類
  2. 専属的合意管轄裁判所の定めの読み方
    1. 専属的合意管轄と付加的合意管轄の違い
    2. 複数の契約で管轄の定めが食い違う場合
    3. 合意管轄の定めが働かない場面もあります
  3. 仲裁合意が置かれている場合の取扱い
    1. 仲裁合意があると訴えはどう扱われるか
    2. 仲裁機関、仲裁地、仲裁人の数の定めを確認します
    3. 調停を先に経る旨の定めが置かれている場合
  4. 訴訟と仲裁の得失をどう比較するか
    1. 審理が公開されるかどうかという違い
    2. 判断に不服がある場合に見直しを求められるか
    3. 期間と費用の見込みの違い
    4. 外国での執行を要するかどうか
  5. 訴訟に要する費用の考え方
    1. 訴え提起の手数料は請求額に応じて増減します
    2. 鑑定に要する費用は事案により大きく変わります
    3. 弁護士費用の一般的な算定の考え方
    4. 敗訴した場合に相手方の弁護士費用を負担するか
  6. 訴訟に要する期間の目安
    1. 第一審の審理の流れと期間の一般的な傾向
    2. 争点の複雑さと鑑定の要否による違い
    3. 控訴審に進んだ場合の見込み
  7. 費用と期間を踏まえた解決方針の立て方
    1. 訴訟外の交渉によって解決する場合
    2. 民事調停を活用する場合
    3. 訴訟上の和解という着地点
    4. 回収の可能性を最初に見極めます
  8. よくあるご質問
    1. 契約書に専属的合意管轄の定めがありますが、遠方の裁判所で不便です。近くの裁判所で審理してもらうことはできますか
    2. 株式譲渡契約書には仲裁条項があるのですが、譲渡後の顧問契約書には裁判所の管轄が定められています。どちらで争うことになりますか
    3. 請求額を大きくすると、費用も大きくなりますか
    4. 勝訴すれば、弁護士費用は相手方から回収できますか
    5. 鑑定は必ず行わなければならないのですか
    6. 訴訟を起こすと、取引先や金融機関に知られてしまいますか
    7. 費用と期間を考えると、訴訟を起こさないほうがよい場合もありますか
  9. 紛争解決条項の確認を出発点として方針を定めることの意義
    1. 着手にあたって順に確認していただきたい事項

紛争解決条項の確認から始めるという順序

相手方に請求したいと考えたとき、多くの方は請求の中身、すなわちどのような義務違反があり、いくらの損害が生じたかという点に意識を向けられます。それは当然のことなのですが、実務では、その前に契約書の末尾を開くという作業を必ず行います。紛争解決条項の内容によって、その後に取り得る手続が根本から変わるからです。

契約書のどこに紛争解決に関する定めが置かれているか

株式譲渡契約書では、通常、最終章に一般条項と呼ばれる規定群が置かれます。準拠法、合意管轄、仲裁、通知の方法、契約の変更、完全合意、分離可能性といった条項が並ぶ箇所です。紛争解決に関する定めは、この中の「管轄」「合意管轄」「紛争の解決」「仲裁」といった見出しの下に置かれています。契約書が1通で完結していれば話は簡単ですが、実際には基本合意書、株式譲渡契約書、譲渡後の顧問契約書、競業避止に関する覚書、代表者の個人保証に関する念書など、複数の文書が存在することが通例です。すべての文書について、紛争解決に関する定めの有無と内容を一覧に整理してください。

条項を読む前に手元に揃えるべき書類

紛争解決条項の効力を判断するためには、条項の文言だけでなく、その周辺の事情も確認する必要があります。具体的には、次の書類を揃えます。第1に、締結されたすべての契約書及び覚書の原本又は写しであり、押印のある最終版であることを確認します。第2に、契約締結に至る過程で交わされた修正履歴の残る草案です。紛争解決条項がどの段階で挿入され、どのように修正されたかが分かると、当事者の意図を説明する材料になります。第3に、契約書の別紙及び附属書類です。管轄の定めが別紙に置かれている例もあります。第4に、契約締結後に交わされた合意書や変更契約であり、紛争解決条項が後から変更されている場合があります。これらを揃えたうえで、どの請求がどの契約に基づくものかを対応させていきます。

専属的合意管轄裁判所の定めの読み方

日本の民事訴訟では、当事者は第一審に限り、書面によって管轄裁判所を合意することができます。この点は民事訴訟法第11条に定めがあります。M&Aの契約書では、この合意管轄の定めがほぼ例外なく置かれています。問題は、その定めがどの範囲でどの程度の拘束力を持つかという点です。

