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歯科診療所の経営権譲渡に伴う個人間の買戻しの覚書と違約金―東京地方裁判所令和7年3月26日判決

公開 2025年3月26日更新 2026年10月30日

▶ 株式譲渡契約を解消する場合の要件と効果

医療法人が経営していた歯科診療所の経営権を、その医療法人の別の診療所で分院長を務めていた歯科医師が安い価格で譲り受け、その際、法人の理事長個人との間で、2年後に同じ価格で買い戻すことなどを定めた覚書を交わしていた場面の判例です。東京地方裁判所令和7年3月26日判決は、譲受人が覚書への署名押印を否定し、偽造であると主張したのに対し、覚書の成立の真正を認め、医療法の剰余金配当の禁止や医療法人の利益相反取引の規律を理由とする無効の主張も退けて、元理事長による違約金1億5,000万円の請求を全額認めました。

本記事では、判決が、署名や印影の違いなどの事情があったにもかかわらず覚書の成立を認めた理由と、医療法人ではなく個人の間で結ばれた合意であることを重視して無効の主張を退けた理由を、判決本文に沿って整理します。診療所や事業の譲渡に際して、正式な契約書とは別に覚書を交わした当事者の双方、すなわち覚書に基づいて請求する立場の方にも、請求を受けている立場の方にも参考となる判決です。

Contents
  1. 裁判例の基本情報
  2. 当事者の表記
  3. 事案の概要―2年後に同額で買い戻す前提で、経営権を安く譲り受けた
    1. 医療法人と歯科医師の間で、経営権を3,600万円で譲渡する契約が結ばれた
    2. 経営権の譲渡とは別に、理事長個人との間で買戻しの覚書があった
    3. 買戻しが実現せず、覚書に基づく違約金が請求された
  4. 事案の経緯の時系列
  5. 判断の前提となった契約と覚書の内容
    1. 本件契約―経営権等の譲渡売買契約
    2. 本件覚書―判決本文から分かる範囲の内容
  6. 当事者の請求と主要な主張
    1. 元理事長HKT氏の請求
    2. 争点の整理
  7. 結論を左右した争点
  8. 裁判所が認定した重要な事実
    1. 前の診療所の譲渡と、本件の経営権の価格
    2. MRY氏からの提案と「裏の契約書」
    3. 覚書の原案から本件覚書まで
    4. 買戻し交渉でのやり取り
  9. 合意の成否についての判断―覚書は真正に成立したと認められた
    1. 判断の枠組み―経緯、交付、送付、その後の言動の積み重ね
    2. MRY氏の供述と、それに沿う証拠を排斥した理由
  10. 合意の有効性についての判断―個人間の合意であり、無効とはいえない
    1. 行政庁への申請に覚書を添付しなかったこと
    2. 医療法54条の剰余金の配当の禁止
    3. 医療法人の定款上の利益相反取引の規律
  11. 主文及び結論
  12. 判断の射程―参考となる点と一般化できない点
    1. 参考となる点
    2. 一般化できない点
    3. 診療所や事業の譲渡で確認しておきたいこと
  13. よくあるご質問
    1. 医療法人から診療所の経営権を譲り受ける際、理事長個人と結んだ買戻しの合意は有効ですか。
    2. 覚書に署名押印していないと主張すれば、責任を免れられますか。
    3. 行政庁への申請に添付しなかった別の合意は、無効になりますか。
    4. 違約金の額が大きすぎる場合、減額を求めることはできますか。
  14. 関連する記事と御相談のご案内

裁判例の基本情報

裁判所 東京地方裁判所民事第18部
裁判日 令和7年3月26日
事件番号 令和5年(ワ)第14900号
裁判の形式 判決
審級 第一審
結論 原告(元理事長)の請求を全部認容。被告(譲受人)に1億5,000万円及び令和5年6月27日から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金の支払を命じ、訴訟費用は被告の負担。仮執行宣言付き
上訴の状況 上訴の有無及び確定は確認できていません

この表は、判決本文の冒頭及び末尾の記載に基づいて当事務所が作成したものです。判決本文には、控訴や確定に関する記載はありません。

当事者の表記

判決に出てくる会社名・氏名は、本記事独自のイニシャルに置き換えています。医療法人の名称、診療所の名称、判決が用いた符号も、そのままでは使わず、次の表記に置き換えています。判決本文を引用する部分でも同じ表記に置き換え、置き換えた箇所を〔 〕で示しています。

