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法令違反の表明保証に粉飾決算を含めて株式代金相当額の賠償を命じた事例―東京地方裁判所令和5年10月26日判決

公開 2023年10月26日更新 2026年10月30日

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創業者から非上場会社の株式の過半数を買い受けた買主が、後になって、売買の前に示された決算書が借入金を少なく見せるなどして粉飾されていたことを知り、売主の責任を問う場面の判例です。東京地方裁判所令和5年10月26日判決は、売主である創業者に対する不法行為に基づく請求は消滅時効により消滅したと判断しましたが、株式売買契約の表明保証条項違反に基づく賠償請求を認め、売買代金2億1,000万円から和解金の既払分80万円を差し引いた2億920万円の支払を命じました。

この判決の特徴は、表明保証条項に決算書の正確性を保証する直接的な記載がなかったにもかかわらず、契約の締結及び履行が法令等に違反しないことを表明保証する条項の解釈を通じて、決算書が法令に従って作成されたことも表明保証の対象になると判断した点にあります。本記事では、その解釈の理由、不法行為の請求が時効で退けられた経緯、売買代金相当額が損害とされた理由、売買代金で貸付金の返済を受けた貸主の責任が否定された理由を、判決本文に基づいて整理します。

Contents
  1. 裁判例の基本情報
  2. 当事者の表記
  3. 事案の概要―粉飾された決算書を前提に、株式の過半数が2億1,000万円で売買された
    1. 対象会社は、短期の借入れを繰り返して資金をつないでいた
    2. 貸付金の弁済期が迫るなかで、買主が紹介された
    3. 株式売買契約の締結と、その後の貸付け
    4. 粉飾の発覚から提訴まで
  4. 事案の経緯の時系列
  5. 判断の前提となった契約条項
    1. 第3条―売主の表明(本件表明保証条項)
    2. 第6条―表明保証条項に違反した場合の賠償(本件賠償条項)
  6. 原告の請求と当事者の主な主張
    1. RGSの請求
    2. 主な主張の対立
  7. 結論を左右した争点
  8. 裁判所が認定した重要な事実
    1. 本件決算書の内容と、実際の財務状態
    2. 粉飾の発覚とTKD氏の自認
  9. 各主張を採用し又は排斥した理由
    1. TKD氏の関与―粉飾を認識しながら決算書を提供したと認定
    2. 消滅時効―仮定的な抗弁としての援用は信義則に反しない
    3. 表明保証条項違反―決算書が法令に従って作成されたことも表明保証の対象
    4. KMCの関与―認識していたと推認するには足りない
    5. 損害―株式はほぼ無価値であり、売買代金相当額が「合理的な範囲」の損害
    6. 仲介者との和解金の扱い―既払分80万円を元本から控除
    7. 遅延損害金―催告の翌日から年3パーセント
  10. 主文及び結論
  11. 判断の射程―参考となる点と一般化できない点
    1. 参考となる点
    2. 一般化できない点
    3. 契約や交渉で確認しておきたいこと
  12. よくあるご質問
    1. 表明保証条項に決算書の正確性が書かれていなくても、粉飾決算について売主の責任を問えますか。
    2. 不法行為に基づく損害賠償請求権が時効で消滅しても、売主に請求できますか。
    3. 買主が将来性も考えて株価を決めていた場合でも、売買代金全額が損害になりますか。
    4. 仲介者と和解して受け取った和解金は、売主への請求額から差し引かれますか。
  13. 関連する記事と御相談のご案内

裁判例の基本情報

裁判所 東京地方裁判所民事第31部
裁判日 令和5年10月26日
事件番号 令和2年(ワ)第22798号
裁判の形式 判決
審級 第一審
結論 売主(被告)に対し、表明保証条項違反に基づく賠償金2億920万円及び令和2年6月2日から年3パーセントの遅延損害金の支払を命じ、その余の請求を棄却。貸主であった会社(被告)に対する請求は棄却
上訴の状況 上訴の有無及び確定は確認できていません