専属的合意管轄と付加的合意管轄の違い

合意管轄には2つの型があります。専属的合意管轄とは、その裁判所だけを管轄裁判所とし、法律上本来認められる他の裁判所の管轄を排除する定めです。付加的合意管轄とは、法律上認められる管轄裁判所に加えて、合意した裁判所も管轄を持つとする定めです。両者では、他の裁判所に訴えを提起できるかどうかが正反対になります。区別の手掛かりは文言です。「専属的合意管轄裁判所とする」と明記されていれば専属的な定めであることが明らかです。他方、単に「管轄裁判所とする」「第一審の管轄裁判所とする」とのみ記載されている場合、専属的な趣旨か付加的な趣旨かが文言上明確でないことがあり、契約全体の趣旨や交渉経過から解釈することになります。ご自身の契約書の文言を確認し、「専属的」の3文字があるかどうかをまず見てください。

複数の契約で管轄の定めが食い違う場合

実務で頻繁に生じるのが、株式譲渡契約書では譲受人の本店所在地を管轄する裁判所と定められているのに、譲渡後の顧問契約書では譲渡人の住所地を管轄する裁判所と定められている、といった食い違いです。この場合、どちらか一方に統一されるわけではありません。原則として、各契約に基づく請求は、それぞれの契約に定められた裁判所で審理されることになります。そうすると、表明保証違反に基づく損害賠償請求は東京の裁判所、顧問契約に基づく報酬の返還請求は大阪の裁判所という具合に、手続が分かれてしまう可能性があります。手続が分かれることは、費用の増加、期間の長期化、証拠調べの重複、判断の食い違いといった不利益を招きます。

対応としては、いくつかの方向が考えられます。1つは、関連する請求を主たる契約の管轄裁判所にまとめられないかを検討することです。複数の請求が密接に関連し、証拠も共通する場合には、併合して審理することの合理性を主張し得ます。もう1つは、相手方と協議して、この紛争に限り管轄を1つの裁判所に集約する旨の合意を新たに交わす方法です。争いが生じた後であっても、当事者双方が手続の効率を望むのであれば、こうした合意は成立し得ます。いずれの方向を採るにせよ、訴えを提起する前に検討しておくべき事柄です。

合意管轄の定めが働かない場面もあります

合意管轄の定めは万能ではありません。第1に、合意は書面によることを要しますので、口頭の了解にとどまる場合には効力を主張しにくくなります。第2に、合意管轄は第一審に関する定めですので、控訴審以降の管轄には及びません。第3に、契約に基づく請求ではなく、不法行為に基づく損害賠償請求として構成した場合、その請求が合意管轄の定めの射程に含まれるかどうかが争点となり得ます。契約書に「本契約に関する一切の紛争について」といった広い文言が置かれていれば射程に含まれると解釈されやすく、「本契約から生ずる紛争」といった限定的な文言であれば争いの余地が生じます。第4に、仮差押えや仮処分といった保全の手続については、別の管轄の定めが適用されます。財産の散逸を防ぐために保全を先行させる必要がある事案では、この点の確認を欠かせません。

仲裁合意が置かれている場合の取扱い

近年のM&A契約書では、裁判所ではなく仲裁によって紛争を解決する旨の条項が置かれる例が増えています。とりわけ相手方が外国の法人である場合や、投資ファンドが関与する取引では、仲裁条項が標準的に用いられます。仲裁合意がある場合、訴訟を選ぶという選択肢自体が制約を受けます。

仲裁合意があると訴えはどう扱われるか

有効な仲裁合意がある紛争について一方の当事者が裁判所に訴えを提起した場合、相手方がその旨を主張して争えば、訴えは却下されるのが原則です。仲裁法第14条第1項に、この趣旨の定めが置かれています。つまり、仲裁条項があることに気付かずに訴えを提起すると、中身の審理に入ることなく手続が終わり、それまでに要した手数料と弁護士費用が無駄になりかねません。もっとも、相手方がこの点を主張せずに応訴した場合には、訴訟が進行することもあります。しかし、そこに賭けるのは合理的ではありません。

仲裁条項の有効性それ自体を争う余地がないわけではありません。仲裁の対象となる紛争の範囲が不明確である場合、仲裁機関の名称が特定されておらず手続を開始できない場合、契約締結の過程に問題があり合意の成立自体が疑われる場合などには、仲裁合意の効力を争う主張が考えられます。ただし、これらの主張が認められるかどうかは事案により異なり、争うこと自体に時間と費用を要します。契約書に仲裁条項が置かれている場合には、まず仲裁で進めることを前提として方針を組み立て、そのうえで例外的な事情がないかを検討するという順序が現実的です。