本記事の表記 立場
元理事長である歯科医師HKT氏 原告。歯科医師で、令和2年7月31日まで医療法人TKWの理事長でした。判決の認定では、当時、医療法人TKWの出資持分の全部を保有していました
譲受人である歯科医師MRY氏 被告。歯科医師で、医療法人TKWから歯科診療所KDNの経営権等を譲り受けました
譲渡人である医療法人TKW 複数の歯科診療所を経営する医療法人。平成31年1月31日まで歯科診療所KDNを経営していました。本件の訴訟の当事者ではありません
譲受人が設立した医療法人NSB MRY氏が令和元年9月5日に設立し、理事長となった医療法人。歯科診療所KDNの経営権等を承継しました
歯科診療所KDN 経営権の譲渡と買戻しの対象となった歯科診療所(判決の「本件クリニック」)
別の歯科診療所FRM MRY氏が分院長を務め、本件の前に医療法人TKWから経営権等を譲り受けた歯科診療所(判決の「別件クリニック」)
勤務医GTO氏 当時、歯科診療所KDNの勤務医であった歯科医師
行政書士WTN氏 HKT氏が従前、行政手続に関する業務を依頼していた行政書士。訴訟では証人となりました
司法書士YSM氏 MRY氏が覚書の内容の確認を依頼したと供述した司法書士
賃貸借の当事者である会社PRK HKT氏、MRY氏との3者間で、賃貸借契約に関する覚書を交わした会社

判決本文は「歯科クリニック」という語を用いていますが、本記事では「歯科診療所」と表記します。判決本文の「本件経営権」は、歯科診療所KDNの経営権を指します。

事案の概要―2年後に同額で買い戻す前提で、経営権を安く譲り受けた

医療法人と歯科医師の間で、経営権を3,600万円で譲渡する契約が結ばれた

医療法人TKWは、複数の歯科診療所を経営する医療法人で、平成31年1月31日まで歯科診療所KDNを経営していました。元理事長である歯科医師HKT氏は、令和2年7月31日まで医療法人TKWの理事長を務めていました。

平成31年1月29日、医療法人TKWと、譲受人である歯科医師MRY氏との間で、歯科診療所KDNの経営権等の譲渡売買契約(以下「本件契約」)が締結されました。本件契約の内容は、判決本文によれば、医療法人TKWが総額3,600万円(消費税相当額を含みます)で経営権とこれに付随する医療機器等を売り渡すこと、医療法人TKWが同月31日付けで歯科診療所KDNの診療所廃止届を提出し、同日の診療終了時に医療機器等を引き渡すことなどでした。

MRY氏は、令和元年9月5日、歯科診療所KDNの経営等を目的として医療法人NSBを設立して理事長となり、経営権等を医療法人NSBに承継させました。

経営権の譲渡とは別に、理事長個人との間で買戻しの覚書があった

HKT氏は、HKT氏の記名押印とMRY氏名義の署名押印がある平成31年1月29日付けの覚書(以下「本件覚書」)を保有していました。本件覚書は、経営権の当事者である医療法人TKWではなく、HKT氏個人とMRY氏個人の間のものです。MRY氏は、本件覚書に署名押印したことはなく、偽造されたものであると主張しました。

判決の認定によれば、本件契約は、歯科診療所KDNで行政機関の個別指導が行われた後に、MRY氏が経営権を一旦買い取り、2年後に同額でHKT氏が買い戻す方法を提案し、HKT氏がこれに応じて締結されたものでした(詳しくは後記の認定事実のとおりです)。

買戻しが実現せず、覚書に基づく違約金が請求された

HKT氏は、令和3年8月25日、MRY氏に対し、本件覚書第1条に基づいて経営権をHKT氏又は指定法人に承継させるよう求めるとともに、第2条に基づいて、同日から6か月以内に医療法人NSBに承継の各種手続を行わせるよう求めました。しかし、令和4年2月25日を経過しても、MRY氏及び医療法人NSBは、経営権の承継とその手続を行いませんでした。

HKT氏は、MRY氏が本件覚書に基づく合意に抵触する行為をしたとして、合意に基づき、違約金1億5,000万円と、訴状送達の日の翌日である令和5年6月27日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めて提訴しました。

