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役員報酬名目の株式譲渡対価と辞任後の受領―東京地方裁判所令和4年5月24日判決

公開 2022年5月24日更新 2026年10月30日

▶ 会社を売った後のM&Aトラブル

会社の全株式を譲渡した売主である旧経営者が、株式譲渡契約で、譲渡代金とは別に「取締役報酬」や「役員退職慰労金」の名目で金員を受け取ることを取り決める例は少なくありません。では、売主が買主側の求めに応じて約束の期間より前に取締役を辞任し、その後も取締役報酬の名目で支払を受けた場合、会社はその返還を求めることができるのでしょうか。

東京地方裁判所令和4年5月24日判決は、梱包木枠の製造会社の全株式を譲渡した元代表取締役に対し、会社が、辞任後に支払った2か月分の取締役報酬(合計249万5,161円)の返還等を求めた事案で、この請求を棄却しました。判決は、株式譲渡契約で取締役報酬とされた総額1,000万円は、名目は取締役報酬であるものの、実質的には株式の譲渡及び業務の引継ぎの対価の性質を有するものであり、その支払を受けるために必ずしも取締役の地位にある必要はないと判断しました。他方で、会社が元代表取締役の個人名義の自動車の保険料を支払っていた分(4万2,980円)については、不当利得として返還を命じています。

本記事では、判決本文に基づいて事案と判断を整理したうえで、売主の立場から、譲渡対価を役員報酬や役員退職慰労金の名目に分けて定める場合に注意しておきたい点を解説します。

Contents
  1. 裁判例の基本情報
  2. 当事者の表記
  3. 事案の概要―取締役報酬の名目で約束された1,000万円の一部を、辞任後に受け取った
    1. 父の病気をきっかけに、全株式を譲渡することにした
    2. 値上げの交渉の結果、1億2,000万円とは別に、役員報酬名目で1,000万円が加えられた
    3. 株式譲渡契約の締結―株式の売却価格8,000万円、取締役報酬総額1,000万円、役員退職慰労金4,000万円
    4. 株主総会で月額166万6,667円の取締役報酬を決議した
    5. 代表取締役を退き、買主側の提案で取締役も辞任した
    6. 辞任後も引継ぎを続け、取締役報酬の名目の支払を受けた
    7. 会社が支払っていた売主個人の自動車の保険料
  4. 事案の経緯の時系列
  5. 判断の前提となった契約条項
    1. 第1条―株式の譲渡
    2. 第5条第1項―役員の処遇
    3. 第5条第2項―取締役の地位にとどまる期間と役員報酬
    4. 第5条第3項―役員退職慰労金
    5. 第6条―資産、業務の引継
  6. 原告の請求と当事者の主な主張
    1. 対象会社WPCの請求
    2. 取締役報酬名目の金員についての対象会社WPCの主張
    3. 売主SKT氏の主張
    4. 自動車保険料と文書の引渡しについての主張
  7. 結論を左右した争点
  8. 裁判所が認定した重要な事実と判断の枠組み
    1. 交渉の経過から、1,000万円の位置付けを認定した
    2. 1,000万円の性質についての判断
    3. 業務の引継ぎは完了していた
  9. 各主張を採用し又は排斥した理由
    1. 取締役報酬名目の金員の返還請求―法律上の原因があり、債務不履行もない
    2. 自動車保険料相当額の請求―売主の不当利得と認めた
    3. 設計図書及び会計帳簿の引渡請求―引渡し済みで、所持も認められない
  10. 主文及び結論
  11. 判断の射程―参考となる点と一般化できない点
    1. 参考となる点
    2. 一般化できない点
  12. 売主の立場からみた、譲渡対価を役員報酬や退職慰労金の名目に分けるときの注意点
    1. 名目を分けた理由と、総額が譲渡対価であることを記録に残す
    2. 役員報酬の支払条件と、辞任した場合の扱いを明確に定める
    3. 買主側の求めで辞任するときは、残りの支払の扱いを確認する
    4. 引継ぎの内容と完了を記録に残す
    5. 会社が負担している個人的な費用を、譲渡前に整理する
    6. 役員退職慰労金の支払の時期と方法も定めておく
  13. よくあるご質問
    1. 株式譲渡契約で約束された役員報酬を、取締役を辞任した後も受け取ってよいのですか。
    2. 契約書に「取締役の地位にとどまり」と書いてあっても、譲渡対価と認められるのですか。
    3. 買主側から取締役の辞任を求められたら、どうすればよいですか。
    4. 在任中に会社が負担していた費用を、譲渡後に返還するよう求められることはありますか。
  14. 関連する記事と相談のご案内