この表は、判決本文の冒頭及び末尾の記載に基づいて当事務所が作成したものです。

当事者の表記

判決に出てくる会社名・氏名は、本記事独自のイニシャルに置き換えています。判決が用いている符号も、そのままは使わずに次の表記へ置き換えています。

本記事の表記 立場
買主である賃料保証会社RGS(以下「RGS」) 原告。土地建物の賃料保証及び賃貸借等を目的とする株式会社で、対象会社の株式を買い受け、その後に対象会社へ貸付けも行いました
RGSの担当従業員HYS氏(以下「HYS氏」) RGSの従業員で、株式売買契約のデュー・ディリジェンスを担当し、株式の価値を試算しました
売主である創業者TKD氏(以下「TKD氏」) 被告。対象会社の創業者で元代表取締役。保有株式の一部をRGSに売却しました
対象会社であるLED照明メーカーLTC(以下「LTC」) LED照明及び関連商品並びに応用装置の研究開発、企画、製造、販売等を目的とする株式会社。株式の譲渡に取締役会の承認を要する非上場会社です
貸主である経営コンサルティング会社KMC(以下「KMC」) 被告。会社の設立及び経営の指導、経営・財務一般のコンサルティング等を目的とする株式会社で、LTCに多額の貸付けをしていました
資金調達を仲介した公認会計士NKT氏(以下「NKT氏」) LTCの資金調達やM&Aの仲介・斡旋を行い、手数料を得ていた公認会計士。当初は本件の被告の一人でしたが、手続が分離され、判決前にRGSと和解しました
経理代行会社OTS(以下「OTS」) NKT氏が代表取締役を務める、経理・財務・会計に関するアウトソーシング業務を目的とする株式会社
融資元の会社WRB(以下「WRB」) NKT氏の顧問先で、NKT氏に資金を貸し付けた会社
紹介者SGW氏 NKT氏の知人で、RGSをNKT氏に紹介した人物

判決本文を引用する部分では、当事者の呼称を上記の表記に置き換え、置き換えた箇所を〔 〕で示しています。判決本文の数字の表記は、引用部分では判決本文のままとしています。

事案の概要―粉飾された決算書を前提に、株式の過半数が2億1,000万円で売買された

対象会社は、短期の借入れを繰り返して資金をつないでいた

LTCは、発行済株式総数2万976株の非上場会社です。創業者のTKD氏は、平成24年12月31日時点でLTCの株式1万6,716株を保有していました。

判決が認定した事実によれば、TKD氏は平成26年7月16日、公認会計士のNKT氏に資金調達のための投資家の紹介を依頼し、NKT氏はKMCを紹介しました。KMCは、同年9月1日にLTCに1億円を無担保で貸し付け、同年11月28日にも1億5,000万円を、弁済期を平成27年5月28日と定めて貸し付けました。後者の貸付けの際、TKD氏は、LTCの債務を連帯保証するとともに、保有するLTCの株式1万489株をKMCのために譲渡担保に供しました。

この間、LTCは、NKT氏が借り入れた資金の転貸やKMCの取締役の資金によるつなぎ融資なども受けており、資金調達のたびに、NKT氏が代表を務めるOTSが報酬を受け取っていました。平成27年2月には、NKT氏がWRBから借り入れた9,500万円をTKD氏に貸し付け、その資金でKMCに対する1億円の借入金が弁済されています。

貸付金の弁済期が迫るなかで、買主が紹介された

LTCがKMCに対する1億5,000万円の借入金の返済に窮したことを受けて、NKT氏は、知人の紹介者SGW氏を介してRGSを紹介しました。平成27年5月15日には、TKD氏とSGW氏、RGSの従業員らとの面談が行われ、NKT氏も同席しました。この面談で、TKD氏は、LTCの製品であるLED蛍光灯が他社の製品と比べて優れており、国内外の特許を取得していること、多数の取引先との実績があり、売上げも倍増して急成長していること、大口顧客から発注があったが特注部品の代金の先払いが必要で資金繰りに困っていることなどを説明しました。

平成27年5月20日、株式の購入価格を検討するための資料として、LTCの平成24年から平成26年までの3事業年度の決算書(判決は「本件決算書」と呼んでいます)が、TKD氏のメールアドレスから送信されたメールに添付されてRGSに提供されました。

株式売買契約の締結と、その後の貸付け

平成27年6月15日、NKT氏の同席の下で、TKD氏は保有するLTCの株式1万489株を、代金2億1,000万円(1株当たり2万21円)でRGSに売却する株式売買契約を締結しました。RGSは同日、代金をTKD氏が指定したLTCの金融機関口座に振り込み、LTCはその代金を用いてKMCからの1億5,000万円の借入金を弁済しました。売却された株式1万489株は、発行済株式総数の過半数に当たります。

さらに、RGSは、平成27年11月5日、LTCに1億1,500万円を、弁済期を平成28年2月29日と定めて貸し付けました。

粉飾の発覚から提訴まで

本件決算書は、LTCの借入金の額を過少にするなど、実態と合致しない粉飾されたものでした。RGSは平成28年5月27日頃に粉飾を認識しました。RGSは、令和2年6月1日、TKD氏に対し、株式売買契約の賠償条項に基づく損害賠償請求として、2億1,000万円及び遅延損害金の支払を催告しました。本件は、RGSがTKD氏及びKMCに対して損害賠償等を求めた訴訟です。NKT氏も当初は被告の一人でしたが、手続が分離されています。