事案の経緯の時系列

時期 出来事(判決本文の前提事実及び認定事実による)
平成30年9月 MRY氏が、医療法人TKWから別の歯科診療所FRMの経営権等を1億2,000万円で譲り受ける(HKT氏は、本来は粗利3年分の1億8,000万円が相当だが、貢献を考慮して粗利2年分で売却すると説明)
平成30年11月10日頃 歯科診療所KDNに対し、行政機関による個別指導が行われる
平成30年11月14日 MRY氏がHKT氏と面会し、MRY氏が経営権を買い取り、2年後に同額でHKT氏が買い戻す方法を伝える。その後、2年後の買戻しについて「裏の契約書」の作成を勧める
平成31年1月23日 HKT氏の依頼を受けた弁護士らが、覚書の原案(買戻しの対価を3,700万円とし、期間・違約金・清算金の額を空欄としたもの)をHKT氏にメールで送付
平成31年1月25日 HKT氏がMRY氏と面会し、2年後に3,600万円で買い戻すこと等が記載された覚書2部を示して説明し、交付。MRY氏は異論を述べずに受領
平成31年1月29日 医療法人TKWとMRY氏が本件契約を締結(総額3,600万円)。本件覚書の日付も同日
平成31年1月31日 本件契約で、医療法人TKWが診療所廃止届を提出し、診療終了時に医療機器等を引き渡すこととされた日。医療法人TKWによる歯科診療所KDNの経営はこの日まで
平成31年2月22日 HKT氏がMRY氏に「覚え書き」を持ってきてほしい旨のメッセージを送る
平成31年2月24日 MRY氏が郵送した覚書をHKT氏が受領
令和元年9月5日 MRY氏が医療法人NSBを設立して理事長となり、経営権等を医療法人NSBに承継
令和2年7月31日 HKT氏が医療法人TKWの理事長を退任
令和3年1月から4月まで HKT氏が買戻しの話のため面会を何度も申し入れるが、MRY氏の体調不良等を理由に実現せず
令和3年5月14日 面会。MRY氏が同額での買戻しに難色を示し、第三者への売却案を提示
令和3年6月3日 HKT氏が、覚書には1億円で売却すると書いてあったと述べ、コンサルティング契約の形で分割して支払う方法を提案。MRY氏は異論を述べず
令和3年8月5日 覚書にあるように1億円を3年程度で支払うことの可否を問われたMRY氏が「それは別に大丈夫です。」と回答
令和3年8月25日 HKT氏が、本件覚書第1条及び第2条に基づき、経営権の承継と6か月以内の手続を求める
令和3年9月18日 HKT氏が、弁護士からコンサルティング料の形は適切でないと指摘されたと伝え、医療法人NSBの理事となって給料を受け取る方法を提案
令和3年12月1日 面会。HKT氏が理事就任の契約書の原案を示し、買い戻さないのであれば最初の覚書のとおりにしてほしいと伝える
令和4年2月25日 6か月の期間が経過。経営権の承継及び手続は行われず
令和4年9月16日 MRY氏が、HKT氏に対し、3億1,000万円で経営権を買い取るよう求める
令和4年11月25日 HKT氏が本件覚書に基づく対応を求め、3億1,000万円での買戻しを拒絶
令和5年6月27日 遅延損害金の起算日(訴状送達の日の翌日)
令和7年3月26日 東京地方裁判所が請求を全部認容する判決

判断の前提となった契約と覚書の内容

本件契約―経営権等の譲渡売買契約

以下は、判決本文が「要旨次の内容の譲渡売買契約」として整理した記載を、判決本文の文言のまま引用したものです。契約書原本の条文をそのまま再現したものではありません。法人の名称は本記事の表記に置き換えています。

ア 〔医療法人TKW〕は、被告に対し、総額3600万円(消費税相当額を含む。)で、本件経営権及びこれに付随する医療機器等を売り渡し、被告はこれを買い受ける。

イ 〔医療法人TKW〕は、同月31日付けで本件クリニックの診療所廃止届を提出することとし、同日の診療終了時をもって、上記医療機器等を被告に引き渡す。

引用中の「被告」はMRY氏、「本件クリニック」は歯科診療所KDN、「同月」は平成31年1月を指します。

本件覚書―判決本文から分かる範囲の内容

本件覚書の内容は、判決の別紙に記載されていますが、別紙は省略されており、条項の文言そのものは判決本文からは確認できません。判決本文の記載から分かる範囲で整理すると、次のとおりです。条項の文言を再現したものではなく、当事務所による整理です。

事項 判決本文から分かる内容
当事者・日付 HKT氏の記名押印とMRY氏名義の署名押印がある平成31年1月29日付けの覚書
第1条 HKT氏は、第1条に基づき、経営権をHKT氏又は指定法人に承継させるよう求めた
第2条 HKT氏は、第2条に基づき、求めた日から6か月以内に、医療法人NSBに承継の各種手続を行わせるよう求めた。HKT氏は、平成31年1月25日の面会で、譲渡を求められたら6か月以内に手続を行うことなどが定められていると説明した
買戻しの対価と期間 買戻しの対価は本件契約の売買代金に合わせて3,600万円、買戻しの期間は2年後の一定期間
違約金 1億5,000万円
清算金・第5条 清算金の額は1億円。判決は、令和3年8月5日のやり取りを「本件覚書第5条に基づく1億円の支払の可否」を問うものと位置付けています

違約金と清算金がそれぞれどのような場合に発生するのか、両者がどのような関係に立つのかについては、条項の文言が判決本文に記載されていないため、本記事では確認できていません。

