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法律事務所の事業承継における事務長の説明義務と相続人の不当利得―東京地方裁判所令和7年1月30日判決

公開 2025年1月30日更新 2026年10月30日

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経営者が亡くなった事業を、親族ではない第三者が相続人との合意によって引き継いだところ、引継ぎの直後に、聞いていなかった大量の未処理案件と、顧客から前払で受け取っていた資金の不足が判明した。この場合、承継者は、事情を知っていた現場の責任者に説明義務違反の責任を問い、又は相続人に不足分を請求できるのでしょうか。東京地方裁判所令和7年1月30日判決は、代表弁護士の死亡により法律事務所の事業を弁護士法人が承継した事案で、事務長らに対する損害賠償請求と、相続人らに対する不当利得返還請求をいずれも棄却しました。

本判決は、顧客の積立金が全額保管されているべきであったという承継者の主張の前提自体を否定したうえで、承継者が自ら尋ねれば容易に知り得た事項について、尋ねられてもいない相手方に信義則上の説明義務を認めることはできないと判断しました。相続人らとの関係でも、合意書の清算条項等の意味を理解したうえで署名した以上、不足分の請求はできないとしています。事業承継やM&Aで事業を引き継ぐ側にとって、承継前の確認と合意書の条項の重みを示す判決です。

Contents
  1. 裁判例の基本情報
  2. 当事者の表記
  3. 事案の概要―代表弁護士の死亡から1か月余りで事業承継の合意が成立した
    1. 完全成功報酬制で、報酬を前払で積み立てさせていた法律事務所
    2. 代表弁護士の入院と、復代理人としての関与
    3. 代表弁護士の死亡と、弁護士法人の設立
    4. 凍結された口座の引渡しをめぐるやり取りと、合意の成立
    5. 業務開始の当日に、約500件の未処理案件が判明した
  4. 事案の経緯の時系列
  5. 判断の前提となった合意及び委任契約の内容
    1. 依頼者との委任契約―完全成功報酬制と報酬の前払積立
    2. 本件合意2条―口座の預金の原資の確認
    3. 本件合意3条・4条―事件の承継と事後処理
    4. 本件合意5条―事務所の運営と経費・債務の承継
    5. 本件合意6条―相続人らからWNPへの支払
    6. 本件合意7条―WNPの責任負担と追加請求の禁止
    7. 本件合意8条・12条―通帳等の返還と清算条項
  6. 原告の請求と当事者の主な主張
    1. 弁護士法人WNPの請求
    2. 事務長JMC氏らに対する請求をめぐる主張
    3. 相続人らに対する請求をめぐる主張
  7. 結論を左右した争点
  8. 裁判所が認定した重要な事実と判断の枠組み
    1. 裁判所が認定した重要な事実
    2. 判断の枠組み―説明義務の前提となる事実と、承継者自身の確認の容易さ
  9. 各主張を採用し又は排斥した理由
    1. 積立金の状況―全額が保管されているべきだったという前提自体が認められない
    2. 合意書の「預り金」の文言や「預かり金」との説明―判断を左右しない
    3. 確定申告書等の記載―税務上の問題の認識は認められない
    4. 承継者が自ら尋ねれば容易に知ることができた
    5. 法律専門家として、承継に伴う責任とリスクを理解していた
    6. 事務長の立場や承継のきっかけを考慮しても、説明義務はない
    7. 相続人らに対する不当利得返還請求―損失がなく、法律上の原因もある
    8. 合意書の7条・12条―法律専門家として効果を理解し、修正の機会もあった
  10. 主文及び結論
  11. 判断の射程―参考となる点と一般化できない点
    1. 参考となる点
    2. 一般化できない点
  12. よくあるご質問
    1. 事業を引き継いだ後に、聞いていなかった未処理案件や資金の不足が判明した場合、事情を知っていた従業員に責任を問えますか。
    2. 顧客から前払で受け取っていた資金は、承継の時点で全額残っているべきものですか。
    3. 合意書に清算条項がある場合、後から判明した不足分を相手方に請求できますか。
    4. 事業の承継やM&Aの前に、引き継ぐ側は何を確認すべきですか。
  13. 関連する記事と御相談のご案内

裁判例の基本情報

裁判所 東京地方裁判所民事第17部
裁判日 令和7年1月30日
事件番号 令和4年(ワ)第28982号
裁判の形式 判決
審級 第一審
結論 承継者である弁護士法人(原告)の請求をいずれも棄却。訴訟費用は原告の負担
上訴の状況 上訴の有無及び確定は確認できていません