仲裁機関、仲裁地、仲裁人の数の定めを確認します

仲裁条項が置かれている場合、次の各点を条項から読み取ってください。第1に、仲裁機関の特定です。どの機関の規則に従って仲裁を行うかが明記されていなければ、手続の開始に支障が生じます。第2に、仲裁地です。仲裁地は単なる開催場所の問題ではなく、その手続にどの国の法が適用されるか、どの国の裁判所が仲裁判断の取消しに関与するかを決める重要な要素です。仲裁地が外国と定められていれば、現地での手続対応が必要となり、費用は大きく膨らみます。第3に、仲裁人の数です。仲裁人が1人の場合と3人の場合とでは、報酬の総額が大きく異なります。中小企業のM&Aでは、請求額との均衡から、仲裁人1人と定めておくほうが適切な場合が少なくありません。第4に、使用言語です。日本語以外と定められていれば、書面及び証拠の翻訳費用が加わります。第5に、適用される仲裁規則の版です。規則は改訂されますので、どの時点の規則によるかを確認します。

調停を先に経る旨の定めが置かれている場合

紛争解決条項の中に、「まず当事者間で誠実に協議する」「協議が調わないときは調停を申し立てる」「調停が成立しないときに初めて訴訟又は仲裁による」といった段階的な定めが置かれていることがあります。これを段階的紛争解決条項と呼びます。この定めがある場合、協議や調停の段階を経ずにいきなり訴えを提起すると、手続要件を欠くとして争われる可能性があります。

実務上の対応としては、条項が求める段階を形式的にでも履践し、その履践の事実を記録に残すことが基本となります。すなわち、内容証明郵便によって協議の申入れを行い、協議の日時と出席者と議題を記録し、協議が調わなかったことを書面で確認します。調停の申立てが求められているのであれば、実際に申し立てて不成立の記録を得ておきます。これらの記録は、後の訴訟や仲裁において、手続要件を満たしていることを示す資料となります。他方、条項の文言が「協議するよう努める」といった努力義務にとどまる場合には、厳格な前置要件とは解釈されないこともあります。文言の強さを丁寧に読み取ってください。

訴訟と仲裁の得失をどう比較するか

契約書に仲裁条項が置かれておらず、また新たに仲裁合意を結ぶかどうかを選べる立場にある場合には、訴訟と仲裁のどちらが自社にとって適切かを検討することになります。両者は優劣の関係にあるのではなく、それぞれ異なる長所と短所を持ちます。何を重視するかによって答えが変わります。

審理が公開されるかどうかという違い

訴訟の口頭弁論は公開の法廷で行われます。訴訟記録は原則として何人でも閲覧を請求できます。営業秘密が記載された部分などについては閲覧を制限する手続もありますが、範囲は限定的です。中小企業のM&Aの紛争では、譲渡代金の額、企業の内部管理の実態、取引先との関係、経営者の個人的な事情といった、外部に知られたくない事柄が主張と証拠に含まれることが通常です。訴訟を選ぶということは、これらが記録として残り、第三者が触れ得る状態に置かれることを受け入れることを意味します。

これに対して仲裁は非公開の手続です。当事者と代理人と仲裁人以外の者が審理に立ち会うことはなく、仲裁判断も原則として公表されません。取引先や金融機関、従業員に紛争の存在を知られたくないという事情が強い場合、仲裁を選ぶ実益は大きいといえます。ただし、仲裁判断の執行を求めて裁判所の手続を利用する段階では、一定の情報が裁判所の記録に残ることになりますので、完全な秘密が保たれるわけではありません。

判断に不服がある場合に見直しを求められるか

訴訟では、第一審の判決に不服があれば控訴でき、控訴審の判決に不服があれば上告受理の申立て等の手続を採り得ます。事実認定を誤られたと考える場合に、上級の裁判所に再度の審理を求められることは、訴訟の大きな長所です。判断の内容も判決書に詳細に記載され、なぜその結論に至ったかを検証できます。

仲裁では、仲裁判断は原則として一回限りであり、内容の当否を争って上訴することはできません。仲裁判断の取消しを裁判所に申し立てる手続はありますが、認められるのは手続に重大な問題があった場合などに限られ、判断の中身が誤っているという理由では取り消されません。これは、早期に紛争を終わらせたい当事者にとっては長所となりますが、不本意な判断が下された場合には取り返しがつかないという短所にもなります。事案の性質上、事実認定が微妙であり判断が分かれ得ると見込まれる場合には、上訴の余地がある訴訟のほうが安心できる場合があります。