事案の経緯の時系列

日付 出来事(判決本文の前提事実及び認定事実による)
平成26年7月16日 TKD氏がNKT氏に投資家の紹介を依頼し、NKT氏がKMCを紹介。KMCには平成25年の決算書類と銀行取引履歴(判決は改ざんされたものと認定)が交付された
平成26年9月1日 KMCがLTCに1億円を無担保で貸付け(弁済期平成27年3月1日)
平成26年11月28日 KMCがLTCに1億5,000万円を貸付け(弁済期平成27年5月28日)。TKD氏が連帯保証し、株式1万489株を譲渡担保に提供
平成27年1月5日 NKT氏とTKD氏が、LTCに関するM&Aの仲介・斡旋業務の業務委託契約を締結
平成27年5月8日 NKT氏が、紹介者SGW氏を介して紹介されたRGSに、LTCへの資金融資の交渉を依頼
平成27年5月15日 TKD氏、SGW氏、RGSの従業員らの面談(NKT氏が同席)
平成27年5月20日 本件決算書(平成24年から平成26年までの3事業年度分)が、TKD氏のメールアドレスからRGSに送信される
平成27年6月15日 株式売買契約の締結(1万489株、代金2億1,000万円)。代金はLTCの口座に振り込まれ、KMCへの返済に充当
平成27年9月から平成28年2月 NKT氏が、株式売買契約を成立させたことの報酬として、LTCから合計400万円を受領
平成27年11月5日 RGSがLTCに1億1,500万円を貸付け(弁済期平成28年2月29日)
平成28年5月27日頃 RGSが本件決算書の粉飾を認識
令和2年6月1日 RGSがTKD氏に、賠償条項に基づき2億1,000万円等の支払を催告(内容証明郵便が同日到達)
令和4年5月23日 TKD氏が準備書面で、不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効を援用
令和5年6月20日 RGSとNKT氏・OTSの間で、解決金400万円を毎月80万円ずつ分割で支払う和解が成立
令和5年10月26日 東京地方裁判所が、TKD氏に2億920万円等の支払を命じる判決

判断の前提となった契約条項

以下は、判決本文が株式売買契約の条項について記載した内容を、判決本文の文言のまま示したものです。第3条は判決本文が「要旨」として記載したもの、第6条は判決本文が条項の内容を説明したものであり、いずれも契約書原本の条文をそのまま再現したものではありません。当事者の呼称は本記事の表記に置き換えています。

第3条―売主の表明(本件表明保証条項)

判決本文によれば、第3条は「甲(〔TKD氏〕)の表明」と題する条項で、その要旨は次のとおりです。

〔TKD氏〕が、〔RGS〕に対し、契約日及び本件株式の譲渡日(本件売買契約に係る代金全額の支払日)において、〔TKD氏〕による本件売買契約の締結及び履行に関し、同契約で定める場合を除き、官公庁その他の第三者の許認可・承諾などが要求されることはなく、かつ法令、規則、通達もしくは〔TKD氏〕又は〔LTC〕が拘束される第三者との契約に違反するものでないことを表明し保証する

第6条―表明保証条項に違反した場合の賠償(本件賠償条項)

本件表明保証条項に違反した場合には、契約の相手方が被った被害、損失及び費用などを合理的な範囲で相手方に賠償する義務を定めた条項

判決本文から分かる限り、第3条は、契約の締結及び履行について第三者の許認可・承諾が不要であることと、法令や第三者との契約に違反しないことを表明保証するものであり、LTCの計算書類や決算書が正確であることを明示的に保証する文言は含まれていませんでした。この点が、本件の最も大きな争点になりました。

原告の請求と当事者の主な主張

RGSの請求

RGSは、TKD氏とKMCが、NKT氏らと共謀して、粉飾された決算書を示すなどしてLTCの企業価値を実態より高いと誤信させ、株式を購入させ、さらに貸付けをさせたとして、次の請求をしました。

  • TKD氏に対し、選択的に、不法行為、又は表明保証条項違反に関する賠償合意に基づく賠償金若しくは表明保証条項の定める債務の不履行に基づく損害賠償として、2億3,100万円及び平成27年6月15日から年5パーセントの割合による遅延損害金。2億3,100万円は、売買代金2億1,000万円と、不法行為に基づく請求についての弁護士費用相当損害金2,100万円の合計です。
  • KMCに対し、共同不法行為に基づき、3億5,493万2,958円及び遅延損害金。売買代金2億1,000万円と弁護士費用2,100万円に加え、LTCへの貸付金のうち返済を受けていない1億1,266万6,326円と、その弁護士費用相当損害金1,126万6,632円を含む金額です。