裁判例の基本情報

裁判所 東京地方裁判所民事第15部
裁判日 令和4年5月24日
事件番号 令和2年(ワ)第5220号
裁判の形式 判決
審級 第一審
結論 原告(対象会社)の請求のうち、売主である元代表取締役に対する自動車保険料相当額4万2,980円及び遅延損害金の支払請求を認容し、その余の請求(取締役報酬名目の金員249万5,161円の返還又は損害賠償、文書の引渡し)をいずれも棄却。訴訟費用は全部原告の負担。認容部分について仮執行宣言
上訴の状況 上訴の有無及び確定は確認できていません

この表は、判決本文の冒頭及び末尾の記載に基づいて当事務所が作成したものです。

当事者の表記

判決に出てくる会社名・氏名は、本記事独自のイニシャルに置き換えています。判決が用いている符号も、そのままは使わずに次の表記へ置き換えています。

本記事の表記 立場
対象会社である梱包木枠製造会社WPC(以下「対象会社WPC」) 原告。梱包木枠の製造、販売等を目的とする株式会社で、株式譲渡の対象となった会社です。株式譲渡契約の当事者でもあります
売主である元代表取締役SKT氏(以下「売主SKT氏」) 被告の一人。対象会社WPCの全株式(100株)を保有し、平成23年9月28日から令和元年6月30日まで代表取締役、その後は取締役を務めていました
売主の弟で顧問税理士であったTKS氏(以下「税理士TKS氏」) 被告の一人。売主SKT氏の弟で、対象会社WPCと顧問契約を結んでいた税理士です。平成21年6月23日から令和元年5月7日まで対象会社WPCの取締役でもありました
買主である会社GNS(以下「買主GNS」) 売主SKT氏から対象会社WPCの全株式を譲り受け、その100%親会社となった有限会社です。業種は判決本文に記載がありません
買主の副社長VPM氏 買主GNSの副社長。売主SKT氏に取締役の辞任を提案した人物です
対象会社の執行役員NMB氏 対象会社WPCの執行役員で、社内のナンバー2の立場にあった人物です
株式譲渡の相談先の証券会社BRK 売主SKT氏が株式の譲渡について相談し、購入希望者を募った証券会社です
売主の父が経営する会社FMC 売主SKT氏が引き継ぐこととした、売主の父が経営する会社です。対象会社WPCとは異なる業務を営んでいます
損害保険会社INS 対象会社WPCが、売主SKT氏の個人名義の自動車について自動車保険契約を結んでいた保険会社です

判決本文を引用する部分では、当事者の呼称を上記の表記に置き換え、置き換えた箇所を〔 〕で示しています。判決本文の数字は全角の算用数字で記載されているため、引用部分では判決本文の表記のままとしています。

事案の概要―取締役報酬の名目で約束された1,000万円の一部を、辞任後に受け取った

父の病気をきっかけに、全株式を譲渡することにした

判決が認定した事実によれば、売主SKT氏は、対象会社WPCの全株式を保有し、平成23年9月28日から代表取締役として、経理全般、営業、現場管理及び全体的な仕事をしていました。しかし、売主SKT氏の父が病気で倒れたため、売主SKT氏は、対象会社WPCの株式を譲渡し、父が経営する会社FMCを引き継ぐことにしました。

値上げの交渉の結果、1億2,000万円とは別に、役員報酬名目で1,000万円が加えられた

売主SKT氏は、株式の譲渡について証券会社BRKに相談しました。証券会社BRKが購入希望者を募ったところ、買主GNSは、1億2,000万円での購入を希望しました。これに対し、売主SKT氏は購入金額の増額を申し入れました。判決は、その結果について、次のとおり認定しています。

「本件株式譲渡の対価として、〔売主SKT氏〕に対し、1億2000万円の他に、〔売主SKT氏〕の役員報酬名目で総額1000万円が支払われることとなった。」

株式譲渡契約の締結―株式の売却価格8,000万円、取締役報酬総額1,000万円、役員退職慰労金4,000万円

対象会社WPC、売主SKT氏及び買主GNSの三者は、令和元年5月7日、株式譲渡契約を締結しました。同じ日がクロージング日とされ、買主GNSは対象会社WPCの100%親会社となりました。判決の認定によれば、この契約では、次の3つの金額が定められていました。

名目 金額と定め(判決本文による)
株式の売却価格(第1条) 8,000万円。売主SKT氏が買主GNSに対象会社WPCの株式100株を売却する
取締役報酬(第5条第2項) 総額1,000万円。売主SKT氏が令和元年11月末日まで取締役の地位にとどまり、事業の承継に係る買主GNSからの協力要請に従う限り、対象会社WPCが支給する
役員退職慰労金(第5条第3項) 4,000万円

判決は、この契約を、買主GNS及びその100%子会社となる対象会社WPCが、株式譲渡の対価として、売主SKT氏に対し、合計1億3,000万円を支払う契約であると認定しています。上の3つの金額の合計は1億3,000万円で、判決の認定額と一致します(当事務所の計算です)。また、株式の売却価格8,000万円と役員退職慰労金4,000万円の合計は1億2,000万円となり、買主GNSが当初希望した購入金額と同額ですが、判決本文は、この2つの金額の内訳の決め方については説明していません。