この表は、判決本文の冒頭及び末尾の記載に基づいて当事務所が作成したものです。

当事者の表記

判決に出てくる会社名・氏名は、本記事独自のイニシャルに置き換えています。判決が用いた符号も、そのままでは使わず、次の表記に置き換えています。判決本文を引用する部分でも同じ表記に置き換え、置き換えた箇所を〔 〕で示しています。判決が「旧事務所」と呼ぶ法律事務所は、本記事でも「旧事務所」と表記します。

本記事の表記 立場
承継者である弁護士法人WNP 原告。旧事務所の事業を承継するために設立された弁護士法人です。訴訟の係属中に解散し、清算人が代表しています
WNPの社員であるRKT弁護士 WNPの唯一の社員(訴訟では清算人として代表者)。代表弁護士の入院後、旧事務所の債務整理案件の事務処理を行っていました
旧事務所の代表弁護士であった故HDK弁護士 債務整理事件を中心に扱っていた旧事務所の唯一の所属弁護士。令和4年5月12日に死亡しました
事務長JMC氏 被告。旧事務所の事務長として長年勤務していました
事務員KYK氏 被告。事務長JMC氏の妻で、旧事務所の事務員として勤務していました
相続人である妻SZN氏 被告。HDK弁護士の妻(法定相続分2分の1)
相続人である子MNT氏 被告。HDK弁護士の子(法定相続分4分の1)
相続人である子PLR氏 被告。HDK弁護士の子(法定相続分4分の1)
旧事務所の創業者であった故EFG弁護士 事務長JMC氏の父。旧事務所を開業し、後にHDK弁護士と共同で経営しました
顧問税理士GTX氏、その補助者HVS氏 旧事務所の税務の顧問として確定申告等を担当した税理士と、その業務を補助していた息子
相続人側の代理人であったDLW弁護士 相続人3名の代理人として、合意書の案を送付した弁護士
第1口座(大手銀行KBQ)・第2口座(大手銀行TWL) HDK弁護士名義の2つの普通預金口座。積立金と事務所資金が集約されていました

以下、相続人である妻SZN氏、子MNT氏及び子PLR氏の3名を「相続人ら」、事務長JMC氏と事務員KYK氏の2名を「JMC氏ら」ということがあります。

事案の概要―代表弁護士の死亡から1か月余りで事業承継の合意が成立した

完全成功報酬制で、報酬を前払で積み立てさせていた法律事務所

旧事務所は、昭和43年に故EFG弁護士が開業した法律事務所で、平成17年頃から債務整理を中心に業務を行うようになりました。事務長JMC氏は同じ頃に事務員として入所し、平成21年7月には事務員KYK氏も入所しています。平成22年頃からHDK弁護士がEFG弁護士と共同で経営するようになり、平成24年3月21日にEFG弁護士が死亡した後は、HDK弁護士が旧事務所の唯一の所属弁護士となりました。

旧事務所では、平成24年頃から、弁護士報酬を着手金なしの完全成功報酬制とし、その成功報酬を依頼者に前払で積み立てさせる内容の委任契約が締結されていました。成功報酬は、任意整理であれば債権者との和解の成立等、個人再生であれば再生計画の認可、自己破産であれば免責許可決定によって発生し、これらの事由が発生しなかった場合には、積み立てられた報酬相当額を依頼者に返金するという定めでした。

依頼者が積み立てた金銭(判決は「本件積立金」と呼んでいます)は、すべてHDK弁護士名義の第1口座及び第2口座に入金され、売上げ等の事務所資金と特に区別されることなく集約されていました。旧事務所の運営に必要な経費等は、すべてこれらの口座から支出されていました。

代表弁護士の入院と、復代理人としての関与

令和3年10月頃、HDK弁護士が骨折で入院しました。RKT弁護士は、事務長JMC氏の依頼を受けて、その頃からHDK弁護士の復代理人として旧事務所の債務整理案件の事務処理を行うようになりました。その際、RKT弁護士は、着手金なしの完全成功報酬制では事務所の経費が賄えないのではないかと事務長JMC氏に質問し、事務長JMC氏は、そのような形をとることで顧客が依頼しやすくなるようにしているなどと説明しています。RKT弁護士は、令和4年3月10日に旧事務所を登録事務所とし、その所属弁護士となりました。

代表弁護士の死亡と、弁護士法人の設立

令和4年5月12日、HDK弁護士が死亡しました。事務長JMC氏は同日、RKT弁護士と旧事務所の事業承継について話し合い、事業を引き継いでくれる弁護士を探したいと述べました。RKT弁護士は、当面は自分が業務を行いながら、他の弁護士に引継ぎを打診すると答えました。事務長JMC氏は、旧事務所には毎年6,000万円ないし8,000万円の売上げがあるが消費税等の負担が重いとして、弁護士法人の設立を提案し、RKT弁護士は翌日、弁護士法人を設立する旨を伝えました。RKT弁護士は、令和4年6月6日に弁護士法人WNPを設立しています。