判決は、遅延損害金の請求について、平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5パーセントの割合によるものと整理しています。

主な主張の対立

論点 RGSの主張 TKD氏・KMCの主張
TKD氏の関与 TKD氏はNKT氏と共謀して粉飾決算書を作成・提供した(TKD氏のメールアドレスからの送信、TKD氏の自己申告)。詐欺的行為又は信義則上の情報提供義務違反として不法行為責任を負う 経理はNKT氏に一任し、メールアカウントも使える状態にしていたので、決算書を作成して送ったのはNKT氏である。粉飾を認めたこともない
消滅時効 自己申告を否認しながら、その日を前提に時効を援用するのは信義則上許されない 不法行為が認められる場合に備えた仮定的な抗弁であり、信義則に反しない
表明保証条項違反 粉飾決算書の作成・提供等は私文書偽造罪・同行使罪や善管注意義務違反に当たり、契約の締結及び履行について「法令違反」がある 条項は契約の締結及び履行が法令等による制約を受けないことを約するもので、参考資料である決算書の正確性は対象外。法令違反があっても契約の締結や株式の譲渡の障害にならない
KMCの関与 貸付金の回収のため、株式価値がほとんどないと知りながら決算書を提供させ、又は黙認した。少なくとも重過失がある 虚偽との認識も重過失もない。貸付けの返済を受けただけで、原資に干渉していない
損害 株式は無価値であり、売買代金2億1,000万円全額が損害で、賠償条項の「合理的な範囲」の金額である (TKD氏)資金援助の目的で買ったもので、株式の評価額を前提にしておらず因果関係がない。NKT氏との和解金400万円を控除すべきである

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

結論を左右した争点

判決は争点を5つに整理しました。(1)TKD氏が決算書の作成・提供にどう関与したか、(2)TKD氏の消滅時効の援用が信義則上許されないか、(3)表明保証条項違反があったか、(4)KMCが決算書の作成・提供に関与したか、(5)RGSに生じた損害です。

結論を分けたのは、次の3点です。

  1. 不法行為に基づく請求は成立するものの、消滅時効で消滅したこと。これにより、不法行為を根拠とする弁護士費用相当額の請求や、KMCとの共同不法行為の主張は、結論に結び付きませんでした。
  2. 決算書の正確性を明示していない表明保証条項について、決算書が法令に従って作成されたことも対象になると解釈されたこと。これにより、契約上の賠償条項に基づく請求が認められました。
  3. LTCの株式がほぼ無価値であったとして、売買代金相当額が賠償条項の「合理的な範囲」の損害とされたこと。

裁判所が認定した重要な事実

判決は、前提事実に加え、証拠及び弁論の全趣旨により、次の事実を認定しました(以下は判決本文の認定事実の要約です)。

本件決算書の内容と、実際の財務状態

  • 本件決算書では、LTCは対象期間全体で黒字とされていました。
  • 売買契約に最も近い平成26年12月末の貸借対照表では、資産合計6億6,777万2,506円、負債合計4億2,078万602円、純資産合計2億4,699万1,904円とされ、借入金は、KMCからの合計2億5,000万円と銀行からの長期借入金合計3,139万8,000円の総額2億8,139万8,000円とされていました。
  • 実際には、LTCは少なくとも合計4億7,000万円以上の借入債務を負っており、負債は少なくとも6億3,155万9,602円であって、本件決算書は粉飾されたものでした。借入れの時期が明らかでなく平成27年以降の借入れの可能性がある分は、借入額として認定されていません。
  • TKD氏が説明した納品実績や売上についても虚偽でした。
  • KMCに交付された銀行取引履歴は、取引先からの入金を偽装し、取引後の残高を実態よりも多くするなど改ざんされたものでした。

粉飾の発覚とTKD氏の自認

  • RGSの代表者らと、デュー・ディリジェンスを担当したHYS氏は、TKD氏が平成28年5月27日、LTCの取締役会における追及の結果、本件決算書が虚偽であることを自ら認め、真の決算書を提示したと証言・供述しました。
  • NKT氏は、TKD氏が平成28年6月12日、過去15年にわたる売上げの過大計上を認めたと供述し、その旨の報告書を同年10月26日にRGSに提出していました。

各主張を採用し又は排斥した理由

TKD氏の関与―粉飾を認識しながら決算書を提供したと認定

判決は、TKD氏がLTCの創業者兼代表者として創業以来実務に携わってきた立場にあることから、粉飾について「およそ認識していなかったとは考え難い」としました。RGSの代表者らやHYS氏の証言・供述と、NKT氏の供述は、TKD氏が粉飾と決算書の提供を自認していた点で一致しており、TKD氏の立場に照らしても整合的で信用できると判断しています。