判決は、取締役報酬の1,000万円について、売主SKT氏の業務の引継ぎの期間を6か月とみて定められたものと認定しています。

株主総会で月額166万6,667円の取締役報酬を決議した

対象会社WPCは、令和元年5月17日、株主総会において、売主SKT氏に対し、同年6月10日支給分から、月額166万6,667円の取締役報酬を支払う旨を決議しました。判決は、これを、1,000万円を令和元年6月から11月までの6か月に分けて支払うこととしたもの(1,000万円÷6か月)と認定しています。

代表取締役を退き、買主側の提案で取締役も辞任した

売主SKT氏は、令和元年6月30日に代表取締役を辞任しましたが、その後も取締役の地位にとどまり、従業員らに対し、自身が行っていた業務の引継ぎを行っていました。

ところが、令和元年9月頃、売主SKT氏は、買主の副社長VPM氏から、対象会社の執行役員NMB氏が、売主SKT氏の株式譲渡を快く思っておらず、対象会社WPCを辞めようとしていること、そして、NMB氏に翻意してもらうため、売主SKT氏が取締役を辞任することを提案されました。売主SKT氏は、この提案を、100%親会社である買主GNSからの要請と受け止め、取締役を辞任することにしました。対象会社WPCは、同月9日、売主SKT氏が同年8月31日付けで取締役を辞任した旨の登記をしました。

判決は、この辞任の際の会社側の対応について、次のとおり認定しています。

「〔対象会社WPC〕は、〔売主SKT氏〕の取締役の辞任に際し、〔売主SKT氏〕に対し、取締役辞任以降の取締役報酬の支給の有無について何ら話をしなかった。」

辞任後も引継ぎを続け、取締役報酬の名目の支払を受けた

売主SKT氏は、辞任を提案された時点で、業務の引継ぎをある程度終えていましたが、従業員からもう少し残ってほしいとの要望があったため、それ以前より頻度は落ちたものの出社し、令和元年11月までに引継ぎを完了させました。

対象会社WPCは、辞任後である令和元年10月10日に116万6,412円を、同年11月8日に132万8,749円を、それぞれ同月支給分の取締役報酬として売主SKT氏に支払いました(いずれも非課税通勤手当の加算及び税金等の控除後の金額です)。判決本文では、この2回分を併せて「本件取締役報酬」と呼んでいます。対象会社WPCは、この支払の後、訴訟を提起するまで、売主SKT氏に返還を求めていませんでした。

会社が支払っていた売主個人の自動車の保険料

これとは別に、対象会社WPCは、損害保険会社INSとの間で、売主SKT氏の個人名義の普通乗用自動車について、保険期間を平成31年4月2日から令和2年4月2日までとする自動車保険契約を結んでおり、令和元年5月27日、その保険料として4万2,980円を支払っていました。

事案の経緯の時系列

日付 出来事(判決本文の前提事実及び認定事実による)
平成21年6月23日 税理士TKS氏が対象会社WPCの取締役に就任(令和元年5月7日まで)
平成23年9月28日 売主SKT氏が対象会社WPCの代表取締役に就任
平成25年2月1日 税理士TKS氏が対象会社WPCと顧問契約を締結
平成31年4月2日 売主SKT氏の個人名義の自動車について、対象会社WPCが契約した自動車保険の保険期間が始まる(令和2年4月2日まで)
(時期の記載なし) 売主SKT氏の父が病気で倒れ、売主SKT氏が株式の譲渡を決める。証券会社BRKに相談し、買主GNSが1億2,000万円での購入を希望。売主SKT氏の増額の申入れを受け、役員報酬名目で総額1,000万円が加えられる
令和元年5月7日 三者間で株式譲渡契約を締結(クロージング日)。買主GNSが対象会社WPCの100%親会社となる
令和元年5月17日 対象会社WPCの株主総会で、売主SKT氏に6月10日支給分から月額166万6,667円の取締役報酬を支払う旨を決議
令和元年5月27日 対象会社WPCが売主SKT氏の個人名義の自動車の保険料4万2,980円を支払う
令和元年6月30日 売主SKT氏が代表取締役を辞任(取締役にはとどまる)
令和元年8月31日 売主SKT氏が取締役を辞任した日として登記された日
令和元年9月頃 買主の副社長VPM氏が、売主SKT氏に取締役の辞任を提案
令和元年9月9日 8月31日付けの辞任の登記
令和元年10月10日 10月支給分の取締役報酬として116万6,412円を支払う
令和元年11月8日 11月支給分の取締役報酬として132万8,749円を支払う
令和元年11月まで 売主SKT氏が業務の引継ぎを完了
令和元年11月末日 株式譲渡契約第5条第2項で、売主SKT氏が取締役の地位にとどまるとされた期間の末日
令和2年 対象会社WPCが訴訟を提起(事件番号による)
令和4年5月24日 東京地方裁判所が、自動車保険料相当額の請求だけを認容し、その余を棄却する判決