期間と費用の見込みの違い

期間については、仲裁のほうが短く終わるといわれることが一般的です。上訴がなく、審理の日程を当事者と仲裁人の都合で柔軟に組めるためです。もっとも、これは事案により大きく異なります。争点が多く証拠調べに時間を要する事案では、仲裁であっても長期化します。

費用については、単純な比較はできません。訴訟では、裁判所に納める手数料は後述のとおり請求額に応じて定まりますが、裁判官の報酬を当事者が負担することはありません。これに対して仲裁では、仲裁人の報酬と仲裁機関の管理料金を当事者が負担します。仲裁人が3人であれば、その3人分の報酬が必要となります。したがって、請求額が比較的小さい事案では、仲裁のほうが総費用は高くなる傾向があります。反面、請求額が大きく、訴訟であれば控訴審まで進むことが見込まれる事案では、一回で終わる仲裁のほうが総額を抑えられることもあります。いずれにせよ、事案により異なりますので、具体的な見積りは請求額と争点の数を踏まえて個別に行う必要があります。

外国での執行を要するかどうか

相手方の資産が日本国内にあり、日本の判決で執行できるのであれば、この点は問題になりません。しかし、相手方が外国の法人であったり、主要な資産が外国にあったりする場合には、決定的な差が生じます。日本の裁判所の判決を外国で執行するには、その国の法制に従った承認の手続を要し、国によっては承認そのものが認められないことがあります。

これに対して仲裁判断については、外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約という多国間の条約が広く適用されており、締約国の間では仲裁判断の承認と執行が比較的円滑に進みます。相手方が外国に所在し、そこでの回収が必要となる可能性がある事案では、この点が仲裁を選ぶ最も強い理由となります。契約締結の段階で、相手方の資産の所在を踏まえて紛争解決条項を設計しておくことが望ましく、既に契約が締結されている場合には、条項がこの観点から適切に定められているかを確認してください。

訴訟に要する費用の考え方

訴訟を選ぶ場合の費用は、大きく分けて、裁判所に納める費用と、代理人である弁護士に支払う費用と、証拠の収集や鑑定に要する費用の3つから成ります。それぞれ性質が異なりますので、分けて把握しておくことが大切です。

訴え提起の手数料は請求額に応じて増減します

訴えを提起する際には、裁判所に手数料を納めます。この手数料は、民事訴訟費用等に関する法律に基づき、訴訟の目的の価額、すなわち請求する金額に応じて定まります。重要なのは、請求額が大きくなれば手数料も大きくなるという構造です。ただし、比例して際限なく増えるのではなく、請求額の区分が上がるにつれて上乗せの割合が下がる仕組みになっています。したがって、請求額が数千万円の場合と数億円の場合とで手数料は相当に違いますが、請求額に対する割合としては、金額が大きくなるほど小さくなります。

実務上、この構造は請求額の設定に影響します。損害の全額を請求すれば手数料も高くなりますので、まず一部を請求して結論の見通しを得たうえで残額を追加請求するという方法も考えられます。ただし、一部請求には消滅時効との関係など別の考慮も要しますので、単純に手数料の節約だけで決めるべきではありません。手数料のほか、裁判所からの書類の送達等に用いる郵便物の費用も予納します。これらは請求額と比べれば小さな金額です。なお、控訴する場合には、第一審の手数料の1.5倍に相当する額を納めることになります。

鑑定に要する費用は事案により大きく変わります

M&Aの紛争では、鑑定が必要となる場面が少なくありません。典型的には、株式の価値がいくらであったかが争点となる事案です。表明保証違反により企業の実態が開示されたものと異なっていた場合、その差が株式の価値にどう影響したかを金額で示す必要があり、公認会計士等による評価が求められます。また、簿外債務の有無や在庫の実在性が争点となる事案では、会計帳簿の分析が必要となります。

鑑定の費用は、裁判所が選任する鑑定人に支払う鑑定料と、当事者が自ら専門家に依頼して作成する私的な意見書の作成費用とに分かれます。裁判所の鑑定は、通常、申し出た当事者が費用を予納します。金額は対象の規模と作業量によって大きく変動し、事案により異なりますが、株式の価値の評価となれば相応の金額を要することを見込んでおく必要があります。私的な意見書は、鑑定の申出をする前に自らの主張を裏付けるために作成することが多く、これも専門家への報酬が発生します。訴訟の全体費用を見積もる際には、この鑑定に関する費用を必ず織り込んでください。見落とされやすい項目です。