当事者の請求と主要な主張

元理事長HKT氏の請求

HKT氏は、MRY氏に対し、本件覚書に基づく合意(以下「本件合意」)に基づき、違約金1億5,000万円と、令和5年6月27日から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金の支払を求めました。

争点の整理

判決は、争点を、第1に本件合意の成否、第2に本件合意の有効性の2点に整理しました。覚書の求めから6か月が経過しても経営権の承継と手続が行われなかったことは前提事実とされており、違約金の額が相当かどうかは、争点として取り上げられていません。

争点 元理事長HKT氏の主張 譲受人MRY氏の主張
合意の成否 平成31年1月25日に覚書を示して概要を説明し、MRY氏は内容を承諾して、署名押印したものを郵送すると約束した。MRY氏が同年2月24日に署名押印済みの覚書2部を郵送してきたので、これに押印し、1部をMRY氏に郵送した 否認する。本件覚書はMRY氏が署名押印したものではなく、偽造されたものである。MRY氏が本件覚書をHKT氏に郵送した事実もない
行政庁への申請 MRY氏の主張の事実は知らない。その余は争う 医療法人NSBは経営権の譲受けに際して所管の行政庁に申請して設立されたところ、申請資料となった本件契約書には買戻しを定めた本件覚書が添付されていない。本件合意があったのなら虚偽申請をしたことになるから、本件合意は公序良俗に違反し無効である
剰余金の配当 争う 本件合意は、医療法人TKWが譲渡した経営権について、HKT氏個人に買戻請求権や巨額の違約金の請求権を認めるもので、医療法54条で禁止された剰余金の配当にほかならないから、公序良俗に違反し無効である
利益相反取引 争う 医療法人TKWの定款31条1項3号は、理事の利益相反取引に理事会の承認を要すると定める。本件合意は、医療法人TKWの経営権を極めて低額で売却するのと引換えにHKT氏個人が高額な違約金等を取得できるようにするもので利益相反取引に当たるのに、必要な手続を経ていないから無効である

結論を左右した争点

結論を左右したのは、次の2点でした。

  1. MRY氏が署名押印を否定し、署名の表記や印影にも契約書との違いがある覚書について、成立の真正が認められるか。
  2. 医療法人の経営権の譲渡に伴って、法人ではなく元理事長個人と譲受人個人との間で結ばれた買戻しの合意が、医療法や医療法人の定款の規律、行政庁への申請との関係で無効となるか。

判決は、第1の点について、覚書が作成された経緯、面会時のやり取り、その後の買戻し交渉での会話の内容を積み重ねて合意の成立を認めました。第2の点については、本件合意が医療法人TKWを当事者としない個人間の合意であることを軸に、無効の主張をいずれも退けています。

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

裁判所が認定した重要な事実

判決は、前提事実、証拠及び弁論の全趣旨から、次の事実を認定しました(以下は判決本文の認定事実の要約です)。

前の診療所の譲渡と、本件の経営権の価格

  • MRY氏は、元々、医療法人TKWが経営していた別の歯科診療所FRMの分院長であり、平成30年9月、その経営権等を医療法人TKWから1億2,000万円で譲り受けました。その際、HKT氏は、本来はその粗利の3年分に相当する1億8,000万円が相当であるが、医療法人TKWでの貢献を考慮して粗利の2年分に相当する1億2,000万円で売却すると説明していました。
  • 当時、HKT氏は医療法人TKWの理事長で、その出資持分の全部を保有していたことから、HKT氏とMRY氏の間では、HKT氏と医療法人TKWとの区別を明確にせずにやり取りが行われていました。
  • 判決は、本件契約締結当時の歯科診療所KDNの粗利は1年で6,000万円程度であり、別の歯科診療所FRMと同様の方法で算定すれば、売買代金は粗利の3年分である1億8,000万円程度が基準となるところ、MRY氏に資力がなかったことや、2年後に同額で買い戻されることが予定されていたことから、売買代金を3,600万円とする本件契約が締結されたと認めました。

MRY氏からの提案と「裏の契約書」

  • MRY氏は、平成30年11月14日、HKT氏に対し、個別指導を契機として医療法人TKWの他の診療所にも個別指導が入るおそれが高いが、MRY氏が経営権を買い取って2年間だけMRY氏の名義で経営を行い、その後再び同額でHKT氏が買い戻すことにより、それを回避できると知人から聞いたなどと伝えました。
  • HKT氏が当時の勤務医GTO氏に経営権を売却する案を示すと、MRY氏は、勤務医GTO氏に売却すると経営権が戻ってこなくなるのでやめた方が良いと助言しました。
  • MRY氏は、経営権は第三者に「すごいお金」で売ることもできると思われるとしつつ、「今以上にして戻したいとは僕は思います。何ならその売り上げの中からその、買い戻していただくのに後からプラスしてお支払いしてもいいと思うくらい僕は恩があるので。」などと述べました。他方で、別の歯科診療所FRMの購入のために多額の借入れをしたことなどから、1,000万円程度しか出せないとも伝えていました。
  • MRY氏は、2年後の買戻しについて「裏の契約書が絶対必要」などと述べ、経営権の譲渡の契約書とは別の書類を第三者に分からないように作成することを勧め、HKT氏もこれに同意しました。