凍結された口座の引渡しをめぐるやり取りと、合意の成立

相続人らが銀行にHDK弁護士の死亡を報告したことから、第1口座は凍結されました。RKT弁護士と事務長JMC氏は、相続人側の代理人であったDLW弁護士に対し、第1口座の預金は旧事務所の資金で経費の支払に必要であるなどと説明して引渡しを求めましたが、DLW弁護士は預金の性質が不明であるとして、しばらく引渡しを拒みました。

令和4年6月22日、事務長JMC氏は、DLW弁護士に対し、預金が旧事務所の依頼者からの「預かり金」であることを説明したこと、翌日DLW弁護士から顧客と口座の引継ぎのための取り交わしの件で連絡があると思われることを記載したメッセージをRKT弁護士に送り、RKT弁護士は翌日、了解した旨を返信しました。DLW弁護士は同月23日に合意書の案を旧事務所にファクシミリで送信し、RKT弁護士は、同月24日午前9時にDLW弁護士と対面して内容を確認し、8条の「直ちに」を「速やかに」と修正するよう申し入れたうえで、署名押印しました。この合意を、判決は「本件合意」と呼んでいます。

業務開始の当日に、約500件の未処理案件が判明した

弁護士法人WNPは令和4年7月4日に業務を開始しました。JMC氏らがいずれもWNPの事務員として勤務しないことになったため、RKT弁護士は、処理未了案件の件数を知りたいと考え、事務長JMC氏に質問したり、他の事務員に事務所のロッカーにある記録の数を数えさせたりしました。その結果、同日中に、事務所に記録が保管されていた案件が約372件、JMC氏らの自宅に記録が保管されていた案件が約100件の、合計約500件があることを認識しました。

本件合意の当時の2つの口座の残高は、第1口座が1,369万4,833円(令和4年6月22日時点)、第2口座が103万976円(同月23日時点)の合計1,472万5,809円でした。弁護士法人WNPは、本来は少なくとも1億6,000万円の積立金が保管されているべきであったのに、その大半が費消されていたと主張して、本件の訴えを提起しました。

事案の経緯の時系列

日付 出来事(判決本文の前提事実及び認定事実による)
昭和43年 故EFG弁護士が旧事務所を開業
平成17年頃 旧事務所が移転し、債務整理を中心に業務を行うようになる。事務長JMC氏が事務員として入所。顧問税理士GTX氏が税務顧問となる
平成21年7月 事務員KYK氏が入所
平成22年頃 EFG弁護士とHDK弁護士が旧事務所を共同で経営し始める
平成24年3月21日 EFG弁護士が死亡し、HDK弁護士が唯一の所属弁護士となる
平成24年頃以降 着手金なしの完全成功報酬制・報酬前払積立の委任契約。積立金は事務所資金と区別されずに2つの口座に集約され、経費もそこから支出
令和3年10月頃 HDK弁護士が骨折で入院。RKT弁護士が復代理人として事務処理を開始し、報酬形態について事務長JMC氏に質問
令和4年3月10日 RKT弁護士が旧事務所の所属弁護士となる
令和4年5月12日 HDK弁護士が死亡。事務長JMC氏とRKT弁護士が事業承継について話し合い、弁護士法人の設立が提案される
令和4年5月ないし6月頃 第1口座が凍結され、RKT弁護士と事務長JMC氏がDLW弁護士に引渡しを求める
令和4年6月6日 弁護士法人WNPが設立される
令和4年6月11日頃 RKT弁護士が、住居の入居審査のためとして、HDK弁護士の確定申告書の送付を依頼
令和4年6月14日 事務長JMC氏が、HDK弁護士の令和2年分・令和3年分の確定申告書等を電子メールで送付
令和4年6月22日 事務長JMC氏がDLW弁護士と面談し、RKT弁護士に「預かり金」と説明した旨のメッセージを送信
令和4年6月23日 RKT弁護士が了解の返信。DLW弁護士が合意書の案を送信
令和4年6月24日 RKT弁護士が合意書の文言の修正を申し入れたうえで署名押印(本件合意)
令和4年7月4日 弁護士法人WNPが業務を開始。同日中に処理未了案件約500件を認識
令和5年11月29日 弁護士法人WNPが総社員の同意により解散
令和7年1月30日 東京地方裁判所が請求をいずれも棄却する判決

事務長JMC氏らに対する請求の遅延損害金の起算日は訴状送達の日の翌日である令和4年11月24日、相続人らに対する請求の遅延損害金の起算日は訴え変更申立書送達の日の翌日である令和5年4月5日とされています。

判断の前提となった合意及び委任契約の内容

以下は、判決本文が「要旨」として整理した記載に基づくものです。合意書や委任契約書の条文をそのまま再現したものではありません。当事者の呼称は本記事の表記に置き換えています。