弁護士費用の一般的な算定の考え方

弁護士費用は、一般に、事件の着手の段階で支払う着手金と、事件の結果に応じて支払う報酬金とに分かれる形が広く用いられています。着手金は結果にかかわらず要する費用であり、報酬金は得られた経済的な利益に応じて算定されるのが通例です。このほか、日当や実費が別途生じます。近年は、時間に応じて算定する方式や、これらを組み合わせた方式も用いられており、算定の方法は依頼する法律事務所によって異なります。

算定の基礎となるのは、多くの場合、請求額又は実際に得られた経済的な利益の額です。したがって、請求額が大きくなれば弁護士費用も大きくなる傾向があります。また、争点の数、証拠の量、期日の回数、鑑定の要否といった事情によっても作業量が変わりますので、費用に影響します。具体的な金額は事案により異なりますので、依頼を検討される際には、算定の方式、着手金と報酬金の基準、実費の取扱い、上訴した場合の追加費用の有無について、あらかじめ書面で明確にしておくことをお勧めします。委任契約書に記載された条件を、疑問が残らない状態にしてから署名することが重要です。

敗訴した場合に相手方の弁護士費用を負担するか

この点はしばしば誤解されています。民事訴訟法第61条により、訴訟費用は敗訴した当事者が負担するのが原則です。しかし、ここでいう訴訟費用とは、裁判所に納めた手数料、書類の送達に要した費用、証人の旅費日当など、法令で定められた範囲のものを指します。当事者が自ら依頼した弁護士に支払った費用は、原則としてこの訴訟費用には含まれません。

したがって、敗訴したとしても、相手方が支払った弁護士費用の全額を負担させられるわけではないのが原則です。反面、勝訴したとしても、自らが支払った弁護士費用を相手方から全額回収できるわけでもありません。この点は、諸外国の制度とは異なる日本の特徴です。もっとも、例外もあります。不法行為に基づく損害賠償請求では、弁護士費用の一部が損害として認められる取扱いが定着しており、認容された損害額の1割程度が加算される例が見られます。契約違反に基づく請求では、この取扱いは当然には及びません。また、契約書に「違反した当事者は相手方の弁護士費用を負担する」旨の条項が置かれている場合には、その条項に基づく請求が考えられます。ご自身の契約書にこうした条項があるかどうかを確認してください。

訴訟に要する期間の目安

期間の見込みは、費用と並んで判断の重要な要素です。ただし、期間についてはとりわけ幅が大きく、確たる数字を申し上げることはできません。一般的な傾向と、期間を左右する要因を理解しておくことが実際的です。

第一審の審理の流れと期間の一般的な傾向

訴えを提起すると、裁判所から第1回の期日が指定されます。その後、当事者が交互に主張を記載した書面と証拠を提出し、争点を整理していきます。この段階は、おおむね1か月から2か月に1回程度の間隔で期日が入るのが通例です。争点の整理が終わると、証人尋問及び当事者尋問が行われ、その後に和解の協議、それが調わなければ判決の言渡しという流れになります。

期間としては、一般に、争点が単純で証拠も限られている事案であれば1年程度で第一審の判決に至ることもあります。他方、M&Aの紛争のように争点が複数あり、証拠となる資料が大量であり、専門的な評価を伴う事案では、第一審だけで2年を超えることも珍しくありません。事案により大きく異なりますので、具体的な見込みは、争点の数と証拠の量を踏まえて個別に検討する必要があります。相手方が主張を頻繁に変える場合や、期日の調整が難航する場合には、さらに延びます。

争点の複雑さと鑑定の要否による違い

期間を最も大きく左右するのは、鑑定を行うかどうかです。鑑定の申出がされ、裁判所がこれを採用すると、鑑定人の選任、鑑定事項の確定、鑑定人による調査と鑑定書の作成、鑑定書に対する当事者の意見の提出、必要に応じて鑑定人の尋問という一連の手続が加わります。この過程だけで半年から1年程度を要することがあり、対象が複雑であればさらに長くなります。株式の価値の評価が争点の中心となる事案では、この点を必ず見込んでおいてください。