覚書の原案から本件覚書まで

  • HKT氏は、同月25日、MRY氏と面会し、経営権を2年後に3,600万円で買い戻すこと等が記載された覚書を示し、2年後に戻すこと、譲渡を求められたら6か月以内に手続を行うことなどが定められていると説明して、2部を交付しました。MRY氏は内容に異論を述べず、印鑑を持ち合わせていなかったことから、「じゃあこれ書いて、先生の方にお送りすればいいですよね。」などと肯定的に返答して受領しました。
  • 本件契約の締結後、HKT氏は同年2月22日に「覚え書き」を持ってきてほしい旨のメッセージを送り、MRY氏がこれを郵送し、HKT氏は同月24日に受領しました。

買戻し交渉でのやり取り

  • 令和3年5月14日の面会で、MRY氏は、同額で返すと正当ではないとの指摘を受けるおそれがあることや税務上の問題などを挙げて、同額での買戻しに難色を示しました。同年6月3日、HKT氏が、覚書には1億円で売却すると書いてあったと述べ、コンサルティング契約の形で何年かかけて支払う方法を提案したのに対し、MRY氏は1億円の記載があったこと等に特段異論を述べませんでした。
  • 同年8月5日、MRY氏は、現在2社にコンサルティング料を支払っているとして、当面は月10万円を支払い、その後増額する案を示しました。HKT氏が「トータルで、まあ、あの覚書にあるように1億で話をしていこうと思ってるんだけど、で、それを3年ぐらいで返済することは可能?」と尋ねると、MRY氏は「それは別に大丈夫です。」と答えました。
  • 同年12月1日の面会で、HKT氏が、戻さないのであれば最初の覚書のとおりにしてほしいと述べると、MRY氏は、司法書士や弁護士に相談したいと述べ、2年後に返すつもりだったのかと問われて、「返す返さないの話っていうよりは、完全に契約書のとおりですけど・・・」と答えました。
  • 令和4年9月16日、MRY氏は、歯科診療所KDNの粗利3年分を2億円程度と考え、購入価格3,600万円と、MRY氏が投資したとする5,000万円を加えるなどした3億1,000万円で経営権を買い取るよう求めました。HKT氏は、同年11月25日、本件覚書に基づく対応を求めて、これを拒絶しました。

合意の成否についての判断―覚書は真正に成立したと認められた

判断の枠組み―経緯、交付、送付、その後の言動の積み重ね

判決は、署名押印の真否を直接に判断する前に、本件覚書が作成されるまでの経緯と、作成後の当事者の言動を順に検討し、それらを総合して成立の真正を認めるという方法をとりました。

第1に、判決は、本件契約が、個別指導の回避のために経営権を一旦MRY氏に売却し、2年後に同額で買い戻すというMRY氏の提案に応じて締結されたものであり、売買代金も、基準となる1億8,000万円程度ではなく、2年後の同額での買戻しを予定して3,600万円とされたことを確認しました。そのうえで、次のように述べています。

「〔HKT氏〕が〔医療法人TKW〕の代表者として本件経営権を上記のような安価で譲渡すること(本件契約)を合意したにもかかわらず、本件合意のような買戻しの合意をしないまま、認定事実(5)の買戻しの交渉を始めるに至るまで3年近くこれを放置していたとは考え難い。」

第2に、判決は、平成31年1月25日に交付された覚書について、弁護士らの原案を受領した2日後に交付されたという経過から、原案に加筆修正したものと認めました。そして、HKT氏が、買戻しの対価を本件契約の売買代金に合わせて3,600万円とし、買戻しの期間を2年後の一定期間とし、違約金の額を、本来の売買代金である1億8,000万円から本件契約の売買代金3,600万円を控除した残額に近似する1億5,000万円とし、清算金の額を1億円として、本件覚書を作成したと認めました。そのうえで、25日に交付された覚書は、MRY氏名義の署名押印のない本件覚書であったと認定しています。

第3に、判決は、MRY氏が25日の覚書の受領の際に異論を述べず肯定的に返答したこと、2月24日にMRY氏から覚書が送付されたこと、HKT氏が現在本件覚書を保有していることに加え、買戻し交渉でHKT氏が複数回「覚書」という言葉を用いて本件覚書の内容と符合する発言をし、MRY氏が異議を述べず、1億円の支払の可否を問われて「それは別に大丈夫です。」と答えたことを挙げました。本件覚書のほかに買戻しに関する覚書が存在したとも認められないとして、2月22日のメッセージで求められMRY氏が送付した覚書は、MRY氏名義の署名押印のある本件覚書であったと認めました。