依頼者との委任契約―完全成功報酬制と報酬の前払積立

着手金は0円とする。

成功報酬は、任意整理については個々の債権者との間で和解が成立したとき(訴訟による場合は訴訟上の和解が成立したとき又は判決が確定したとき)、個人再生事件については再生計画が認可されたとき、自己破産申立事件については免責許可決定が出されたときに発生する。

依頼者は、成功報酬を、HDK弁護士名義の口座に、一括払又は分割払の前払にて積み立てる。成功報酬の発生事由が発生しなかった場合は、HDK弁護士は、依頼者に対し、積み立てられた報酬相当額を返金する。

判決本文は、成功報酬の発生事由が発生する前に、積立金を旧事務所の経費等に費消することが許容されるか否かについて、当事者間に争いがあると整理しています。この点が、本件の結論を左右しました。

本件合意2条―口座の預金の原資の確認

相続人らとWNPは、HDK弁護士名義の第1口座及び第2口座に入金されている預金について、積立金等が主な原資であることを確認する。

本件合意3条・4条―事件の承継と事後処理

WNPは、旧事務所においてHDK弁護士が受任し、継続処理が必要な事件のうち、合意書作成時点で既に他の弁護士が引き継いだものを除く一切の事件を承継するようにし、HDK弁護士の生前の受任内容等を考慮して誠実に処理するものとする(3条)。

WNPは、承継対象事件のうち、依頼者との関係等から承継できなかったものについては、他の弁護士を斡旋・紹介し、又は預かっていた書類の返却や返金処理を行う等、WNPの責任において依頼者に不利益が生じないよう、適切適法に事後処理を行うものとする(4条)。

本件合意5条―事務所の運営と経費・債務の承継

WNPは、旧事務所の運営(賃借権、設備のリース契約上の地位、備品等)を承継するものとする。また、WNPは、承継にあたり、HDK弁護士の死亡時においてHDK弁護士が負担すべき未払の給料等の経費、HDK弁護士死亡後から名義変更等の承継に必要な手続が終わるまでの費用、及びHDK弁護士の準確定申告における消費税課税に関する債務も承継し、負担するものとする。

本件合意6条―相続人らからWNPへの支払

相続人らは、WNPに対し、WNPが事件処理や事後処理等を行うため、第1口座の令和4年6月22日時点の預金相当額である1,369万4,833円を同年7月15日までに、HDK弁護士の死亡届提出による口座凍結時点の第2口座の残高相当額を同年9月30日までに、それぞれ支払う。

本件合意7条―WNPの責任負担と追加請求の禁止

WNPは、事件処理、事後処理及び経費・債務の履行について一切の責任を負担し、これに関し第三者等との間でトラブル等が生じた場合であっても、全てWNPの責任と費用をもって解決に当たり、相続人らに追加の請求はせず、相続人らは一切責任を負わない。

本件合意8条・12条―通帳等の返還と清算条項

WNPは、現在保管している第1口座及び第2口座その他HDK弁護士名義の全ての口座の通帳、届出印、キャッシュカードを速やかに相続人らに返還する(8条)。

相続人らとWNPは、相互に、合意書に定めるほかは一切の債権債務がないことを確認する(12条)。

本件合意は、相続人らが口座の預金相当額をWNPに支払う一方で、WNPが事件の処理、依頼者への返金を含む事後処理及び経費・債務の履行について一切の責任を負い、相続人らには追加の請求をしないという内容でした。判決本文が要旨として掲げる条項の中には、承継対象の事件数や積立金の残高について相続人らが表明し保証する趣旨の条項は見当たりません。

原告の請求と当事者の主な主張

弁護士法人WNPの請求

相手方 請求の根拠 請求額
事務長JMC氏及び事務員KYK氏 信義則上の説明義務違反による共同不法行為(連帯支払) 1億2,000万円及び令和4年11月24日から年3%の遅延損害金
相続人である妻SZN氏 不当利得(法定相続分2分の1) 6,000万円及び令和5年4月5日から年3%の遅延損害金
相続人である子MNT氏 不当利得(法定相続分4分の1) 3,000万円及び令和5年4月5日から年3%の遅延損害金
相続人である子PLR氏 不当利得(法定相続分4分の1) 3,000万円及び令和5年4月5日から年3%の遅延損害金

いずれの請求も、本来保管されているべき積立金は少なくとも1億6,000万円であったのに、口座には約1,500万円しか残っていなかったとして、その差額相当額である少なくとも1億2,000万円を損害又は損失とするものです。