争点の数も期間に直結します。表明保証違反だけが争点であれば、対象となる事実は限定されます。しかし、表明保証違反、契約締結上の過失、詐欺による取消し、競業避止義務違反、顧問契約に基づく報酬の返還といった複数の請求を並行して主張すると、それぞれについて主張と証拠の応酬が必要となり、審理は長期化します。請求を絞ることで期間を短縮できる場合がありますので、方針を立てる段階で、勝算の高い請求に集中するか、幅広く主張するかを検討することになります。

控訴審に進んだ場合の見込み

第一審の判決に不服がある場合、判決書の送達を受けた日から2週間以内に控訴を提起します。この期間は短く、経過すると判決が確定しますので、判決言渡しの前から控訴するかどうかの検討を始めておく必要があります。

控訴審は、第一審の資料を引き継いで審理を行いますので、第一審ほど期日を重ねないのが通例です。一般に、数回の期日で審理を終え、判決又は和解に至る例が多いとされます。もっとも、控訴審で新たな証拠が提出され、追加の証人尋問が行われる事案では、相応の期間を要します。第一審と控訴審を合わせた全体の期間としては、争点が複雑な事案では3年を超えることも見込んでおくべきです。さらに上告受理の申立て等に進めば、判断が示されるまでにさらに期間を要します。訴訟を選ぶということは、この長さの時間を紛争とともに過ごすということを意味します。

費用と期間を踏まえた解決方針の立て方

費用と期間の見込みが立つと、判断の材料が揃います。ここで行うべきは、請求できる金額と、要する費用と、要する期間と、実際に回収できる可能性とを並べて比較し、合理的な方針を選ぶ作業です。感情ではなく数字で判断することが、結果的にご自身を守ります。

訴訟外の交渉によって解決する場合

最も費用と期間を抑えられるのは、訴訟外の交渉で合意に至る方法です。代理人を通じて請求の根拠と金額を明示した書面を送り、相手方の反応を見ながら条件を詰めていきます。相手方にも訴訟の費用と期間の負担がありますので、双方にとって早期の解決に利益がある場面は少なくありません。

交渉を有利に進めるためには、いつでも訴訟に移行できる準備を整えておくことが重要です。具体的には、請求の法的な根拠を条項レベルで特定し、損害額の算定根拠を資料とともに示し、相手方の反論を予測してこれに対する応答を用意しておきます。準備が整っていることが伝われば、相手方も真剣に検討します。他方、根拠が曖昧なまま金額だけを求めても、交渉は前に進みません。なお、交渉の過程では消滅時効の進行に注意を要します。協議を続けている間に期間が経過してしまうことのないよう、時効の完成を猶予する措置を検討してください。

民事調停を活用する場合

民事調停は、簡易裁判所等において、調停委員会の関与のもとで話合いによる解決を目指す手続です。訴訟に比べて申立ての手数料が低く、手続も柔軟であり、非公開で行われます。相手方との関係を完全に断ちたくない場合や、法的な白黒よりも現実的な着地点を求める場合に適しています。中小企業のM&Aでは、譲渡人が譲渡後も顧問として関与していたり、地域の取引関係が継続していたりすることが多く、全面的な対決を避けたいという事情が働く場面があります。

調停の限界も理解しておく必要があります。調停は当事者の合意によって成立するものですので、相手方が応じなければ不成立となり、その後に訴訟を提起することになります。その分、時間を費やすことになります。相手方が全面的に争う姿勢を示しており、話合いの余地がないと見込まれる場合には、調停を経ることが遠回りになることもあります。他方、調停が成立して調停調書が作成されれば、確定判決と同一の効力を持ち、相手方が履行しない場合には強制執行が可能です。この効力は、単なる示談書との大きな違いです。

訴訟上の和解という着地点

訴訟を提起した場合であっても、判決まで進むとは限りません。実務では、争点の整理が終わった段階や、証人尋問が終わった段階で、裁判所から和解の勧告がされることが一般的です。裁判所は双方の主張と証拠を把握したうえで心証を踏まえた見解を示しますので、当事者にとっては、判決の見込みを推し量る貴重な機会となります。

和解には現実的な利点があります。判決では認められにくい内容、例えば分割による支払、担保の提供、競業避止に関する新たな約束、相互に債権債務がないことの確認といった事項を、合意によって盛り込むことができます。また、判決と異なり上訴がありませんので、その時点で紛争が終わります。回収の観点からも、判決を得ても相手方に資力がなければ意味がありませんので、確実に支払われる金額で早期に合意するほうが、実質的に有利となる場合があります。和解に応じるかどうかは、認容される可能性のある金額に、勝訴の見込みと回収の可能性を掛け合わせ、そこから今後要する費用と期間を差し引いて判断することになります。