以上から、判決は、MRY氏が平成31年2月24日に署名押印済みの本件覚書2部を郵送し、HKT氏がこれに押印して1部をMRY氏に送付したと認め、次のとおり結論付けました。

「本件覚書は真正に成立したものであり、上記の頃、原告と被告との間で、本件合意が成立したものと認められる。」

(引用中の「原告」はHKT氏、「被告」はMRY氏を指します。)

MRY氏の供述と、それに沿う証拠を排斥した理由

MRY氏は、本人尋問で、合意の成立を否定する方向の供述をし、関係者の供述や証言、書面上の違いなどの事情も示されました。判決は、これらを1つずつ検討し、いずれも上記の認定を左右しないとしました。

MRY氏側の供述・事情 判決の評価
同額での買戻しに応じるとは話しておらず、むしろ適正価格で買い戻してほしいと話した MRY氏自身が、2年後に同額で買い戻す方法を示し、今以上にして戻したい、後からプラスして支払ってもよいとまで述べていたことと矛盾する。MRY氏の供述以外に、適正価格での買戻しを求め、HKT氏が了承したことをうかがわせる事情も証拠もない
個別指導が入っていたので通常の価格では売れず、3,600万円は安価ではなかった 第三者に「すごいお金」で売れるとの従前の発言と明らかに矛盾する。尋問での弁解も相互に抵触し、飲酒の影響をいう供述も、当時の会話内容から支離滅裂な様子は見受けられない
25日の覚書は内容を見ずに司法書士YSM氏に送り、買戻し代金が3,600万円では赤字になると指摘されたので署名できないと伝え、返送後も内容を見ずに破棄した(司法書士YSM氏もこれに沿う供述をした) 3,600万円を下らない経営権の買戻しに関する重要な書面を、説明を受けて受領し肯定的に返答したのであるから、内容を確認したと推認できる。返送後に内容を改めて見ずに破棄したという供述は全体として不自然不合理である。司法書士YSM氏は記憶が不鮮明であることを自認し、反対尋問も経ておらず、否定的な意見を述べたという程度のもので、合意の存在と直ちに矛盾しない
2月24日に郵送したのは、会社PRKとの3者間の賃貸借契約に関する覚書である(行政書士WTN氏の証言やメモ書きもある) 会社PRKへの調査嘱託の結果を受けて供述が変遷しており、その変遷に合理的な理由はない。行政書士WTN氏の証言は写しの送付を依頼したという程度で、具体的な記憶に基づくものでもない。メモ書きも、いつどのように作成されたか定かでない
HKT氏は普段から「覚書」という言葉を多用しており、気にしていなかった。本件契約に関する覚書はほかにも複数ある 本件覚書のほかに、買戻しや1億円の支払を基礎付ける覚書は見当たらない。覚書を作成していないのであれば、異議を述べないことは考え難い
1億円の話の際は持病の治療で薬物の影響下にあり、1億円で経営権を売却する話と勘違いしていた MRY氏は理路整然と会話をし、医療法人NSBが別の2社にコンサルティング料を支払っていることから支払方法の調整が必要であることも説明している。声色や説明ぶりからも薬物の影響は考え難く、勘違いとも認められない
本件覚書の署名の表記が本件契約書と異なり、本件契約書ではMRY氏の住所が記載されていたのに本件覚書には別の歯科診療所FRMの所在地が記載され、本件契約書では実印が用いられていたのに本件覚書の印影は比較的簡易な印章によるものである 偽造したのであれば、後日真正が問題となることは必至であり、先行する本件契約書に似せて作成するのが自然である。一見して真正が疑われる外観を作り出すことはむしろ考え難い

覚書を作成していないのであれば異議を述べないことは考え難いという点について、判決は次のように述べています。

「仮に被告が本件覚書を作成していないのであれば、被告が、このような原告の言動に何ら異議を述べないことは考え難いし、その根拠として言及されている「覚書」を気にしていなかったなどとは到底考えられない。」

また、署名の表記や印影の違いについては、次のように述べています。

「仮に原告が被告の署名押印を偽造したのだとすれば、後日、その真正が問題となることは必至であって、原告としては、本件覚書に先行して存在する本件契約書の記載内容等に似せて作成するのが自然であって、一見してその真正が疑われるような外観を作出することはむしろ考え難い。」

(いずれの引用でも「原告」はHKT氏、「被告」はMRY氏を指します。)

判決は、これらの検討に、本件契約を締結しながら買戻しの合意をしないまま放置していたとは考え難いことなどを総合し、MRY氏の供述や書面上の違いによっても、本件覚書が真正に成立したとの認定は左右されないと結論付けました。