判決本文では、辞任の提案を受けたのが「令和元年9月頃」、登記上の辞任の日が「同年8月31日」とされています。提案の時期と辞任の日付の前後関係について、判決本文はそれ以上の説明をしていません。

判断の前提となった契約条項

以下は、判決本文が、株式譲渡契約書に「以下の趣旨の規定がある」として記載した内容に基づくものです。契約書原本の条文をそのまま再現したものではありません。当事者の呼称は本記事の表記に置き換えています。

第1条―株式の譲渡

〔売主SKT氏〕は、令和元年5月7日又は〔買主GNS〕及び〔売主SKT氏〕が別途合意する日(以下「クロージング日」という。)に、本件株式を、本契約の条件に従い、〔買主GNS〕に対し、8000万円で売却し、〔買主GNS〕は、〔売主SKT氏〕から、本件株式を購入する。

判決本文は、記録によればクロージング日は令和元年5月7日であると認められるとしています。

第5条第1項―役員の処遇

〔買主GNS〕は、〔対象会社WPC〕をして、クロージング日以降に〔買主GNS〕を〔対象会社WPC〕の本件株式を保有する株主として臨時株主総会を開催させ、〔買主GNS〕が指名する者を〔対象会社WPC〕の役員に選任させる。

第5条第2項―取締役の地位にとどまる期間と役員報酬

〔売主SKT氏〕は、クロージング日から令和元年11月末日までの間、〔対象会社WPC〕の取締役の地位にとどまり、〔対象会社WPC〕の事業の承継にかかる〔買主GNS〕からの協力要請に従うものとする。また、本項に従い、〔売主SKT氏〕が〔買主GNS〕からの協力要請に従う限り、〔買主GNS〕、〔売主SKT氏〕及び〔対象会社WPC〕は、同日までの期間において、〔対象会社WPC〕が〔売主SKT氏〕に対して役員報酬を支給することに合意する。なお、当該期間に支給する月次役員報酬の額については別途協議するものとし、その総額は1000万円とする。

この条項は、「取締役の地位にとどまり」という文言と、「協力要請に従う限り」役員報酬を支給するという文言を含んでいます。この文言の読み方が、本件の中心的な争点となりました。

第5条第3項―役員退職慰労金

〔買主GNS〕、〔売主SKT氏〕及び〔対象会社WPC〕は、〔売主SKT氏〕に対する役員退職慰労金として、4000万円を支給する旨合意する。(以下省略)

「(以下省略)」は判決本文の記載のままです。役員退職慰労金の支給の時期や方法の定めは、判決本文からは分かりません。

第6条―資産、業務の引継

〔売主SKT氏〕は、〔対象会社WPC〕で使用されていた一切の印鑑、関係書類を、クロージング日に〔買主GNS〕に引き渡すものとする。

原告の請求と当事者の主な主張

対象会社WPCの請求

対象会社WPCは、売主SKT氏と税理士TKS氏に対し、次の請求をしました。

請求 内容(判決本文の「請求」及び「事案の概要」による)
取締役報酬名目の金員の返還(売主SKT氏に対し) 主位的に不当利得返還請求、予備的に債務不履行に基づく損害賠償請求として、249万5,161円(116万6,412円と132万8,749円の合計)及び各支払日の翌日からの遅延損害金
自動車保険料相当額(売主SKT氏に対し) 不当利得返還請求として、4万2,980円及び令和元年5月28日からの遅延損害金
設計図書及び会計帳簿の引渡し(売主SKT氏に対し) 株式譲渡契約又は所有権に基づき、別紙物件目録記載の設計図書及び会計帳簿の引渡し
会計帳簿の引渡し(税理士TKS氏に対し) 顧問契約の終了又は所有権に基づき、会計帳簿の引渡し

売主SKT氏に対する金銭の請求額は合計253万8,141円です。遅延損害金の割合は、平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分とされています。

取締役報酬名目の金員についての対象会社WPCの主張

対象会社WPCは、株式譲渡契約第5条第2項によれば、令和元年11月末日まで取締役にとどまること、及び買主GNSからの協力要請に従うことが、取締役報酬の支払の条件となっていると主張しました。そして、売主SKT氏は、従業員とのトラブルが原因で辞任を促され、納得のうえで8月31日に辞任し、それ以降は取締役としての業務を行っていないから、9月及び10月の業務に対して支払われた本件取締役報酬を受領する法律上の原因はないと主張しました。