事務長JMC氏らに対する請求をめぐる主張

論点 WNPの主張 JMC氏らの反論
JMC氏らの立場 事務長と、その妻である事務員は、いずれも旧事務所の実質的経営者の立場にあり、受任案件の処理状況や経理、資産状況を熟知していた 事務長であったこと、妻が事務員であったこと、事務長が旧事務所の状況を了知していたことは認めるが、その余は争う
未処理案件 事務長は約370件の記録を事務所のロッカーに入れて放置し、事務員KYK氏は約100件の記録を自宅に持ち帰っていた 件数は認める。秘匿する意図はなく、質問されなかったので説明しなかったにすぎない。RKT弁護士は所属弁護士として経営状況を容易に把握できたのに、自ら調査を怠った
積立金の性質 積立金は成功報酬の発生事由が発生するまで事務所の運営資金として費消できず、口座に保管しておく必要があった。試算上1億6,000万円以上が保管されているべきところ、大半が費消されていた 積立金が経費として支出されていたことと口座の残高は認める。積立金は不成功の場合に返金が予定されているにとどまり、経費等に充てることが制限された性質のものではない
承継の経緯 事務長は令和4年4月頃に引継ぎを打診し、HDK弁護士の死亡後、自らが弁護士資格を取得するまでの中継ぎ役として引き継ぐよう依頼した 引継ぎを依頼していない。事務員KYK氏は、RKT弁護士が引き継ぐことは知っていたが、詳しい事情は知らなかった
確定申告書 令和4年4月頃に交付された確定申告書等では、事業収入約6,639万円、預り金約283万円、未収入金約3,190万円とされ、約500件の未処理案件や積立金の大半の費消を窺い知ることはできなかった 確定申告書等を交付したのは令和4年6月14日である。未処理案件数や積立金の額が確定申告書に記載されるべきとの前提自体が誤りである
情報の遮断 事務長は、事務員に対し、RKT弁護士に直接報告や相談をせず、事務長を介するよう指示していた 事務員に口止めをした事実はない

WNPは、JMC氏らがこれらの状況を認識し、RKT弁護士が知れば引継ぎを断るであろうことを予想できたとも主張しました。損害については、JMC氏らは、RKT弁護士は合意時点の資産状況を前提に事業を承継したのであり、本来保管されているべき「預り金」なるものは存在しないと反論しています。

相続人らに対する請求をめぐる主張

WNPは、相続人らは相続によりHDK弁護士の依頼者に対する預り金の返還義務を含む責任を承継し、WNPは本件合意によりその責任を引き受けたのであるから、相続人らは少なくとも1億6,000万円を支払うべきところ、約1,500万円しか支払っておらず、少なくとも1億2,000万円の利得が生じていると主張しました。合意書の7条と12条については、合意の当時、この不当利得返還請求権の存在まで予見していなかったから、放棄されていないと主張しています。

相続人らは、RKT弁護士は令和3年10月頃から合意までの間に積立金の状況を十分に把握できる状態にあったから、仮に預り金の不足があったとしても、それを予見して合意をしたものであり、予見していなかったとしても、合意によって不足のリスクを引き受けたと反論しました。仮に利得や損失があっても、それは合意書の7条及び12条によって生じたものであり、法律上の原因があるとしています。

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

結論を左右した争点

判決は、事務長JMC氏らに対する請求について、説明義務の存否及びその内容(争点1)、関連共同性の有無(争点2)、損害の有無及びその額(争点3)を、相続人らに対する請求について、不当利得の成否(争点4)を争点として整理しました。

結論を左右したのは、次の2点です。

  1. 積立金は、承継の時点で、経費等に費消されずに全額が保管されているべきものであったか。これは、説明義務の前提にも、不当利得の損失の有無にも関わる共通の問題でした。
  2. 承継者が承継前に質問をしていない状況で、事務長JMC氏らに、未処理案件の数や積立金の状況を自ら説明すべき信義則上の義務があったか。

判決は、争点1で説明義務を否定した段階で、事務長JMC氏らに対する請求を「その余の点について判断するまでもなく理由がない」として退けました。関連共同性(争点2)と損害(争点3)については判断していません。JMC氏らが未処理案件の数と口座の残高を説明しなかったこと自体は争われておらず、問題は専ら、そのような説明義務があったといえるかでした。

裁判所が認定した重要な事実と判断の枠組み

裁判所が認定した重要な事実

判決は、前提事実に加え、証拠及び弁論の全趣旨により、事案の概要で述べた経緯を認定しました。判断の基礎とされた主な事実は次のとおりです(判決本文の認定事実の要約です)。