合意の有効性についての判断―個人間の合意であり、無効とはいえない

行政庁への申請に覚書を添付しなかったこと

判決は、まず、買戻しの約束があること自体はMRY氏も自認していること、本件契約書とは別に「裏の契約書」を作成するよう勧めたのはMRY氏であることを指摘しました。そして、MRY氏が本件覚書を添付せず、本件合意の存在を秘して医療法人NSBを設立したのであれば、それは専らMRY氏の責任によるものであるとし、次のとおり判断しました。

「そのことが〔所管の行政庁〕に対する虚偽説明に当たり得ると認める余地があると仮定しても、そのことから、直ちに原告と被告との間の本件合意が公序良俗に反するものになるとは認められない。」

判決は、虚偽の説明に当たるかどうかを確定的に判断したのではなく、仮に当たり得るとしても本件合意が直ちに公序良俗に反するものにはならない、という形で主張を退けています。

医療法54条の剰余金の配当の禁止

判決は、本件契約が有効であることは当事者間に争いがないことを前提に、次のように述べて、剰余金の配当に当たるとのMRY氏の主張は前提を欠くとしました。

「本件合意は、飽くまで原告と被告との間の合意であって、仮に本件合意に則って、本件経営権の買戻しや、違約金の支払がされたとしても、本件合意の締結及び履行の前後により〔医療法人TKW〕から財産が逸出することはないから、本件合意の締結及び履行のみを取り上げて、直ちに医療法54条で禁止された医療法人による剰余金の配当に当たるとまでは認められない。」

医療法人の定款上の利益相反取引の規律

判決は、医療法人TKWの定款31条1項3号が、理事会の承認を要する取引として、医療法人TKWがその理事の債務を保証することその他理事以外の者との間における医療法人TKWとその理事との利益が相反する取引を掲げていることを認定しました。そのうえで、医療法人TKWが当事者となっていない本件合意がこれに該当するとは認められないとしました。さらに、仮にこの点を措くとしても、定款等に、この条項に違反して行われた理事と第三者との間の取引を無効とする定めはなく、その法的根拠も見当たらないとして、MRY氏の主張を「独自のものというほかなく」採用できないと判断しました。

主文及び結論

判決の主文は、次のとおりです(「原告」はHKT氏、「被告」はMRY氏を指します)。

「1 被告は、原告に対し、1億5000万円及びこれに対する令和5年6月27日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。」「2 訴訟費用は被告の負担とする。」「3 この判決は仮に執行することができる。」

判決は、本件合意の成立を認め、無効の主張をいずれも退けて、HKT氏の請求を全部認容しました。違約金1億5,000万円の全額と、訴状送達の日の翌日からの年3分の割合による遅延損害金の支払が命じられ、仮執行の宣言も付されています。

判断の射程―参考となる点と一般化できない点

以下は、判決の内容を踏まえた当事務所の評価です。裁判所が示した判断そのものとは区別してお読みください。

参考となる点

  • 署名押印を否定された書面でも、経緯と事後の言動から成立が認められ得ること。本判決は、署名の表記、住所の記載、印影という書面上の違いがあったにもかかわらず、原案の作成から交付、送付に至る経過と、その後の買戻し交渉での会話の内容を積み重ねて、覚書の成立の真正を認めました。特に、交渉の場で覚書の内容に沿った話が繰り返され、相手方が異議を述べず、支払の可否について肯定的に答えていたことが重く見られています。正式な契約書とは別の書面について、後から署名していないと争う場合も、争われる場合も、当時のやり取りの記録が結論を左右し得ることを示す一例です。
  • 取引価格と覚書の内容の結び付きが、合意の存在を裏付ける事情とされたこと。本判決は、経営権が基準となる価格よりも大幅に安い3,600万円で譲渡されたこと、違約金の額が基準となる価格と実際の売買代金との差額に近い1億5,000万円とされたことを認定し、安価な譲渡をしながら買戻しの合意をしないまま放置したとは考え難いとしました。価格の決め方の経緯が、別の書面の存在を推認させる事情として働いた例といえます。
  • 医療法人の経営権の譲渡に伴う個人間の合意は、法人の行為と区別して評価されたこと。本判決は、本件合意を医療法人TKWを当事者としない個人間の合意と捉え、医療法人から財産が流出しないことを理由に剰余金の配当には当たらないとし、定款の利益相反取引の規律にも該当しないとしました。医療法人が関与する診療所の譲渡では、法人と理事長個人との区別が曖昧なまま話が進むことがありますが、合意の当事者が誰であるかが法的な評価を大きく左右することを示しています。
  • 正式な契約書とは別の書面があることを理由とする無効の主張は、容易には認められなかったこと。本判決は、別の書面の作成を勧めたのが譲受人自身であったことなどを指摘し、行政庁への申請との関係で虚偽の説明に当たり得るとしても、そのことから直ちに合意が公序良俗に反するとはいえないとしました。自ら勧めて作成させた書面について、後になってその存在を理由に無効を主張することには限界があることを示す判断です。