予備的には、取締役報酬は買主GNSからの協力要請に従って業務を遂行することの対価であり、業務の委任契約ないし業務委託契約の報酬であるところ、売主SKT氏は辞任後に業務を行っていないから債務不履行があると主張しました。

売主SKT氏の主張

売主SKT氏は、本件取締役報酬は、実質的には株式譲渡の対価であると主張しました。その中で、株式譲渡契約の締結前に対象会社WPCの企業価値は2億円と評価されたが、買主GNSは1億2,000万円を希望したこと、値上げを要求した結果、1,000万円が追加されることになり、その支払方法を検討した結果、業務への協力が必要であることなどから、11月末日を限度として、協力要請に従って業務に協力する対価として、取締役報酬の名目で支払うことになったと述べています。企業価値を2億円とする評価は売主SKT氏の主張であり、判決はこの評価額を認定していません。

売主SKT氏は、さらに、11月末日まで取締役でいなければならないことや、月額が166万6,667円であること、それまでに退任した場合に総額1,000万円が減額されることは、株式譲渡契約に規定されていないと主張しました。辞任については、引継ぎが十分に行われて取締役にとどまる必要がなくなったこと、売主と折り合いの悪かった従業員にとどまってもらうためなどの理由で、会社側から辞任を求められて応じたものであり、会社は辞任後も本件取締役報酬を支払ったと主張しました。

自動車保険料と文書の引渡しについての主張

自動車保険料について、対象会社WPCは、法人名義で契約した保険が売主個人の所有する自動車を対象とすべきものではないと主張しました。売主SKT氏は、自動車を自らの交通手段として利用しており、11月末日までは取締役として活動することが予定されていたから会社が保険料を支払うことが合理的である、会社は保険契約を解約できたと反論しました。

設計図書及び会計帳簿については、対象会社WPCが、売主SKT氏が社内から持ち出して返還していない、会計帳簿についてはデータの引渡しを受けただけで文書そのものは受けていないと主張し、税理士TKS氏についても、顧問契約の終了後も一部のデータを引き渡しただけであると主張しました。売主SKT氏と税理士TKS氏は、いずれも、所持していたものはすべて引き渡したと主張しました。

結論を左右した争点

判決は、争点を4つに整理しました。そのうち、株式譲渡の対価の定め方という観点から重要なのは、次の点です。

  1. 株式譲渡契約で取締役報酬とされた総額1,000万円は、取締役の地位にあることを支払の条件とする報酬なのか、それとも株式譲渡の対価としての性質を持つものなのか。
  2. 売主SKT氏が業務の引継ぎについて契約上の義務を果たしたといえるか(設計図書及び会計帳簿の引渡しを含みます)。

このほか、会社が支払った売主個人の自動車の保険料について、売主が返還すべきかが独立の争点となりました。

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

裁判所が認定した重要な事実と判断の枠組み

交渉の経過から、1,000万円の位置付けを認定した

判決は、株式譲渡契約書の条項の文言だけでなく、契約締結に至る交渉の経過を認定しています。その中心は、買主GNSの1億2,000万円の購入希望に対し、売主SKT氏が増額を申し入れた結果、1億2,000万円とは別に役員報酬名目で総額1,000万円が支払われることになったという事実です。判決は、この認定の根拠として、契約書のほか、書証と売主SKT氏の本人尋問の結果を挙げています。

1,000万円の性質についての判断

判決は、認定事実から、株式譲渡契約は、買主GNS及び対象会社WPCが株式譲渡の対価として合計1億3,000万円を支払う契約であること、そのうち1,000万円は、売主SKT氏が業務の引継ぎを行うことを条件として取締役報酬として支払われるものとされたこと、引継ぎの期間が6か月と見込まれたため、1,000万円は6か月分に分けて支払われることになったことを認めました。そのうえで、次のとおり判断しました。

「これらの事実を総合考慮すれば、上記1000万円は、名目は取締役報酬であるものの、実質的には、本件株式の譲渡及び〔売主SKT氏〕の〔対象会社WPC〕に対する業務の引継ぎの対価の性質を有するものであり、その支払を受けるためには、必ずしも〔売主SKT氏〕が取締役の地位にある必要はないと解するのが相当である。」

つまり、判決は、支払の名目ではなく、その金額が契約全体の中でどのような対価として約束されたかという実質から、支払を受けるための条件を判断する枠組みをとっています。そして、その条件を、取締役の地位にあることではなく、業務の引継ぎを行うことと捉えました。

業務の引継ぎは完了していた

対象会社WPCは、設計図書及び会計帳簿が引き渡されていないから引継ぎは完了していないと主張しました。これに対し、判決は、売主SKT氏が、設計図書及び会計帳簿を持ち出したことはなく、手元にもない、設計図書については現在使用する必要も全くないなどと供述していることについて、売主SKT氏が対象会社WPCとは異なる業務を営む父の会社を引き継いだという事実にも沿うものであり、信用することができるとしました。また、全証拠をみても、売主SKT氏が契約当時に設計図書及び会計帳簿を所持しており、これを引き渡さなかった事実はうかがわれないとして、売主SKT氏が令和元年11月までに業務の引継ぎを終えたと認定しました。