  • 積立金はすべて2つの口座に入金され、事務所資金と区別されずに集約され、旧事務所の経費等はすべてこれらの口座から支出されていました。
  • 旧事務所は合計2回の税務調査を受けており、顧問税理士GTX氏が平成17年頃から確定申告等を担当していました。
  • RKT弁護士は、令和3年10月頃、完全成功報酬制では経費が賄えないのではないかと質問し、事務長JMC氏から説明を受けていました。
  • RKT弁護士が確定申告書等を受け取ったのは令和4年6月14日で、令和3年分の青色決算申告書では、負債の欄の「預り金」が期首・期末とも283万4,572円と記載されていました。
  • RKT弁護士は、業務開始の当日、質問と記録の数の確認によって、同日中に約500件の処理未了案件を認識しました。
  • 合意の締結前、JMC氏らは処理未了案件数と口座の残高を説明しませんでしたが、RKT弁護士もこれらの事項を質問したことはありませんでした。

判断の枠組み―説明義務の前提となる事実と、承継者自身の確認の容易さ

判決は、説明義務の有無を、次の順序で検討しています。

  1. 説明すべきとされる事実が、そもそも存在したといえるか(説明義務の前提)。
  2. JMC氏らに、確定申告書等の記載について問題があるとの認識があったか。
  3. 承継者の側が、自ら尋ねることにより、その事実を容易に知ることができたか。承継者が法律専門家であり、承継に伴う責任の意味を理解していたか。
  4. 以上を踏まえ、事務長JMC氏の立場や、承継が事務長JMC氏の相談をきっかけとしていたことなどの事情を考慮しても、なお説明義務があったといえるか。

つまり、説明しなかった側の立場や情報量だけで説明義務を導くのではなく、説明すべき事実の存否、説明しなかった側の認識、受け手の側の確認の容易さと専門性を総合して判断する枠組みです。

各主張を採用し又は排斥した理由

積立金の状況―全額が保管されているべきだったという前提自体が認められない

判決は、まず、未処理案件が約500件あったことは事実であると認めました。そのうえで、積立金が少なくとも1億6,000万円保管されているべきであったかについて検討しています。

判決は、積立金が成功報酬の前払として積み立てられたもので、成功報酬の発生事由が発生しなかった場合には返金しなければならないことは認めました。しかし、着手金なしという旧事務所の報酬形態からすれば、事務所資金と区別せずに管理すること等の適否はさておき、旧事務所の資金管理の実情として、「本件積立金の一部には通常は着手金として受領する報酬相当額が実質的には含まれており、本件積立金の一部を経費等に充てることも想定していたことが窺われ、そのことを〔RKT弁護士〕自身も認識していたものといえる」と述べました。

さらに、事務長JMC氏が、旧事務所では1年あたり150件ないし200件の新件を受任し、ほぼ同程度の件数を処理していたところ、返金を求められたのはそのうち2、3件であると供述しており、これに反する証拠もないことから、多くの依頼者から返金を求められる状況にあったともいえないとしました。

これらの事実に照らし、判決は、次のとおり判断しています。

「旧事務所において、事業の承継を検討している〔RKT弁護士〕ないし〔WNP〕との関係で、本件積立金相当額を経費等に一切費消することなく、成功報酬発生事由が発生するまでの間、その全額に相当する額が保管されていることが前提になっていたとはいえない」

こうして、積立金が本来は少なくとも1億6,000万円保管されているべきであったという、説明義務の前提自体が認められないとされました。

合意書の「預り金」の文言や「預かり金」との説明―判断を左右しない

WNPは、合意書2条に積立金を指して「依頼者から預かった預り金」との文言が使われていること、事務長JMC氏がDLW弁護士に「預かり金」と説明していたことから、事務長JMC氏は積立金を費消してはならない預り金と認識していたと主張しました。

判決は、事務長JMC氏が「預かり金」という表現を用いたことがあったことは認めましたが、そのことが、「旧事務所の経費等として費消することが許されない金銭という意味で上記表現を用いたことを直ちに推認させるとはいえず」として、前記の判断は左右されないとしました。

確定申告書等の記載―税務上の問題の認識は認められない

判決は、承継の判断に当たり、未処理案件数やこれに対応する積立金の存否が重要な考慮要素であること自体は否定し難いとしました。そのうえで、確定申告書等に多額の預り金が計上されていなかったという主張について、顧問税理士GTX氏やその補助者HVS氏のほか、税務調査に入った税務署職員からも、積立金に関して税務上の問題点が指摘された形跡は窺われないとし、「〔JMC氏ら〕において、上記確定申告書等における本件積立金の扱いに税務上の問題があるとの認識を有していたとは認められない」と判断しました。

あわせて、RKT弁護士が確定申告書等を受け取った時期は、WNPの主張する令和4年4月頃ではなく、同年6月11日頃(判決は、送付の依頼が6月11日頃、送付が6月14日であったと認定しています)であったとされています。