そのうえで、決算書がTKD氏のメールアドレスから送信されていること、TKD氏が株価の算定について自らRGSに説明していたことも併せ考慮し、粉飾と決算書の提供は、TKD氏の認識・了解の下でされたと認めました。

決算書を作成・送付したのはNKT氏であるというTKD氏の主張については、次の理由で退けました。

  • NKT氏の役割は資金調達の仲介であり、株式売買契約でも契約書の案などの資料をRGSに送り、成立させたことの手数料として合計400万円を受領していたもので、公認会計士としてLTCの会計業務を行っていたものではないこと。確定申告は別の税理士が担当し、会計に関する顧問契約等の形跡もないこと。
  • NKT氏は、WRBからの融資の際に自ら借り入れてLTCに貸し付けるなどLTCの信用リスクを引き受けており、売買代金がWRBへの債務より先にKMCへの返済に充てられた結果、WRBへの債務が残っていること。判決は、これらの事情から、NKT氏が決算書の作成に関与していたとも、粉飾を認識していたとも認められないとしました。
  • NKT氏がTKD氏のメールアカウントを使える状態にあったことを裏付ける証拠はないこと。決算書を送信したメールはNKT氏のメールアドレスにも写しが送られており、その5日後以降、NKT氏は自らのメールアドレスから契約関係の資料をRGSに送っていたこと。

判決は、TKD氏の行為について、次のとおり述べました。

「〔TKD氏〕は、本件決算書の粉飾を認識しつつ、それを〔RGS〕に提供したのであり、このような行為は、本件売買契約の締結に関する〔RGS〕の意思決定を誤らせる危険のあるものとして、〔RGS〕に対する不法行為となる。」

消滅時効―仮定的な抗弁としての援用は信義則に反しない

RGSは、TKD氏が不法行為の事実も粉飾の自己申告も否定しながら、自己申告の日を前提に時効を援用するのは信義則上許されないと主張しました。判決は、TKD氏が請求原因を否認したうえで、それが認められた場合に備えて抗弁として時効消滅を主張しているものであり、RGSが自認する不法行為の認識の時期を起算点として時効期間の満了を主張することは、「時効の制度上何ら信義則に反するものではなく」と判断しました。その結果、TKD氏に対する不法行為に基づく損害賠償請求権は、消滅時効により消滅したとされました。

前提事実によれば、RGSが粉飾を認識したのは平成28年5月27日頃であり、TKD氏が時効を援用したのは令和4年5月23日に到達した準備書面によるものでした。判決は、時効期間の計算の過程を詳しくは示していません。

表明保証条項違反―決算書が法令に従って作成されたことも表明保証の対象

判決は、まず第3条の趣旨を、売買契約が売主や対象会社の事情により取り消されたり、その有効性に関する紛争が生じたりするリスクに対応する趣旨の条項であると解しました。そのうえで、次の事情を挙げて、LTCの決算書等の計算書類が適切な会計原則に従って作成され、財産状態及び経営成績が正確に反映されていることは「極めて重要であると解される」としました。

  • 売買契約は、KMCからの借入金の弁済期である平成27年5月28日が直近に迫っているという、差し迫った資金需要に応じてされたものであったこと。
  • RGSは、平成27年5月20日に決算書の開示を受けてから早急に投資判断をしなければならない状況にあり、実際に契約が締結されたのは同年6月15日で、売買代金2億1,000万円という投資の規模と比べて極めて短期間に判断したものであったこと。
  • LTCは非上場会社であり、株式価値の算定は容易でなく、特に短期間に適切に算定するには、LTCが提供する資料の正確性・真実性に依存せざるを得ないこと。

判決は、このような事情を踏まえて、次のように述べています。

「本件表明保証条項には、〔LTC〕の会計に関して適正に計算書類が作成されたことを保証する直接的な記載はないが、上記のとおり、〔LTC〕の作成した本件決算書等の財務資料が適正なものであることが重要であることに鑑みれば、〔RGS〕と〔TKD氏〕において、示された本件決算書の適正性について等閑視し、あえて表明保証の対象としなかったものとは考えられない。」

次に、判決は、会社法が株式会社に適時に正確な会計帳簿を作成する義務を課し(会社法432条1項)、会社計算規則3条が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の企業会計の慣行をしん酌しなければならないと定め、会社法976条7号が会計帳簿や財務諸表に虚偽の記載をした役員を過料に処するとしていることから、「虚偽の決算書を作成する行為は、法令違反行為を構成する」としました。さらに、このような法令違反行為がされた場合には株式価値の算定の前提となる事項について錯誤があるといえ、虚偽の決算書を示して錯誤に陥らせて売買契約の締結を求める行為は詐欺行為を構成するから、当然に売買契約の有効性に影響を与える事情であるとも述べています。