各主張を採用し又は排斥した理由

取締役報酬名目の金員の返還請求―法律上の原因があり、債務不履行もない

判決は、売主SKT氏が令和元年11月までに業務の引継ぎを終えたこと、本件取締役報酬は1,000万円の一部として支払われたものであることから、次のとおり判断しました。

「〔対象会社WPC〕は、〔売主SKT氏〕に対し、本件株式譲渡契約に基づき、本件取締役報酬を支払ったものというべきである。」

そして、結論として、次のとおり述べています。

「〔売主SKT氏〕が本件取締役報酬を受領したことについて法律上の原因がないとはいえず、〔売主SKT氏〕には本件株式譲渡契約に定める業務の引継ぎについて債務不履行があったとも認められない。」

こうして、主位的な不当利得返還請求も、予備的な債務不履行に基づく損害賠償請求も棄却されました。判決は、取締役を辞任した後の支払について、株式譲渡契約という別の法律上の原因に基づく支払であると位置付けたことになります。

なお、判決が認定した事実の中には、辞任が買主の副社長VPM氏の提案によるもので、売主SKT氏がこれを親会社からの要請と受け止めたこと、辞任の際に会社が辞任後の報酬の支給について何も話さなかったこと、会社が支払後、訴訟の提起まで返還を求めていなかったことが含まれています。判決の「判断」の部分は、これらの事実を個別に理由として挙げてはいませんが、前記の認定事実を前提として判断しています。

自動車保険料相当額の請求―売主の不当利得と認めた

判決は、対象会社WPCが、売主SKT氏の個人名義の自動車について保険契約を結び、保険料4万2,980円を支払ったこと、これらが売主SKT氏の代表取締役在任中に行われたことを認め、次のとおり判断しました。

「〔売主SKT氏〕は、上記保険料相当額である4万2980円について、法律上の原因なく、悪意で不当利得したものと認められる。」

売主SKT氏の、自動車を交通手段として利用し業務を行っていたとの主張については、次のとおり退けました。

「仮に、〔売主SKT氏〕が、本件自動車を用いて〔対象会社WPC〕に通勤していたとしても、そのことから直ちにその保険料まで〔対象会社WPC〕が負担すべきであるとはいえない。」

会社が保険契約を解約できたのに怠っていたとの主張についても、そうであっても、売主SKT氏が保険料相当額を不当利得したことは変わらないとしました。

設計図書及び会計帳簿の引渡請求―引渡し済みで、所持も認められない

売主SKT氏に対する文書の引渡請求について、判決は、前記の認定判断のとおり、売主SKT氏は株式譲渡契約に基づき設計図書及び会計帳簿を引き渡したと認められ、全証拠をみても、現在これらを所持しているとは認められないとして、棄却しました。

税理士TKS氏に対する会計帳簿の引渡請求についても、判決は、税理士TKS氏が顧問契約を終了した後、所持していた会計帳簿を対象会社WPCに引き渡したと認められ、現在所持しているとは認められないとして、棄却しました。なお、判決本文の前提事実では、税理士TKS氏が顧問税理士を務めていたのは「令和元年12月頃まで」とされている一方、この判断の部分では「令和元年5月7日に〔対象会社WPC〕との顧問契約を終了した後」と記載されています。判決本文の記載のままご紹介します。

主文及び結論

判決の主文は、次のとおりです(ここでの「原告」は対象会社WPCを指します。売主を指す被告の表示は〔売主SKT氏〕に置き換えています)。

  1. 「〔売主SKT氏〕は、原告に対し、4万2980円及びこれに対する令和元年5月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」
  2. 「原告のその余の請求をいずれも棄却する。」
  3. 「訴訟費用は原告の負担とする。」
  4. 「この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。」

対象会社WPCが売主SKT氏に求めた253万8,141円のうち、認められたのは自動車保険料相当額の4万2,980円だけでした。判決は、売主SKT氏の敗訴部分が請求に比して僅少であることから、訴訟費用は全部対象会社WPCの負担としています。

請求 結論
取締役報酬名目の金員249万5,161円の返還又は損害賠償 棄却(株式譲渡契約に基づく支払であり、法律上の原因がある。引継ぎについて債務不履行もない)
自動車保険料相当額4万2,980円 認容(法律上の原因のない、悪意の不当利得)
売主SKT氏に対する設計図書及び会計帳簿の引渡し 棄却(引渡し済みで、所持も認められない)
税理士TKS氏に対する会計帳簿の引渡し 棄却(引渡し済みで、所持も認められない)