一般化できない点

  • 本判決の合意の成否についての判断は、原案の作成時期、面会の内容、買戻し交渉での具体的な会話など、本件の証拠関係に基づく事実認定です。署名や印影に違いがある書面一般について、成立が認められやすいという結論を導くことはできません。
  • 本件では、MRY氏は合意の成否と有効性だけを争い、違約金1億5,000万円という額が過大であるとの主張はしていません。判決も、違約金の額の相当性や、違約金と清算金との関係について判断していません。違約金の額が問題となる事案で、本判決を額の相当性を肯定した例として扱うことはできません。
  • 判決は、個別指導の回避という本件契約の背景事情を認定していますが、MRY氏はその目的自体を理由とする無効を主張しておらず、判決もその点を独立に検討していません。行政庁への申請との関係でも、虚偽の説明に当たるかどうかを確定的に判断したものではありません。正式な契約書とは別の合意を行政庁に秘することが適法であると判断したものでは全くありません。
  • 医療法54条についての判断は、本件契約の有効性に争いがなく、本件合意の締結と履行によって医療法人から財産が流出しないという本件の構造を前提とするものです。医療法人の財産が個人に移転する仕組みを含む合意について、同じ結論になるとは限りません。
  • 判決本文には控訴や確定に関する記載がなく、上訴の有無及び確定は確認できていません。

診療所や事業の譲渡で確認しておきたいこと

本判決を踏まえると、診療所の経営権や事業を譲渡する際に、正式な契約書とは別に買戻しや追加の支払を約束する場合には、誰と誰の間の合意なのか、行政庁への申請や届出との関係で問題がないかを、事前に専門家と検討することが重要です。行政庁への申請内容と異なる合意を秘して交わすことは、本判決の結論にかかわらず、行政上の問題や紛争の火種となるおそれがあり、避けるべきです。また、合意を交わした場合には、双方が署名押印した書面の原本を確実に保管し、交付や返送の経過も記録しておくことが、後の紛争を防ぐことにつながります。これらは本判決を踏まえた当事務所の着眼点であり、本判決が特定の契約の方法の適否を判断したものではありません。

株式譲渡契約の解除や、詐欺・錯誤による取消しを検討する場合の進め方は、次のページでご案内しています。

よくあるご質問

医療法人から診療所の経営権を譲り受ける際、理事長個人と結んだ買戻しの合意は有効ですか。

本判決は、医療法人を当事者としない理事長個人と譲受人個人との間の合意として、有効性を認めました。医療法54条の剰余金の配当の禁止については、合意の締結と履行によって医療法人から財産が流出しないことを理由に該当しないとし、定款の利益相反取引の規律についても、医療法人が当事者でない合意には該当しないとしています。もっとも、これは本件の合意の構造を前提とした判断です。

覚書に署名押印していないと主張すれば、責任を免れられますか。

書面上の違いがあっても、それだけで成立が否定されるとは限りません。本判決では、署名の表記や印影が契約書と異なっていましたが、覚書の作成経緯、面会時の肯定的な返答、その後の交渉で覚書に沿った話に異議を述べず支払に前向きな回答をしていたことなどから、覚書の成立が認められました。

行政庁への申請に添付しなかった別の合意は、無効になりますか。

本判決は、別の書面の作成を勧めたのが譲受人自身であったことなどから、仮に行政庁への虚偽の説明に当たり得るとしても、そのことから直ちに合意が公序良俗に反するとはいえないとしました。ただし、判決は虚偽の説明に当たるかどうかを確定的に判断しておらず、このような別の合意を交わすこと自体を認めたものではありません。行政庁への申請と異なる合意には、行政上の問題を含めて大きな危険が伴います。

違約金の額が大きすぎる場合、減額を求めることはできますか。

本件では、違約金の額が過大であるとの主張はされておらず、判決も額の相当性を判断していません。判決は、違約金1億5,000万円が、基準となる価格と実際の売買代金との差額に近い額として定められたと認定しています。違約金の額を争う余地があるかどうかは、合意の内容や経緯に応じて個別に検討する必要があります。

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医療法人から歯科診療所の経営権を譲り受けた歯科医師と、法人の理事長個人との間で交わされた買戻しの覚書をめぐり、覚書の成立と効力、違約金の請求が争われた場面の判例を解説します。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、2024年(令和6年)10月には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ました。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めています。

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著書

非上場会社における少数株主対策の手法と実務
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『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社)
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