こうして、判決は次のとおり結論付けました。

「本件株式の評価に関わる本件決算書が法令に従って作成されたものであることは、本件表明保証条項の対象となる事情というべきである。」

「〔RGS〕に提供された本件決算書に粉飾があったことは、本件表明保証条項違反に該当するから、〔TKD氏〕には本件賠償条項に基づく賠償金支払義務がある。」

TKD氏は、第3条は契約の締結及び履行が法令等による制約を受けないことを約するにすぎず、参考資料である決算書の正確性は対象外であると主張していましたが、判決は、条項の趣旨と取引の事情から、決算書が法令に従って作成されたことも表明保証の対象に含まれると解したことになります。RGSが主張した私文書偽造罪・同行使罪や善管注意義務違反という構成について、判決は個別には判断を示していません。

KMCの関与―認識していたと推認するには足りない

判決は、KMCが無担保の1億円の貸付け、取締役によるつなぎ融資、1億5,000万円の貸付けなど相当の資金を提供しており、これに伴いLTCの経営状況等について一定の説明を受けていたことは推認できるとしました。しかし、KMCが具体的にどの程度の財務資料の提供を受けていたかを認定するに足りる証拠はなく、売買代金の一部がKMCへの返済に充てられたとしても、KMCが売買契約の締結や、その際にTKD氏がどのような資料を提供したかという具体的な事情を認識していたと認めるに足りる証拠はないと判断しました。

RGSは、KMCが返済の遅れを認識し、経営に関する情報・アドバイスの提供に係る契約に基づいて財務情報を受けていたこと、売買代金の4分の3以上がKMCへの返済に充てられたことを指摘しました。これに対し、判決は、株式の過半数を取得したRGS自身が平成28年5月27日まで粉飾を知らなかったことからすれば、LTCが借入先であるKMCに対し、資金繰りが危機的であることや、KMCに提供していた決算書類も粉飾されたものであることを開示するとは考え難く、KMCがその契約に基づいて財政状況の実態を把握し得たとも考えられないとしました。結論として、KMCが故意又は過失により決算書の作成ないし提供に関与したと推認するには足りないとして、KMCに対する請求を棄却しました。

損害―株式はほぼ無価値であり、売買代金相当額が「合理的な範囲」の損害

判決は、まず、表明保証条項は、LTCないしTKD氏の資金需要を早期に満たす代わりに、それに伴いRGSが負担するリスクを可及的に減少させるために設けられたものであると位置付けました。

次に、HYS氏が株式の価値を検討した経過を認定しました。HYS氏は、(1)純資産を基準に1株当たり1万1,775円、(2)営業利益5年分を時価総額として1株当たり1万5,221円と算出し、さらに(3)TKD氏が説明した事業計画に基づいて1株当たり4万8,110円程度の価値があるとも考えられるとの試算をし、最終的に1株当たり2万21円で契約に至っていました。RGSは、その後、TKD氏との間で特許権実施許諾契約を締結し、子会社を設立してLTCの商品を売ろうともしていました。判決は、これらの事情から、RGSは、資産を基準とする企業価値だけでなく、事業の成長と本業とのシナジーに期待して、将来価値も考慮して契約を締結し代金を支払ったと認めました。

しかし、判決は、次の事情から、LTCに事業の継続性を考慮した企業価値があったとは考えられないとしました。

  • 粉飾の規模が相当大きく、記載されていなかった借入金を考慮すれば、平成26年12月期において、資産約6億6,777万円に対し負債が少なくとも約6億3,155万円以上であって、債務超過目前の状態であったこと。なお、判決本文の損害の項では、この6億6,777万2,506円が「純資産」と表記されていますが、認定事実の項では資産合計の額として記載されています。
  • KMCに開示された銀行取引履歴が入金や残高を偽装したものであり、決算書の資産の部の記載も正確とは考え難いことから、LTCは債務超過であったと推認できること。
  • TKD氏が説明した取引実績も虚偽であったこと。
  • LTCは金融機関から低利の融資を受けることができず、仲介者に高額の手数料を支払って短期の借入れを繰り返し、その借入金を直前の借入れの弁済資金に充てなければならない状況であったこと。

判決は、「〔LTC〕の企業価値はほぼ無価値な状況であったというべきである」とし、次のとおり判断しました。

「〔RGS〕は、ほぼ無価値の本件株式を購入させられたものと考えられるから、〔RGS〕が支払った本件売買契約に係る売買代金相当額2億1000万円は、本件賠償条項所定の「合理的な範囲」の損害といえる。」