判断の射程―参考となる点と一般化できない点

以下は、判決の内容を踏まえた当事務所の評価です。裁判所が示した判断そのものとは区別してお読みください。

参考となる点

第1に、株式譲渡契約で「取締役報酬」「役員報酬」の名目とした金員について、名目ではなく実質から性質を判断し、株式の譲渡及び業務の引継ぎの対価であると認めた例であることです。本件では、契約書の文言には「取締役の地位にとどまり」とあり、会社はこれを支払の条件と主張しましたが、判決は、交渉の経過から、1,000万円が値上げの結果として加えられた譲渡対価の一部であることを認定し、取締役の地位にあることは必ずしも必要でないとしました。

第2に、その判断に当たって、契約締結前の交渉の経過が重視されたことです。買主の当初の希望額、売主の増額の申入れ、その結果として役員報酬の名目で1,000万円が加えられたこと、引継ぎの期間を6か月とみて月割りにしたことが認定され、これが1,000万円の性質を判断する基礎となりました。名目と実質が異なる取決めをした場合、その実質を示す交渉の記録が、後の紛争で売主を守る材料になり得ることを示しています。

第3に、支払の条件が業務の引継ぎと捉えられたため、売主が辞任後も出社して令和元年11月までに引継ぎを完了させていたことが、債務不履行の主張を退ける理由になったことです。

第4に、売主の在任中に会社が負担していた個人的な費用は、金額が小さくても、株式の譲渡後に新しい経営陣から返還を求められ得ることです。本件では、自動車の保険料について悪意の不当利得と判断されました。

一般化できない点

本判決は、本件の交渉の経過、契約書の文言、辞任に至る経緯、引継ぎの状況といった具体的な事実に基づく判断です。取締役報酬の名目の金員が常に譲渡対価と評価されるわけではなく、交渉の経過を示す証拠がない場合や、売主が引継ぎを行わなかった場合、売主が自らの都合で辞任した場合には、結論が異なり得ます。

また、本件で会社が返還を求めたのは辞任後の2回分の支払であり、総額1,000万円のうち支払われていない部分の請求を売主が求めた事案ではありません。判決は、支払を受けるために取締役の地位にある必要はないと述べていますが、支払が止められた場合に売主が残額を請求できるかについて、直接判断したものではありません。

役員退職慰労金4,000万円については、本件では争点となっておらず、判決はその性質や支払の状況について判断を示していません。取締役の報酬を株主総会で決議した経過は認定されていますが、報酬の決定手続の適否や、名目を分けたことによる税務上の取扱いについても、判決は何も述べていません。

上訴の有無及び確定は確認できていないため、その点にも留意が必要です。

株式譲渡代金の残代金が支払われない場合の回収は、次のページでご案内しています。

売主の立場からみた、譲渡対価を役員報酬や退職慰労金の名目に分けるときの注意点

以下は、本判決を踏まえた当事務所の着眼点です。本判決が特定の条項例の有効性を判断したものではありません。

名目を分けた理由と、総額が譲渡対価であることを記録に残す

本件では、株式の売却価格8,000万円、取締役報酬総額1,000万円、役員退職慰労金4,000万円が別々の条項で定められ、取締役報酬は会社が売主に支払う形とされていました。判決が1,000万円を譲渡対価の一部と認めることができたのは、買主の当初の希望額と、売主の増額の申入れの結果として加えられたという交渉の経過が証拠から認定できたからです。売主としては、名目を分ける場合でも、各金額が譲渡対価全体の一部として合意されたことを、契約書の前文や条項、交渉の書面で分かるようにしておくことが考えられます。

役員報酬の支払条件と、辞任した場合の扱いを明確に定める

本件の契約書は、「取締役の地位にとどまり」と「協力要請に従う限り」役員報酬を支給するという文言を組み合わせており、月額や途中で辞任した場合の扱いは定めていませんでした。そのため、会社は取締役の地位を支払の条件と主張し、訴訟になりました。売主としては、支払の条件が業務の引継ぎへの協力であること、買主側の要請により辞任した場合や、取締役を退いた後も引継ぎに協力している場合に、残額の支払がどうなるかを明記しておくことが考えられます。

買主側の求めで辞任するときは、残りの支払の扱いを確認する

本件では、辞任は買主の副社長からの提案によるもので、辞任の際に会社は辞任後の報酬について何も話していませんでした。結果として売主の受領は認められましたが、この点が書面で確認されていれば、紛争そのものを避けられた可能性があります。約束の期間の途中で辞任を求められた場合には、辞任に応じる前に、残りの役員報酬や役員退職慰労金の支払がどうなるかを書面で確認しておくことが重要です。