回収の可能性を最初に見極めます

方針を立てるうえで最も重要でありながら、しばしば後回しにされるのが、相手方から実際に回収できるかという点です。判決を得ても、相手方に財産がなければ回収できません。中小企業のM&Aでは、譲渡人が個人であり、受け取った譲渡代金を既に費消していたり、他の投資に回していたりすることがあります。

そこで、訴訟の提起を検討する段階で、次の確認を行ってください。第1に、相手方の資産の状況です。不動産の登記事項証明書を取得し、所有する不動産と担保の設定状況を確認します。第2に、相手方が法人であれば、その法人の決算の状況と、実質的な資産の有無です。第3に、譲渡代金の振込先となった金融機関の情報です。強制執行の対象を特定するうえで手掛かりとなります。第4に、契約書に個人保証や担保の定めが置かれていないかです。これらの確認の結果、回収の可能性が乏しいと判断される場合には、財産の散逸を防ぐために仮差押えを先行させるという方針もあり得ます。仮差押えには担保の提供を要しますので、その資金の手当ても含めて検討することになります。

よくあるご質問

ここでは、紛争解決条項の確認及び訴訟の費用と期間について、経営者の方から実際に多く寄せられるご質問を取り上げ、順に整理します。個別の事案によって結論が変わり得る点については、その旨を明記しています。ご自身の契約書を手元に置きながらお読みいただくと、確認すべき箇所が具体的に見えてくるはずです。

契約書に専属的合意管轄の定めがありますが、遠方の裁判所で不便です。近くの裁判所で審理してもらうことはできますか

原則としてできません。専属的合意管轄の定めがある以上、その裁判所に訴えを提起することになります。ただし、いくつかの検討の余地はあります。1つは、その定めが本当に専属的な趣旨か、単に管轄裁判所を挙げただけの付加的な趣旨かを文言と交渉経過から検討することです。もう1つは、著しい遅滞を避けるためなどの理由により、裁判所の判断で他の裁判所に移送される制度がありますので、その適用を求める方法です。ただし、認められるかどうかは事案により異なります。なお、実務では、遠方であっても電話会議やウェブ会議による期日の運用が広く用いられており、毎回出頭を要するわけではありません。負担は以前より軽減されています。

株式譲渡契約書には仲裁条項があるのですが、譲渡後の顧問契約書には裁判所の管轄が定められています。どちらで争うことになりますか

請求の根拠となる契約ごとに、それぞれの条項が適用されるのが原則です。株式譲渡契約に基づく表明保証違反の請求は仲裁で、顧問契約に基づく請求は定められた裁判所で、という形に分かれる可能性があります。手続が分かれると費用と期間の負担が増しますので、実務では、相手方と協議して、この紛争に限り一方の手続にまとめる旨の合意を試みることがあります。合意が調わない場合には、請求の重要度と回収の見込みを踏まえて、いずれの請求を先行させるかを決めることになります。契約が複数にわたる場合には、早い段階で全部の契約の紛争解決条項を一覧に整理してください。

請求額を大きくすると、費用も大きくなりますか

はい、その傾向があります。裁判所に納める手数料は請求額に応じて増えますし、弁護士費用も請求額を基礎として算定される方式が広く用いられていますので、請求額が大きくなれば費用も増える関係にあります。もっとも、手数料については、請求額が大きくなるほど上乗せの割合が下がる仕組みになっていますので、請求額に対する割合としては小さくなっていきます。実務では、損害額の算定根拠が確かな部分を中心に請求を組み立て、根拠が弱い部分まで無理に積み上げないという判断をすることがあります。過大な請求は、費用を増やすだけでなく、主張全体の信頼性を損なう場合もあるためです。具体的な設定は、証拠の状況を踏まえて事案ごとに検討することになります。

勝訴すれば、弁護士費用は相手方から回収できますか

原則として、自ら支払った弁護士費用の全額を相手方から回収することはできません。訴訟費用として敗訴当事者が負担するのは、裁判所に納めた手数料や証人の旅費日当など、法令で定められた範囲のものに限られます。ただし例外があり、不法行為に基づく損害賠償請求の場合には、弁護士費用の一部が損害として認められる取扱いが定着しており、認容額の1割程度が加算される例が見られます。また、契約書に弁護士費用の負担に関する条項が置かれている場合には、これに基づく請求が考えられます。ご自身の契約書に該当する条項があるかどうかを確認してください。回収できる範囲は事案により異なります。