仲介者との和解金の扱い―既払分80万円を元本から控除

RGSは、令和5年6月20日、NKT氏及びOTSとの間で、NKT氏が解決金400万円を令和5年7月から同年11月まで毎月末日限り80万円ずつ分割で支払う和解をしていました。判決は、口頭弁論終結日である令和5年8月28日までに支払期限が到来した80万円については支払があったものと推認しました。

そのうえで、和解は、粉飾された決算書が提供されたことを前提に、RGSがLTCに出捐した金銭をめぐる損害に関するものであるから、RGSの損害と同質性があるとし、解決金名目の支払で遅延損害金の発生を前提とするものではないことから、「この支払は、本件の損害賠償債務の元本額に充当されるべき性質のものであると解される」と判断しました。こうして、売買代金相当額2億1,000万円から80万円を差し引いた2億920万円が、TKD氏の賠償義務の額とされました。和解金400万円のうち、口頭弁論終結時までに支払期限が到来していない部分は控除されていません。

遅延損害金―催告の翌日から年3パーセント

RGSは、売買代金の支払日である平成27年6月15日から年5パーセントの遅延損害金を求めていました。判決は、賠償条項に基づく賠償金について、支払催告の内容証明郵便が到達した日の翌日である令和2年6月2日から、民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金を認めました。判決は、その根拠として民法419条1項と平成29年法律第44号附則17条3項を参照しています。

当事務所の補足ですが、同附則17条3項は、改正民法の施行日(令和2年4月1日)前に遅滞の責任を負った場合の遅延損害金は従前の例によると定める経過規定です。本件では遅滞が施行日後に生じたとされたため、改正後の法定利率である年3パーセントが適用されたものと理解できます。

主文及び結論

判決の主文は、次のとおりです(判決の符号は本記事の表記に置き換えています)。

  1. TKD氏は、RGSに対し、2億920万円及びこれに対する令和2年6月2日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。
  2. RGSのTKD氏に対するその余の請求及びKMCに対する請求をいずれも棄却する。
  3. 訴訟費用は、RGSに生じた費用の100分の35及びTKD氏に生じた費用の10分の9をTKD氏の負担とし、RGSに生じたその余の費用、TKD氏に生じたその余の費用及びKMCに生じた費用をRGSの負担とする。
  4. この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

認められたのは、TKD氏に対する表明保証条項違反に基づく賠償金2億920万円と、令和2年6月2日からの年3パーセントの遅延損害金です。不法行為に基づく請求は消滅時効により消滅したとされ、KMCに対する請求は関与が認められず棄却されました。

判断の射程―参考となる点と一般化できない点

以下は、判決の内容を踏まえた当事務所の評価です。裁判所が示した判断そのものとは区別してお読みください。

参考となる点

  • 決算書の正確性を明示していない表明保証条項でも、粉飾決算に及ぶと解釈された例であること。本判決は、法令違反がないことを表明保証する条項について、取引の経緯や非上場株式の評価が資料に依存することを踏まえ、決算書が法令に従って作成されたことも対象になると解しました。買主の立場からは、表明保証条項の文言が狭くても、直ちに請求を諦める必要はないことを示す一例です。
  • 不法行為の請求が時効にかかっても、契約上の賠償条項による請求が残り得ること。本件では、粉飾を知ってから長期間が経過し、不法行為に基づく請求は消滅時効で消滅しましたが、株式売買契約の賠償条項に基づく請求が認められました。表明保証違反に基づく請求と不法行為に基づく請求は、時効の扱いが異なり得るため、双方を検討する意味があります。
  • 買主が将来価値を考慮して価格を決めていても、売買代金全額が損害とされた例であること。本判決は、買主が事業計画や事業上の相乗効果も考慮して価格を決めたと認めながら、粉飾の規模、債務超過、取引実績の虚偽、短期の借入れを繰り返す資金繰りの状況から、株式はほぼ無価値であったとして、売買代金相当額を「合理的な範囲」の損害と認めました。
  • 同じ損害に関する和解金は、支払われた分が元本から控除されること。本判決は、仲介者との和解金について損害との同質性を認め、口頭弁論終結時までに支払期限が到来した分を元本に充当しました。複数の関係者に請求する場合、和解の時期と支払方法が他の者への請求額に影響します。
  • 売買代金で返済を受けた貸主の責任は、具体的な認識の立証が必要であること。売買代金の大部分が貸主への返済に充てられていても、貸主が粉飾や売買契約の具体的事情を認識していたことの証拠がなければ、共同不法行為の責任は認められませんでした。