承継者が自ら尋ねれば容易に知ることができた

判決は、RKT弁護士が令和3年10月頃から旧事務所で復代理人として稼働しており、JMC氏らに自ら尋ねることにより、処理未了案件数等を容易に知ることができたとしました。その裏付けとして、実際にRKT弁護士が確認する行動に出たところ、即日にその数を把握できていることを挙げています。

また、RKT弁護士は、合意の前に報酬形態について質問し、説明を受けていたのであるから、旧事務所の報酬形態等を十分に理解しており、積立金の扱いに疑義があれば、事務長JMC氏に尋ねる契機もあったとしました。事務員がRKT弁護士に直接報告せず事務長を介するよう指示されていたという主張についても、判決は、仮にその主張を前提としても、「〔JMC氏〕に尋ねることに何らの支障はなかったはずであるから、旧事務所の処理未了案件数等を知ることが実質的に妨げられていたとはいえない」と述べています。

法律専門家として、承継に伴う責任とリスクを理解していた

判決は、RKT弁護士が弁護士資格を有する法律専門家であり、本件合意により、少なくとも相続人らとの間では、HDK弁護士が依頼者に対して負っていた責任をWNPが承継することになることやその意味を十分に理解していたというべきであるとしました。そして、そのリスクを踏まえ、処理未了案件数や積立金の残高、使用状況など、「事業を承継するか否かの判断において必要と考える事項があれば、〔JMC氏ら〕や旧事務所の事務員に自ら確認すべきであったといえるし、その確認は容易であったといえる」と判断しました。しかし、RKT弁護士は、合意の締結前に、これらの事項を質問して確認する行動に出ることはありませんでした。

事務長の立場や承継のきっかけを考慮しても、説明義務はない

判決は、JMC氏らが長年旧事務所に勤務し、事務長JMC氏は受任案件の処理状況や積立金の使用状況等を把握し得る立場にあったこと、本件承継が事務長JMC氏の相談をきっかけとしていたことなどの事情を考慮しても、なお、「〔RKT弁護士〕から確認を求められていないという本件の状況下において」、JMC氏らに、未処理案件の数及び積立金の状況を説明すべき信義則上の義務があったとは認められないと結論付けました。

これにより、JMC氏らに対する共同不法行為に基づく損害賠償請求は、関連共同性や損害について判断するまでもなく、理由がないとされました。

相続人らに対する不当利得返還請求―損失がなく、法律上の原因もある

判決は、積立金が少なくとも1億6,000万円保管されているべきであったという前提自体が認められない以上、相続人らからWNPに同額が支払われるべきであったとはいえず、WNPに同額の損失が生じたとは認められないとしました。

また、積立金の額について、WNPの立場からみて不足していると感じられる事情があったとしても、次のとおり、法律上の原因がないとはいえないと判断しています。

「〔WNP〕と〔相続人ら〕との間の旧事務所の事業承継に関する法的処理については、本件合意に基づいて行われたものであるから、上記事情をもって直ちに法律上の原因がないということはできない」

合意書の7条・12条―法律専門家として効果を理解し、修正の機会もあった

WNPが不当利得返還請求権の存在を予見していなかったから7条・12条によっても放棄されていないと主張した点について、判決は、法律専門家であるRKT弁護士は、合意書の7条及び12条の存在及びその法的効果も十分に理解できたものと考えられ、合意書の内容に修正意見を述べる機会も与えられていたことも踏まえると、「上記各条項があってもなお〔WNP〕主張の請求権が残存しているとは認め難い」と述べました。そもそも不当利得返還請求権の発生原因事実自体が認められないことからも、この主張は採用されませんでした。

主文及び結論

判決の主文は、「原告の請求をいずれも棄却する。」「訴訟費用は原告の負担とする。」というものです(「原告」は弁護士法人WNPを指します)。事務長JMC氏らに対する1億2,000万円の損害賠償請求も、相続人らに対する合計1億2,000万円の不当利得返還請求も、いずれも認められませんでした。