鑑定は必ず行わなければならないのですか

必ず行うものではありません。鑑定は、専門的な知見がなければ判断できない事項について、裁判所が専門家の意見を得るための手続です。株式の価値の評価が正面から争点となる事案では必要となることが多い一方で、簿外債務の存在や数量の不足など、資料から客観的に確認できる事項が争点であれば、鑑定を経ずに判断されることもあります。実務では、まず当事者が専門家に依頼して意見書を作成し、それによって主張を裏付けるという方法を採ることが多くあります。双方の意見書が対立し、裁判所が判断できないと考えた場合に、鑑定に進むという流れです。鑑定を行うと費用と期間の負担が大きく増しますので、その必要性は慎重に検討します。

訴訟を起こすと、取引先や金融機関に知られてしまいますか

訴訟の口頭弁論は公開の法廷で行われ、訴訟記録も原則として閲覧が可能ですので、第三者が知り得る状態になります。ただし、実際に取引先が裁判所の記録を調べることは多くありません。むしろ、紛争が長期化する過程で、相手方が取引先に接触したり、従業員を通じて情報が伝わったりすることのほうが現実的な経路です。秘密の保持を強く重視される場合には、非公開で行われる仲裁や民事調停の活用、あるいは訴訟外の交渉による解決を優先する方針が考えられます。また、営業秘密が記載された部分について閲覧を制限する手続もありますので、必要に応じて申立てを検討します。方針は、守りたい情報の内容と請求額の大きさを比較して決めることになります。

費用と期間を考えると、訴訟を起こさないほうがよい場合もありますか

あります。請求できる金額が限られている一方で、争点が複雑で鑑定を要し、相手方の資力にも不安があるという事案では、訴訟によって得られる実質的な利益が、要する費用と時間を下回ることがあります。この場合、訴訟外の交渉により一定の金額で早期に解決するほうが、経済的にも精神的にも合理的な選択となり得ます。判断にあたっては、認容される可能性のある金額、勝訴の見込み、回収の可能性、要する費用、要する期間、そして経営者ご自身が紛争に割く時間の価値を並べて比較します。訴訟を起こすかどうかは権利の問題であると同時に経営判断でもありますので、感情ではなく数字に基づいて決めていただくことをお勧めします。

紛争解決条項の確認を出発点として方針を定めることの意義

本稿では、契約書の紛争解決条項の読み方から始めて、訴訟と仲裁の得失、訴訟に要する費用と期間の考え方、そしてこれらを踏まえた解決方針の立て方を順に整理しました。最後に、実際に着手される際の順序をあらためて確認します。

着手にあたって順に確認していただきたい事項

第1に、締結されたすべての契約書と覚書を集め、紛争解決に関する定めを一覧に整理してください。専属的合意管轄か、仲裁か、段階的な定めが置かれていないかを読み分けます。第2に、請求の根拠となる事実と条項を特定し、損害額の算定根拠を資料とともに整理してください。第3に、相手方の資産の状況を調べ、回収の可能性を見極めてください。第4に、これらを踏まえて、費用と期間の見込みを立ててください。第5に、訴訟、仲裁、民事調停、訴訟外の交渉という選択肢を並べ、自社にとって合理的な方針を選んでください。この順序を踏むことで、着手した後に前提が崩れるという事態を避けられます。

紛争解決条項は、契約の締結時にはほとんど注目されない条項です。交渉の焦点は譲渡代金と表明保証の範囲に置かれ、末尾の一般条項は定型的な文言のまま合意されることが多くあります。しかし、紛争が現実のものとなった瞬間に、この条項が採り得る手続を決定づけます。これから契約を締結される方は、相手方の所在と資産の所在、守りたい情報の性質、想定される争点の複雑さを踏まえて、この条項を設計してください。既に紛争が生じている方は、まず条項を正確に読み解くことから始めてください。弁護士法人M&A総合法律事務所では、契約書の紛争解決条項の検討から、費用と期間の見込みを踏まえた方針の策定、交渉、調停、訴訟及び仲裁の各手続に至るまで、一貫してご相談に応じています。ご不安をお持ちの場合には、契約書一式をお手元にご準備のうえ、お早めにご相談ください。

具体的な御相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次の御案内のページに整理しています。あわせて御覧ください。

執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、平成23年には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ております。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めております。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継及び企業法務

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本記事の記載は一般的な法律情報であり、個別の事案に関する法律上の助言ではありません。記載した経歴は事実の記述であり、個別の事件の結果を保証するものではありません。