一般化できない点

  • 本判決の表明保証条項の解釈は、差し迫った資金需要の下で、開示から1か月足らずという短期間に2億1,000万円の投資判断がされたこと、対象会社が非上場会社で資料に依存せざるを得なかったことなど、本件の具体的な事情を踏まえたものです。法令違反がないことの表明保証条項が、常に決算書の正確性まで保証するものと解されるわけではありません。
  • 本件では、売主自身が粉飾を認識しながら決算書を提供したと認定されています。売主が粉飾を知らなかった場合に同じ解釈がされるかについて、本判決は判断していません。
  • 判決は、虚偽の決算書を示して契約締結を求める行為が詐欺行為を構成し、契約の有効性に影響を与える事情であると述べていますが、本件で契約の取消しや無効が主張され判断されたものではありません。
  • 表明保証条項違反に基づく賠償請求権の消滅時効については、本件で援用がされておらず、判決は判断していません。
  • 株式がほぼ無価値であったという判断は、債務超過、取引実績の虚偽、資金繰りの状況など本件の事実関係に基づくもので、粉飾があれば常に売買代金全額が損害になるという一般論を示したものではありません。
  • 上訴の有無及び確定は確認できていません。

契約や交渉で確認しておきたいこと

買主の側では、計算書類が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って作成され、財務状態と経営成績を正確に表示していること、開示されていない債務がないことを、表明保証の対象として明示しておくことが基本です。本判決は条項の解釈によって買主の請求を認めましたが、文言で明示されていれば、解釈をめぐる争いそのものを避けることができます。また、粉飾が疑われる事情を知った場合には、不法行為の消滅時効が進行し得ることを意識して、早期に請求の根拠と方法を検討することが重要です。これらは本判決を踏まえた当事務所の着眼点であり、本判決が特定の条項例の有効性を判断したものではありません。

M&Aの後に表明保証違反が判明し、売主に補償を請求する場合の進め方は、次のページでご案内しています。

よくあるご質問

表明保証条項に決算書の正確性が書かれていなくても、粉飾決算について売主の責任を問えますか。

契約の文言と取引の事情によります。本判決では、法令や第三者との契約に違反しないことを表明保証する条項について、非上場会社の株式価値の算定が提供資料に依存すること、短期間で投資判断がされたことなどから、決算書が法令に従って作成されたことも表明保証の対象になると解され、粉飾が表明保証条項違反に当たると判断されました。もっとも、この解釈は本件の事情を踏まえたものであり、常に同じ結論になるとは限りません。

不法行為に基づく損害賠償請求権が時効で消滅しても、売主に請求できますか。

本判決では、不法行為に基づく請求は消滅時効により消滅したとされましたが、株式売買契約の表明保証条項違反と賠償条項に基づく請求が認められました。契約に基づく請求と不法行為に基づく請求は根拠が異なるため、それぞれについて検討する必要があります。

買主が将来性も考えて株価を決めていた場合でも、売買代金全額が損害になりますか。

本判決は、買主が事業計画やシナジーへの期待も考慮して価格を決めたことを認めながら、粉飾の規模が大きく、対象会社が債務超過で、取引実績も虚偽であり、事業の継続性を考慮した企業価値があったとは考えられないとして、株式はほぼ無価値であったと判断し、売買代金相当額を損害と認めました。対象会社に一定の価値が残っている場合には、損害額の考え方が異なり得ます。

仲介者と和解して受け取った和解金は、売主への請求額から差し引かれますか。

本判決では、仲介者との和解が同じ粉飾決算をめぐる損害に関するもので、損害と同質性があるとして、口頭弁論終結時までに支払期限が到来した80万円が損害賠償債務の元本から控除されました。まだ支払期限が来ていない分割金は控除されていません。

M&Aトラブルで請求する損害額の算定の考え方は、次のページでご案内しています。

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株式譲渡の後に決算書の粉飾が判明した場合は、表明保証条項と賠償条項の文言、決算書を受け取った経緯と時期、売主や仲介者の説明の記録、粉飾を知った時期を整理し、契約に基づく請求と不法行為に基づく請求の双方について、時効の進行も含めて検討します。表明保証違反に関する当事務所の対応は表明保証違反の御相談のページで、契約の解消を検討する場合の考え方は株式譲渡契約を解消する場合の要件と効果で解説しています。取引に関与した仲介者の責任が問題となる場面については、M&A仲介会社の善管注意義務が問題となる場面をご覧ください。

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この記事の位置付け

粉飾された決算書を示されて非上場会社の株式を買い受けた買主の立場から、決算書の正確性を直接定めていない表明保証条項による売主の賠償責任と、不法行為の消滅時効、損害額の考え方を解説します。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、2024年(令和6年)10月には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ました。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めています。

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著書

非上場会社における少数株主対策の手法と実務
『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』(日本法令)
中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策
『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社)
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