判断の射程―参考となる点と一般化できない点

以下は、判決の内容を踏まえた当事務所の評価です。判決が述べた事項と区別してお読みください。

参考となる点

  • 承継者が自ら容易に確認できた事項について、相手方の説明義務は認められにくいこと。本判決は、承継者が事務所の内部で業務をしており、尋ねれば即日に分かる事項であったこと、承継者が法律専門家であったことを重視し、尋ねられていない相手方に説明義務を認めませんでした。事業を引き継ぐ側は、未処理の案件・受注残、顧客からの前受金や預り金、その使途といった事項を、承継前に自ら確認する必要があることを示す一例です。
  • 説明義務の前提となる事実の性質が先に問われること。本判決は、説明義務の有無を論じる前に、積立金が全額保管されているべきものであったかという前提を検討し、旧事務所の報酬形態と資金管理の実情、承継者自身の認識から、これを否定しました。前受金の性質や使途の制限は、契約上の文言だけでなく、実際の運用と当事者の認識によって評価され得ることがうかがえます。
  • 相手方の情報量が多いことや、承継のきっかけを作ったことだけでは足りないこと。事務長が内部の状況を把握し得る立場にあり、承継が事務長の相談から始まったことを考慮しても、説明義務は否定されました。情報の偏りがあるというだけで、尋ねられてもいない事項についての積極的な説明義務が導かれるわけではないことを示しています。
  • 合意書の責任引受け条項と清算条項の重み。相続人らとの合意書には、承継者がすべての責任を負い、相続人らに追加の請求をしない旨の条項と清算条項がありました。判決は、承継者が法律専門家としてその効果を理解でき、修正意見を述べる機会もあったことを踏まえ、合意後の不足分の請求を認めませんでした。事業を引き継ぐ側は、残高や件数に関する表明保証、前提が異なった場合の価格の調整や補償の条項を、合意前に交渉しておくことが重要になります。

一般化できない点

  • 本判決は、承継者が弁護士資格を有する法律専門家であり、承継前から旧事務所の内部で事務処理を行っていたという事情を重視した判断です。外部の買主が、対象の事業に関与する機会のないまま取引をした場合や、専門家ではない者が事業を引き継いだ場合には、説明義務の判断が異なり得ます。
  • 本判決で説明義務が問われたのは、合意の当事者ではない事務長と事務員でした。合意の当事者である相続人らに対しては、説明義務違反ではなく不当利得が主張されています。事業や株式の売主に対する説明義務や表明保証違反が問題になる場面に、本判決の判断をそのまま当てはめることはできません。
  • 本判決は、相手方が質問に対して虚偽の説明をした事案や、確認を積極的に妨げた事案ではありません。判決は、事務員への指示があったとの主張を前提にしても事務長に尋ねることに支障はなかったとしたものであり、虚偽の説明や隠蔽行為がある場合の判断は示していません。
  • 判決は、積立金の全額保管が承継者との関係で前提になっていたとはいえないとしたものであり、依頼者との関係で積立金を費消することの適否について判断したものではありません。判決自身も、事務所資金と区別せずに管理すること等の「適否はさておき」と述べています。
  • 関連共同性(争点2)と損害額(争点3)については判断が示されていません。上訴の有無及び確定は確認できていません。

株式譲渡契約の解除や、詐欺・錯誤による取消しを検討する場合の進め方は、次のページでご案内しています。

よくあるご質問

事業を引き継いだ後に、聞いていなかった未処理案件や資金の不足が判明した場合、事情を知っていた従業員に責任を問えますか。

説明義務が認められるかどうかによります。本判決では、承継者が承継前から事務所内部で業務をしており、尋ねれば容易に分かる事項であったこと、承継者が法律専門家であったことなどから、尋ねられていない事務長らに信義則上の説明義務はなかったとされ、請求が棄却されました。

顧客から前払で受け取っていた資金は、承継の時点で全額残っているべきものですか。

契約の定めだけでなく、実際の資金管理の実情や当事者の認識によって評価され得ます。本判決では、完全成功報酬制の前払積立金に着手金相当額が実質的に含まれ、経費等に充てることも想定されていたことを承継者も認識していたとして、全額保管が前提になっていたとはいえないと判断されました。

合意書に清算条項がある場合、後から判明した不足分を相手方に請求できますか。

本判決では、承継者がすべての責任を負い追加の請求をしない旨の条項と清算条項があり、承継者が法律専門家としてその効果を理解でき、修正意見を述べる機会もあったことから、不足分の請求は認められませんでした。不足が生じた場合の補償を求めるのであれば、合意前に条項として定めておく必要があります。

事業の承継やM&Aの前に、引き継ぐ側は何を確認すべきですか。

本判決の事案に即していえば、未処理の案件や受注残の件数、顧客からの前受金・預り金の額と使途、口座の残高、決算書類への計上の仕方などです。尋ねなかった事項について後から相手方の説明義務違反を主張することは容易ではないため、確認すべき事項を一覧にして質問し、回答を記録に残し、重要な事項は合意書の表明保証や補償の条項に反映させることが考えられます。

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この記事の位置付け

代表弁護士の死亡を受けて法律事務所の事業を引き継いだ弁護士法人が、引継ぎ後に判明した未処理案件と資金の不足について事務長の説明義務と相続人の不当利得を主張した場面の判例を、承継者自身の確認の責任の観点から解説します。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、2024年(令和6年)10月には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ました。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めています。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継及び企業法務

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著書

非上場会社における少数株主対策の手法と実務
『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』(日本法令)
中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策
『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社)
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