引継ぎの内容と完了を記録に残す

本件では、会社が、設計図書や会計帳簿の未引渡しを理由に引継ぎの未了を主張しました。判決は売主の供述を信用しましたが、引き渡した書類や印鑑、データの一覧と受領の記録があれば、より確実に反論できます。役員報酬の名目の支払が引継ぎへの協力と結び付けられている場合には、引継ぎの内容と完了の時期を、メールや受領書などで残しておくことが考えられます。

会社が負担している個人的な費用を、譲渡前に整理する

本件では、会社が売主個人の自動車の保険料を負担していた分について、返還が命じられました。オーナー経営者の時代に会社が負担していた個人的な費用は、株式の譲渡後、新しい経営陣から返還を求められることがあります。譲渡前に、会社名義の契約で個人の財産を対象とするものや、会社が負担している個人の費用を洗い出し、契約の名義の変更や精算の方法を株式譲渡契約で定めておくことが考えられます。

役員退職慰労金の支払の時期と方法も定めておく

本件では役員退職慰労金4,000万円は争点となっていませんが、判決本文が引用する条項は「(以下省略)」とされており、支払の時期や方法の定めは分かりません。役員退職慰労金や役員報酬は、株式の売却代金と異なり、譲渡後に買主の支配下に入った会社が支払うものです。支払の時期、方法、会社内部の手続(株主総会の決議等)を誰の責任で行うかを、株式譲渡契約で具体的に定めておくことが、売主にとって重要になります。名目を分けることによる税務上の取扱いについては、本判決は触れておらず、別途、税理士等の専門家と確認する必要があります。

よくあるご質問

株式譲渡契約で約束された役員報酬を、取締役を辞任した後も受け取ってよいのですか。

契約の内容と、その役員報酬がどのような趣旨で約束されたかによります。本判決では、役員報酬の名目の1,000万円が、値上げ交渉の結果として加えられた株式の譲渡及び業務の引継ぎの対価と認定され、支払を受けるために必ずしも取締役の地位にある必要はないとされました。売主は辞任後も引継ぎを続けて完了させており、辞任後に受け取った分の返還請求は棄却されました。

契約書に「取締役の地位にとどまり」と書いてあっても、譲渡対価と認められるのですか。

本件の契約書には、売主が令和元年11月末日まで取締役の地位にとどまり、協力要請に従う限り役員報酬を支給するとの趣旨の定めがありました。それでも判決は、交渉の経過などを総合考慮して、名目は取締役報酬であっても実質は譲渡及び引継ぎの対価であると判断しました。もっとも、これは本件の証拠に基づく判断であり、契約書の文言どおりに解釈される事案もあり得ます。

買主側から取締役の辞任を求められたら、どうすればよいですか。

本件では、辞任の際に会社が辞任後の報酬について何も話さず、後に返還を求めて訴訟になりました。辞任に応じる前に、株式譲渡契約で約束された役員報酬や役員退職慰労金の残りの支払がどうなるか、引継ぎへの協力をどの範囲で続けるかを、書面で確認しておくことをお勧めします。

在任中に会社が負担していた費用を、譲渡後に返還するよう求められることはありますか。

あります。本判決では、会社が売主個人の自動車の保険料を支払っていた分について、通勤に用いていたとしても会社が負担すべきとはいえないとして、4万2,980円の返還が命じられました。譲渡前に、会社が負担している個人的な費用を整理しておくことが大切です。

譲渡の際に買主と交わした約束が守られない場合の売主側の対応は、次のページでご案内しています。

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株式譲渡契約で、譲渡代金のほかに役員報酬や役員退職慰労金の名目で支払を受ける約束をした売主が、譲渡後に支払を止められたり、受け取った金員の返還を求められたりした場合は、契約書の条項、交渉の経過を示す書面、辞任や引継ぎに関するやり取りを整理して検討します。会社を売った後に生じる問題全般については会社を売った後のM&Aトラブルで、株式譲渡代金が支払われない場合の対応は株式譲渡代金の未払いに関する御相談で御案内しています。M&Aをめぐる紛争の御相談窓口はM&Aトラブルの相談窓口です。

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この記事の位置付け

会社の全株式を譲渡した売主である旧経営者に向けて、譲渡対価の一部を取締役報酬の名目で受け取る約束をした場面の判例を、辞任後の受領が許されるかという観点から解説します。

会社を売った後に買主側との間で生じる問題全般は、会社を売った後のM&Aトラブルのページで御案内しています。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、2024年(令和6年)10月には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ました。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めています。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継及び企業法務

所在地 〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 森トラスト城山トラストタワー17階/電話番号 03-6435-8418/受付時間 8:00-21:00(土日祝含む)

本記事の記載は一般的な法律情報であり、個別の事案に関する法律上の助言ではありません。記載した経歴は事実の記述であり、個別の事件の結果を保証するものではありません。

著書

非上場会社における少数株主対策の手法と実務
『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』(日本法令)
中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策
『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社)
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